平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

生徒諸君! 第4話

2007年05月12日 | キャラクター
 熱血教師・北城尚子(内山理名)は「逃げる人間になってほしくない」と言う。
 それに対立する言葉。
 教育委員会の日向悠一郎(椎名桔平)は言う。
「逃げることのどこが悪い。われわれは逃げ道を作ってあげるべきではないのか?逃げることで忘れられるなら、それでいいのではないか?」
 いずれも正しい言葉。
 こういう対立軸が出て来ると、ドラマは面白くなってくる。
 主人公に明確な意思を持つ対立キャラが出て来ると、ドラマは面白くなってくる。
 日向はこの言葉を決して保身で言っているわけではない。おそらく彼の何らかの過去から発せられている言葉。これで日向は単なる官僚から、人間味のある人物になる。
★人物の描き方……その人間の内面に一歩踏み込めるかどうか?
 一歩、踏み込めると人物が立ってくる。
 それは2年3組の岡沢茉莉(夏未エレナ)も同じ。
 今までは単なる不登校キャラ。
 それがこんな内面を見せる。
 茉莉は事件の責任を感じていたのだ。
 自分は学級委員。山に行きたいと言ったのも自分。
 事件で不登校になった白井直輝(若葉竜也)が学校に行くまで自分も行かない。
 これがわかった時、茉莉のキャラが立ってくる。
 白井直輝が転校を辞めて学校に来るようになったのは、今までの彼の苦悩を考えれば強引な展開、ドラマの嘘っぽいが、人物が描かれているから、それなりに見られる。
 熱血教師(裏を返すとウザイ教師)・尚子もどうしてこんなに生徒たちに情熱を燃やす人物になったかが描かれるともっと感情移入できると思うのだが……。

 現在のドラマにおける人物の描かれ方は次の様なもの。
★パターン……官僚は官僚らしく、教頭は教頭らしく。
 このパターンで人物を描く方法は色褪せている感じがする。この作品でも職員室のシーンは、あれだけの役者さんを揃えていながら面白くない。
★内面に踏み込む……今回のケース。
 また「生徒諸君!」の場合は、2年3組の生徒たちが共通の事件で心に傷を抱えているという点で、ある意味画期的だった。これだと「金八先生」や「GTO」の様に毎回、ひとりの生徒にスポットを当てて描くという手法をとらなくて済む。
★正体不明……何を考えているかわからない。
 「わたしたちの教科書」の生徒たちがそう。それが怖さになる。
 逆に「生徒諸君!」の方が「わたしたちに先生はいらない」という具体的な意思表示がある分、怖さは半減。

 三番目の「正体不明」というのは、今後の人物を描く新しい切り口になりそう。
 さて、次回以降は珠里亜(堀北真希)の内面に踏み込んで描かれそうだ。
 彼女にはどんな苦悩があるのか?



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