桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2008・7・28

2008年07月29日 | Weblog
昨日の墓参で礼服が汗だくになってしまったのでクリーニングに出そうとしたのだけど、出す寸前で何故か近い内に使う予感がして出すのをやめた。婚礼は急に招待状は来ないから、使うとしたら葬式なんだけど、それがシモゼンの葬式だとは思わなかった。シモゼンこと下村善二さん、享年67歳。七、八年前、情報番組のディレクターの足を洗ったシモゼンは、広尾のコレドを俺から昼間又借りして稲庭饂飩の店をやったのをきっかけに、四年前には銀座の裏町で飲み屋を始めていた。俺とは仕事上のつながりはない。通っていた飲み屋が一緒だったというだけだ。でも、その飲み屋『おおくら』はひどく家族的な店で、常連が本当の家族みたいに集っては旅行や花火見物に出かけていたもんだから、シモゼンともいつのまにか親しくなっていた。特に同じ「家族」だった映画監督の藤田敏八さんが病気で入院して数カ月後に亡くなるまでは「長男」のシモゼンを中心に「家族」がまとまった気がする。今日、シモゼンの訃報を「おおくら」の何人もの常連が伝えてくれた。しばらく疎遠になっていた「家族」がシモゼンの葬式で再会する。