桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・12・17

2013年12月18日 | Weblog
柄のとれた鍋や焦げがこびりついて取れないフライパンを使う度に、どうして店にあった鍋やフライパンを持ってこなかったのだろうと後悔する。あの時、確かに厨房の始末をTちゃんに任せて、調理器具は全ていらないから捨ててくれと頼んだのだ。だから彼女は捨ててくれた。彼女に咎はない。でも、全部捨てられてガランとした厨房を見たとき、ああっ、あのフライパンは卵専用のフライパンで、水洗いすることなく油で使った後を拭いて大事に大事に使ってきたんだと云うことを思い出す。ああっ、あの鍋はパスタ専用で、買ったら何千円もするんだったと思い出す。それにあの小さな鍋は‥‥もうやめよう。全て捨ててきたのだ。ワイングラスも水割りグラスも捨てやすい様に全て割って危険物と云うシールを張ってゴミとして出してきたのだ。それなのに、どうしてなんだ?パスタを作る鍋は捨ててきたのに、どうしてパスタを盛りつける大皿を十枚も部屋に運び込んだんだ?ホント、お前のやることはよく分からない。統一性が全くない。おまけにその大皿十枚をしまう場所に困る。大体、この部屋にそんな大皿を十枚も使わなくちゃいけないお客が来るのか?いや、呼ぶつもりか?そんなことはないだろ?だったら何故?‥‥最近お前が行動すること、判断することに矛盾があるんだよ。これって認知症の初期か?大皿が目の前にあるから、柄の取れた鍋がガスレンジにかかっているから、そんなことを思いながら朝食の準備をしてしまった。メニューは豆腐のガーリックステーキのプチトマトソティ添え、卵入り納豆、市販のひじきの煮つけと野沢菜の漬け物、油揚げとネギの味噌汁、それにそれに自家製の塩辛!あまりに美味しくていつもはご飯二杯なのに三杯も食べてしまった。午後は何十年ぶりかに録画しておいた「M★A★S★H」(ロバート・アルトマン監督)を見る。この野戦病院の人物描写はすごい。映画ってこうあるべきだと云うお手本。続いて「あまちゃんロス」をまだひきづっている俺は、春子さんの少女時代を演じた有村架純主演の「リトルマエストラ」を見始めたけど、春子さんの父親役だった蟹江敬三が出演していたので、「あまちゃんロス」が深化してしまったので、途中でやめて母の処へ。今日は近所の和食の店で身内の夕食会。帰り天現寺から白金まで歩いて、更に五反田まで計一時間歩く。認知症の初期だし、この二週間程変な咳が続いているし、いつも妖しい魅力をふりまく歯科医のSちゃんの診断では、土曜日の立ちくらみは「起立性低血圧」ではないかというし、俺の体は微妙に何処かに向っている気がするけど、こうして寒空の中を一時間も歩いていられるのは、まだ終点は先なのか?、部屋に帰ってから「世界の果て」(中村文則)を読みながら眠る。