桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2011・8・8

2011年08月09日 | Weblog
税理士から今年12月までのウチの店の収支見通しが送られてくる。1月から7月までの月平均売上が210万なのに、支出の方が平均290万円。つまり月に平均80万円の赤字で、ここまでは何とか帳尻を合わせてきたけど、このペースでいくと家賃の更新分などもいれて12月末までに500万円近いお金が不足することになる。どこからか都合できますか?と聞かれ、できませんと答えると、だったら何とか月100万円多く稼ぐか、100万円経費を削減することをやって下さいと軽く言われる。月に100万円多く稼げれば、ここまで問題は大きくならなかったし、後は強引に且つこまめに100万円経費を削るしかないと軽く思ってみても、月に100万円なんてどうやって削ったらいいのか……なんて悩みつつ炎天下の街をさまよう。こんな時は映画をみようと新宿にでて先週から公開中の「一枚の葉書」(新藤兼人監督)を上映しているテアトロ新宿にいくが、満席で、立ち見しかないと言われる。折角ここまで出向いたのにという思いと99歳になられた新藤監督の映画が大ヒットしてよかったという思いが交錯する。仕方なく近所の本屋で小津安二郎監督の9枚組DVDが1980円で売られていたので、それを買い求めて店に行って、また未見だった「長屋紳士録」を映して一人映画館。「晩春」や「東京物語」には及ばないが、それなりの味のある作品で、満足する。ちょうど見終わったのが6時だったので、そのまま「臨時営業」を始める。本当は月火と夏休みにすることになっていたのけど、俺一人トラブルで東京に残ることになって、フラフラ遊び歩いていているよりも少しでも売上をあげた方がいいと店をあけることにしたのだ。昨日の日記にそう書いただけなので、どれだけの人が休みを中止したことを知っているか不安だったが、まずいつも妖しい魅力をふりまく歯科医のSちゃんがきてくれたのを初っ端に、プロデューサーのKさん、SミュージックのNさんたち、音響のAさんたちと続いて、法律事務所勤務のNさん、映画カメラマンのYさんとドキュメンタリー番組の演出家のIさんたち、近所のAさん、SM小説の女流挿絵画家のSさんとHさん、SスポーツのNさんたちなど、こっちの事情など知らずに来店してくれたお客さんたちも大勢いて、なれないこともあって一人でてんてこ舞いするが、それを見かねたSちゃんが手伝ってくれる。持つべきものはいい友達……じゃなくていいお客さんだ。さて、明日の火曜日も一人営業をするが、どんな人たちがきてくれるか楽しみ。