加山到のハマッ子雑貨飯店

おもちゃ箱をひっくり返したような楽しい雰囲気が伝われば嬉しいなっと。08年11月6日開店!

本、2冊。

2015-02-07 | 中国
「もうひとつの大地の子」
20年前に放送されたNHKドラマ「大地の子」のプロデューサーだった河村正一氏が、定年退職を記念して自費出版した一冊。



膨大な資料や写真を元に、ドラマの製作準備段階から撮影秘話、完成披露/放送、その後の「大地の子プロジェクト」までを細部にわたり構成された貴重な内容です。
原作者・山崎豊子さんの横顔、脚本演出の岡崎栄氏の辣腕ぶり、主演の上川隆也氏のご苦労・・・その他多くのスタッフ・出演者のエピソードが書かれています。

 

私も通訳役としてセミレギュラー的に出演した思い出深い作品なのですが、一介の脇役俳優ゆえ名前や写真など登場しないだろうと思いきや、巻末に掲載されていた数多くのスチールの中に大御所・西村晃氏や児玉清氏との3ショット、配役一覧にも名前がしっかりとありました。

著書を送ってくださった河村さんに感謝。


「日本国最後の帰還兵 深谷義治とその家族」(集英社刊)
戦時中日本陸軍の兵隊として戦争に従事し、戦後も上官の命令によってスパイとして上海で活動を続けた元兵士の手記及びご子息の手記をもとにしたドキュメントです。
元兵士はその後上海でスパイ容疑で拘束され、20年以上もの間獄中で厳しい拷問を受け続けました。
日中国交回復などをはじめ両国間の様々な好機には、戦後抑留された日本軍兵士は特赦・恩赦で解放されましたが、深谷氏だけは許されず、出獄を待つ家族(文化大革命中は日本軍の家族として悲惨な生活を強いられていました)ともども苦しい時代を過ごしました。



深谷氏を救出するべく日本国政府や出身地の県知事、支援団体は中国政府に働きかけをしますが、昭和50年に設立された駐上海日本国総領事館の館員たちも同様に、獄中の氏を何度も訪ね励ましの言葉をかけ、健康状態や悲惨な獄中環境を見極めては国に連絡を取っていたわけです。昭和53年、深谷氏は何度目かの好機によって釈放され、家族と一緒に日本に帰国しました。終戦から実に33年が経っていました。



余談ですが・・・上海総領事館館員の中には私の父もいたのですが、ほかの方を含め実名で登場。当時子供であり父親の仕事内容がいかなるものか知る由もなかった私にとっては、感慨深い内容になっています。
著者であるご子息からこの本が送られてきたときには感無量でした。きっと空の上では父も喜んでくれているでしょう。


戦争・・・いいことなんかありません。二度と起こしてほしくありません。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感です (元上漫倶楽部)
2015-02-08 14:31:52
至さんと同感です。深谷さんの事もそうですが、毛沢東逝去や四人組逮捕など、当時の上海は文革終了の重要な時期でしたね。
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当時 (イタル)
2015-02-08 23:44:32
>元上漫倶楽部くん
当時僕らは子供だったゆえ、政治的なことはよくわからなかったよね。それなりに大変だった・・・という大まかなことはわかっていたけど。
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