桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2005・6・20

2005年06月21日 | Weblog
今日は常連客の人たちの様子が変だ。いつもは冗談ばかり言って皆を笑わしている演出家のNさんは、入って来た時から不機嫌な顔。何を話しかけても聞こえないふりをしたり、漸く聞こえたと思ったらそのことについて突っかかる。仕事で疲れているんだとは思うけど、普段のNさんらしくなく何があったのか心配。司会者のBちゃんも何だかおかしい。この人もどんなに疲れていても駄洒落を連発して回りのお客を楽しませるのがいつもなのだけど、今日のBちゃんは駄洒落が低調。マシンガントークも速度が遅い。いつもは『営業』の帰りに寄るもんだからその延長上でキャラクターとしての『Bちゃん』をやれているんだけど、今日は真面目な打ち合わせがあっただけらしく、どうやら素顔が勝ってしまっている様子。その点、最近毎日のように来店してくれる俳優事務所のAさんは今日もまた女性大好き人間を演じきる。この間もカウンターで隣あわせただけのYちゃんやMさんの会計を自分で払っていたけど、今日も女性編集者Aさんたちの分を自分の会計に。何だか無理して女性大好き人間を演じている気がしないでもないけど、こう続けるのはかなり凄い。因みにAさんはLちゃんの大フアン。開店早々に来て、閉店直前にも来たりする。女優を育てることにかけては抜群の実績を持つAさんが惚れ込むなんて、Lちゃんは女優の素質があるのかも?

2005・6・19

2005年06月20日 | Weblog
日曜日だけど『枝の上の白色レグホン』のマチネ公演があるので一時前に店へ。本当なら俺一人でやるところだけど、疲れていてとても働く気力がなく、Lちゃんに応援を求めて俺はカウンターでたまった経理事務。この四日間まぁまぁの観客数で売上もあがり俺としてもホッとする。六時に営業を終了した後、Lちゃんと芝居を見に来ていたマネージャーのMさんと一緒に麻布十番の焼き肉屋へ。猛烈に肉を求めている。ケモノみたいに肉を食う。Lちゃんは俺以上。レバさし、ユッケ、アキレスと生肉ばかり貪り食う。そんな二人をMさんが呆れた様に見ていた。九時過ぎ二人と別れて部屋に着いた途端、煙草も吸わずにソファでダウン。一時過ぎまで寝てしまう。ホント疲れた。

2005・6・18

2005年06月19日 | Weblog
疲れて何だか思考停止状態でいる。十一時に起きて食事の用意をしようとしたのに何を食べていいか思いつかず珈琲を飲みつつ新聞を眺めただけで十二時半に店へ。鍵を開けてスタッフを迎えた後に赤坂まで買い出し。いつもはLちゃんに手伝って貰うのだけど、今日は自転車一台の為、荷物がカゴに入りきらず、ハンドルにビニール袋を下げて走る。ヨロヨロして進まない。いつもより時間がかかった為、店に辿り着いてから慌ただしく準備をして『枝の上の白色レグホン』のマチネ。予定以上の52人の入場者。暑くてアイスコーヒーばかり出る。途中で足らなくなってオーダーをストップして近所のコンビニに走る。本当に走った為心臓の音が耳まで聞こえる気がする。開演中、カウンターに座ったらそのままダウン。30分程眠ってしまう。ソワレとの間に近くのパンバーガーショップで出勤してきたLちゃんと第一食。ソワレも40人の入場者。昨日と同じように千円で食べ放題飲み放題にした為かオーダーの嵐。終演後はそこに一般のお客さんも加わって更に嵐。土曜日だし、疲れているので12時で終りたかったけど、看板をしまうのを忘れたこともあってお客さんが続いて結局2時過ぎまで。もう何も考えられない。後片付けをした後、カウンターに座ってLちゃんと無言の時間。ハンバーガーしか食べてないのに食欲がない。何処か静かなバーでお酒を飲みたい気持だけ。

2005・6・17

2005年06月18日 | Weblog
十時に鍵開けの為に店へ。一旦部屋に戻って食事した後、一時に再び店へ。今日は平日なのに『枝の上の白色レグホン』(三人囃子+劇団ギルド公演)のマチネがあるのでその準備。入場者は最初からそう望めない(現実に19人)ことが分かっていたのでLちゃんを雇う人件費を省いて一人でやることにする。心配していたけど、劇団員の協力もあって何とかセーフ。ついでに芝居も見る。また眠らないか不安だったけど、台本で読んだ印象より格段に演劇的。それは俺が台本を読みきれていなかったと云うことなんだけど、やっぱりそこが芝居の面白さだ。最後までグイグイ引っ張られて寝ることを"忘れていた"。ソワレはマチネと違って満員。開演まで千円で食べ放題にした為、フードのオーダーが凄い勢いで出る。おまけにカウンターにも女性5人。終演後も脚本家のHさん、近所の美人姉妹のAさん、TテレビのYさんなど女性客で埋まって、何だか凄く流行っている店みたい。最後のお客さんが帰ったのが1時半。今日もまた15時間近く店の中にいてしまった。

2005・6・16

2005年06月17日 | Weblog
今日から始まる『枝の上の白色レグホン』公演の為、10時に店の鍵開け。昨日はかなり飲んだし、寝たのが5時近くだった為、さすがに起きるのが辛い。一旦部屋に戻って事務をした後、広尾で出資者の一人Oさんと遅い食事。2時過ぎ近くの業者専門店で買い出しをして店に運び、料理の下拵えをして再び部屋。今日からの新しいイベントメニューを作成して印刷。六時ギリギリで再び店へ。今日の公演も高谷信之さん率いる劇団ギルドが中心となった演劇だけど、一年間続けてきた定期公演『誰?』に比べるとさすがに観客動員に違いがある。公演中、脚本家のYさんがシナリオ教室の生徒さんたち十数人を引き連れ来店。カウンターからあふれ、何人かは立ち飲みになってしまう。終演後、イベントスペースに移って貰い、観客として来ていた俳優や脚本家たちと合流。それと殆ど入れ違いにTテレビの役員Tさんたち、俳優事務所のAさんたち計7人がカウンターに。皆、フードのオーダーがあった為、厨房はパニック。全てが終ったのが12時半。汚れた皿と鍋が山積みになっていたので、とてもこれ以上営業を続ける気力がなく、1時でシャッターを降ろし、後片付けにかかる。さすがのLちゃんも疲れ切った様子。俺も午前中から動き廻っていた為、途中でダウン。後片付けが終らないまま、2時過ぎに店を出る。長い一日が終った。

2005・6・15

2005年06月16日 | Weblog
今日は打ち合わせのラッシュ。お昼に音響設備の取り付け工事と『石塚桜子展』(7月7日オープン)のレール設置工事に始まり、夕方には明日から始まる芝居『枝の上の白色レグホン』の準備、7月の公演の演出家との打ち合わせに十一月の提携公演『リテイク2』のプロデューサーMさんとの企画打ち合わせと続き、買い物には行けないまま、バーカウンターをオープン。こんな日に限って監督のKさん、TテレビのOさんとWさんが早い時間から食事兼で来てくれて、冷蔵庫にある食材で大童で料理の準備。その後もタレントのUさん、演出家のNさん、俳優事務所のAさんなどパラパラと来店した為、中断していたMさんとの企画打ち合わせはなかなか出来ず、結局彼女には最後まで残って貰うことになった。閉店後、近くのラーメン屋に場所を移して打ち合わせ。終ったのが四時。明日は十時に鍵開けしなくちゃいけないのでベッドに直行。

2005・6・14

2005年06月15日 | Weblog
Lちゃんが昨日今日とちょっと心ここにあらずといった感じでいる。少しでも隙を見つけては控室に籠もってしまう。気になってドアを突然開けてみたら、Lちゃんは竜小太郎の写真集に見入っていた。まるでエロ本を見ていて母親に見つかった男の子の様に照れ笑いを浮かべるLちゃん。一昨日見に行った花組芝居に出ていた彼を知ってから虜になってしまったそうだ。彼女のマニアぶりは半端じゃないから、これからどうなるだろうとちょっと心配。お店は早い時間Lちゃんが竜小太郎の写真集を見ていられる程に暇。数カ月ぶりに来店した美人脚本家のNさん、彼女が帰るのと入れ違いに一昨年『V』と云う映画でヒットを飛ばした監督のHさん、プロデューサーのMさん、脚本家のAさんのトリオ、十時遅くなって近所の常連Mちゃん、最近常連になりかかっているAYさん、美人姉妹の姉のAさんたちが来店してくれたが、二時近くには店じまい。クロスが汚れず、洗濯の為に持ち帰る必要もなく、ホッとするやら悲しいやら。

2005・6・13

2005年06月14日 | Weblog
若い頃、趣味だった映画や演劇がそのまま仕事になった。仕事になると趣味の楽しさがなくなって、別の趣味(料理や友人とお喋りすること)が出来た。50近くになってその趣味が飲食店という形で仕事になった。まだ八年。まだ趣味の部分から抜け出てない。だから楽しい。わざわざ俺を訪ねて来てくれた友人たちとお喋りして、一緒にお酒を飲んで、自己流の料理を出して、これでお金を貰えるなんて恵まれすぎている。だったらさ……自己批判する。趣味で何時間も遊んでいるんだから店にいない時間は「仕事」したら?そうなんだよ。イベントスペースの営業やら企画やら一杯やることがあるって云うのにお前さぼっているだろ?はい、ご尤もです。ついついお店にいることが仕事だと錯覚しちゃって、それ以外の時間は体を休めることにあてちゃって……不味いです。いくら立ち仕事が多くて腰が痛くたって、趣味でやっていることなんだから我慢して貰わなくちゃ……そう自分に言い聞かす。言い聞かして自分を鼓舞する。皆、俺のことを若いって言ってくれるじゃない?もっと頑張れる筈。でも、現実の体力年齢は57歳には違いなく、カウンターの中ではLちゃんの非難の視線を浴びながらついつい椅子に座ってしまうし、部屋では一仕事終えると居眠りしたりゴロゴロしてしまう。どうしたらいいんだ?と深夜三時過ぎに残ったお客さんとお喋りしながら自問自答していたら、友人のSさんから電話。すぐ誰かが死んだなと直感した。新宿二丁目で『ゼエロン』と云うスナックをやっていた殿村朋子さん。俺が20代の頃初めて常連となった店のママだった。あの店では色々なことがあった。彼女には色々なことを教えて貰った。合掌。

2005・6・12

2005年06月13日 | Weblog
1時から『花組芝居』の本公演『ゴクネコ』を新宿のスペースゼロに見に行く。" 流し目のスナイパー"と言われる竜小太郎と花組芝居役者連との共演。正直言って大して期待していなかった。100%眠ってしまうだろうと思っていた。ところがドッコイ。面白い。小池竹見のホンもよかったけど、加納幸和の演出が凄い。ショーとしての要素とテーマ性をギリギリのところでミックスさせていて厭きさせない。あっと云う間の二時間半。人気の秘密がはっきり分かった気がした。楽屋に挨拶に行こうと思ったけど、面白い芝居を見た後は早く一人になりたい。一緒に行ったLちゃんや劇場で会ったYさんたちとも早々に別れを告げて劇場を後にする。買い物して部屋に帰り、たまった洗濯をしていたが、こういう日はもっと映画や芝居を見たくなる。借りてきたビデオで『血と骨』(崔洋一監督)を見る。こっちも眠らず最後まで見る。睡眠時無呼吸症候群の為か最近どんな映画や芝居を見ても100%眠っていたのに、今日はどうした訳か?

2005・6・11

2005年06月12日 | Weblog
今日はFテレビのMディレクターを除くと、結婚式帰りの女性二人に始まって「花組芝居」の本公演を大阪から見に来たYさんたち四人、近所の常連Mちゃん、女優Iさんの事務所の社長Sさんとレディスデイ。こういう日はLちゃんも含めて女性だけのお喋りタイムになる。時々Mちゃんが男の俺の意見を聞いてくれるが、俺が何か答えても話は続かず、弾まず、俺はいつものように厨房に消えることになる。売上は上がらなかったけど、こんな店があってもいいと皿を洗いながら思う。土曜日は12時で閉めることになっているけど、お喋りが続いて結局2時まで。