今日は午後からTBSのスペシャル番組の記者懇談会が予定され、11時にスタッフが到着するので、その前に店に出てLちゃんと準備にかかる。夕べのビデオ騒動にLちゃんも付き合わせてしまったので、さすがの彼女も眠たそう。でも、何十万円もかけて導入したビデオ上映機器を初めて生かす大切な催しだし、今後の為にもミスは許されない。俳優の織田裕二さんやマスコミの人たちに食事やドリンクを出す。何とか二回分けて行なわれた催しも四時過ぎ無事に終り、ホッとする。でも、昨日からの疲れがドッと出て、しばし椅子に座り込む。経営者の俺はともかくLちゃんにこのまま店で働かせる訳にはいかないし、俺に緊急の私用があったので、今日は六時に開店するところを九時にして一旦店を出る。私用を終えて店に戻ったのが八時半。断り書きを表に掲示しておいたのだけど、その間に何人か来店してくれたらしく、胸が痛むが、許して貰う他ない。二時まで店を開けておいたが、お客さんは五人だけ。Lちゃんと鰯を焼いて深夜食。その時ふと去年の今日父が死んだことを思い出す。
三日間五ステージの『花組芝居』が終った。とにかくとにかく凄いの一言! 勿論全ステージ満員。それも女性客だけ。その女性客に対して開演前や休憩時間に役者全員がオーダーを取ってサービスするものだから、フードやドリンクがドッと出る。何と五ステージで追加オーダーが約420。1ステージ平均84オーダー。これ以前に1ドリンクがあるからトータル約650オーダー。1ステージ平均130オーダー。これを俺とLちゃんの二人でさばいたことなる。いや、フードは1ステージ平均20オーダー位だったし、昨日今日と料理好きのSさんに手伝って貰ったから、残りの550オーダーはLちゃんが一人でさばいたということか?ウーム、こうして数字にしてみると彼女の凄さにも脱帽! そして全てが終ったのが10時過ぎ。あまり働かなかった俺もさすがに疲れた。さて、明日は11時からTBSのスペシャル番組のマスコミ試写があるし、早く帰ることにする。でも、念の為にビデオの点検。?…?…?(顔色が変わる)……!!!(顔が強張る)……!?(汗がでだす)……ビデオの音がスクリーン用のスピーカーから出ない!……花組の音響の人には元通りにして帰ってくれと云っておいたのにどうしたんだ?……俺、電気系統は全く駄目。でも、このまま放っておく訳にはいかない。明日は俳優の織田裕二さんまで来てしまうのだ。何とかしなくてはと卓のジャックを引き抜いたり、別の場所に差し込んだりの悪戦苦闘……12時、1時……と時間だけが経って行く。もう駄目か……と諦めかけた時、花組の音響の人に連絡が取れて、彼のサジェスチョンであるスイッチを押す。と、聞こえる。スピーカーから音が聞こえる!……何だよ?こんな簡単なことが分からずに四時間も苦労したのかよ?ホッとしたと同時に自分の機械オンチに猛烈に腹が立つのだった。