鬼怒川温泉駅からSLに乗ろうとちょっと早めに東武日光駅までバスで出て、1968年まで国鉄日光駅から東武日光や神橋を経ていろは坂の入口の馬返しまで路面電車として運行されていた「東武日光軌道線」の100形電車を観てから新藤原行きの20000系ワンマン電車で鬼怒川温泉駅へ。
駅前で足湯に浸かりながら下りの大樹を待って、転車台での方向転換を見学。
鬼怒川温泉11時14分発の「SL大樹2号」は展望デッキを備えた12系改造客車(マルーン/ぶどう色2号)を挟んで14系客車(インクブルー/青15号)2輌の3輌編成。鬼怒川温泉駅から下今市駅までの12.4kmを途中特急との交換なども含め、約35分でユックリと進むC11には沿道からたくさんの人が手を振ってくれて、東武鉄道が掲げる「鉄道産業文化遺産の保存と活用」と、SL復活運転という鉄道事業者ならではの施策展開により運行エリアの集客を図ることで、「日光・鬼怒川エリアの活性化」、ひいては「東北復興支援の一助」となることを目的としていることも実感できました!
終着の下今市駅も蒸気機関車の運転に合わせてJR長門市駅にあった転車台を移設したり、機関庫も赤レンガで仕上げたりした他、駅舎も木を多用したレトロ調に模様替え。
駅のホームから跨線橋で繋がる「転車台広場」からも入れ換えの様子がよく見えました

さて、以下は「鉄分多め」で、、、
今回の「SL大樹2号」を牽引した「C11123」。もとは1947年に「C11 1」として滋賀県の江若(こうじゃく)鉄道向けに製造された国鉄型“C11”の同型機で、釧路開発埠頭に譲渡された後1975年廃車。北海道で静態保存されていたのを、2018年に東武博物館が取得。全面的な改修を施して2022年4月に試運転にこぎつけた…という機関車(詳しくはTetsudo.Com参照)ですが、旧国鉄に納車されたもう1輌の「C11 1」は1937年、日立製作所笠戸工場で産声を上げたのち、稲沢~七尾~長万部を経て、1959年4月第1種休車~1963年2月廃車となったものを東日本鉄道文化財団の「青梅鉄道公園」に静態保存されています。
この「C11」、当初は2021年初頭の復元を目指して改修が進められ、改修工事中の2020年11月が東武鉄道創立123年にあたることや、2017年8年から運行している「SL大樹」を牽引するC11が本機を含めて、日本国内で唯一同一形式の車両(C11形)による3機体制となることから「1→2→3(ホップ、ステップ、ジャンプ)と将来に向かってさらなる飛躍を車両番号で表現」する意図を込めて「123号機」となったそうです。