エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

百合に寄するの吟

2010年06月29日 | 日記
芳香を放つ百合の群落にあって、ぼくは噎(む)せかえった。
しばらくするとその芳香に慣れてしまって、少しだけ寂しい思いをしたのである。



眼にも優しく咲いている百合はいじらしくもあるのだ。






         百合に寄するの吟


      百合
      が

      その肢体を艶やかに見せるとき

      空気が一瞬にして
      色彩を帯びるという神話が
      丘陵を駆け去っていった


      百合
      が

      放つその香りで呼吸を噎せかえさせるとき

      清廉潔白だった神々の呼気を
      凍らせるという神話が
      生き物を石に変えていった

      百合はメデゥスの化身か
      蘂の一本
      一本が
      身をよじらせる
      と
      形而上の意思が
      たちまち形而下の木石に止揚する
      という現在の寓話が
      産まれるのだ

      かくして
      寓話が産まれ
      ぼくが
      産まれた





年に一度出会う百合の群落ではあるけれど、今年は長野の富士見高原でもう一度出会えるはずである。



富士見高原の「百合の里」は夏季にハングライダーの練習場となる。
冬はスキー場である。

昨年の富士見高原の百合を紹介しましょう・・・。



いかがですか?
斜面に咲く百合です。
その斜面をリフトに乗って百合の花を楽しめるのである。



白樺林の中の百合の花である。

今から二度目の百合の花を楽しみにしているのである。






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                     荒野人

追伸 メディウスはギリシャ神話メデュースの男性形である。