桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・6・27

2013年06月28日 | Weblog
母が定期配達して貰っている生協の野菜や生ものが10時から12時の間に届くことになっているというので9時半までに留守宅に向う。昨日緊急入院しての今日だから他にも新聞の配達を止めたり冷蔵庫の整理をしたり書類を探したり留守電をチェックしたり母に頼まれたいくつかの用事を処理する。並行して持ってきたパソコンでこの日記。こんな時くらいやめたら?と云う声に抗うように書く。お昼には医師の義妹と弟が来ている筈なので、狭い病室でだぶらない様にいきつけのトンカツ屋「D」で食事してから病院にいく。母は慣れない環境と自分が置かれた状況に戸惑ってはいるだろうけど表面的には元気で安心。これで落ち込まれていたら(落ち込む方が自然なんだけど)どう対処していいか分からない。手術は七月になってからになりそうだけど、大変なのは手術が終わってからのリハビリだ。こうなれば一心同体で例え店が営業できなくなっても母に寄り添う覚悟。他の弟妹も同じだと思う。でも、俺たちがこんな気持になれるのは母が俺たちを育てるのに苦労してきたのを知っているからで、今日雑談している時にその甲斐があったねと云ったら、反対にお前は家庭を途中放棄ばかりしてきて、もしも私みたいにことにあったらどうなるんだろうねと病人に反対に心配されてしまった。今日も後で一番下の弟夫婦が来たのでバタンタッチして病室を出る。本当は店に直行しなくてはいけない時間だったのだけど、どうしても気持の中継点が欲しくて広尾のスタバに入って珈琲を飲みながら昨日作家の鎌田敏夫さんにいただいた最新エッセイ集「来て!見て!感じて!」(海竜社刊)を読む。これは「俺たちの旅」「男女七人秋(夏)物語」「金曜日の妻たちへ」「29歳のクリスマス」などの脚本家である鎌田さんが自分が書いた脚本の中から50の思い出深い台詞(一部は他の人書いた映画や小説の台詞もあり)を選び出し、その台詞が生れた背景と台詞の意味を掘り下げたものだ。エッセイとしても一級品だけど、若手の脚本家や脚本家志望の人たちはHOWTO本ではない最高級の教科書だと思う。俺は全くの新人(初めてのテレビ作品が鎌田さんメインの連続ドラマだった)の頃からもう40年近くおつきあいさせていただいていて、尊敬できる素晴らしい作家だとは思っていたけと、今回この本を読ませていただいて、何となくは知っているつもりになっていたけど、こんな風に鎌田さんのシナリオは出来ていたのかと目から鱗の発見、驚きで、もっと早く鎌田さんの創作の原点を知っていたら俺ももう少しましな脚本家になっていたかもしれないと臍を噛む。5時過ぎに店。今日は急遽明日明後日と公演するプラチナネクストのゲネ公演が行われることになったのだけど肉体的精神的な疲れもあって料理を準備する力が残ってなく、何も用意しないまま営業してしまう。早い時間に某美人のRさん、久し振りに顔を出した京女優Kさん、そして偶然なのか彼女の知り合いのキャスティングプロデューサーのUさんたち、法律事務所勤務のNさん、そして最後は脚本家志望のOLのKさんと来店してくれたが、料理のオーダーは殆どなく、ホッとする。でも、明日の公演は現在予約観客数が50、明後日の土曜日は昼と夜とで80とか。オーダーが一杯あったら嬉しいと思うのと、あったらどうしようと思うのが50%、50%。そんなことを思うようじゃ飲食店の最後が確実に近づいている。★7月1日(月曜日)臨時休業します。尚、今後個人的事情で臨時休業する可能性がありますので、ご来店の際は必ず電話でご確認ください。