平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「光る君へ」 第37回「波紋」~道長がおかしくなっている……。まひろも少しおかしくなっている……。

2024年09月30日 | 大河ドラマ・時代劇
 帝に贈る「源氏物語」の装飾本。
 その制作過程を丁寧に描いたことが素晴しい。
 きらびやかな紙、藤原行成(渡辺大知)ら能筆家による清書、女房たちの製本。
 平安時代の雅が味わえるし、彰子(見上愛)のワクワクな想いも、
 まひろ・藤式部(吉高由里子)の成功も同時に理解できる。
 完成した装飾本を見た時の一条天皇(塩野瑛久)のリアクションも気にかかる。
 ひとつのシーンに四つの意味を含ませる、見事な作劇だ。

 道長(柄本佑)はおかしくなっている。
 先回は皆の前で藤式部へ返歌をして空気が変になったのに気づかない。
 今回は──
「敦成親王は次の東宮になる御方ゆえ」
 道長は敦康のことを忘れている。
 敦成を東宮にすることは「敦康の排除」であることに気づいていない。
 藤式部が「次の?」と問うても
「警護が手薄なことをわかって忍び込んだということは、ただの賊ではないやもしれん」
 と、藤式部の疑問がまったく耳に入っていない。
 自分の行動にためらいや葛藤がなくなった道長はどこに行く?

 おそらくここで道長はいったん闇落ちするのだろう。
 何しろ敦康を排除しなければなりませんからね。
 権力は人を狂わせる。
 そんな闇落ちした道長をふたたび「光る君」に戻すのは、まひろなのだろう。
 今回登場した盗賊・双寿丸(伊藤健太郎)は「直秀」を想わせるから、
 双寿丸を通して道長はかつての自分を取り戻すのかもしれない。

 まひろも少しおかしくなっている。
 実家に帰って藤壷での自慢話。
 酔っているせいもあるが、まわりの空気がおかしくなっていることに気づいていない。
 そして「この家がみすぼらしく思えた」
 まひろは上級貴族の人間になってしまった。
 父・為時(岸谷五朗)は官位を得たことも当然のことのように思っている。
 環境は人を変える。
 そんなおかしくなったまひろを元に戻すのが賢子(梨里花)なのかな?

 彰子はますます覚醒。
 賊が入っても慌てず、「何事だ!?」「しばし待て」
「上に立つお方の威厳と慈悲に満ちあふれた行動」を取った。
 敦康の排除に対して彰子はどのように反応するのだろう?

 清少納言(ファーストサマーウィカ)の『源氏物語』のリアクションは次回にお預け。

 倫子(黒木華)は気づいているかどうかは不明だが、まひろに対する表情が今までと違う。
 ←逆にこれが怖ろしい……!

 いろいろ引っ張りますね。

コメント (6)
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