芸門公演「我らのエピローグは終わらない」遂に千秋楽を迎えました まずは、公演期間中にご来場した方々、ご声援、ご支援くださった方々に心から感謝いたします。ありがとうございました
終わり・・・終わった・・・終わってしまった・・・。カーテンコールの後、楽屋に戻って大きなため息をつきました。その瞬間、9月1日に行われた出演者・スタッフの初顔合わせから稽古の日々が頭の中でフラッシュバックしました。
蒸し暑かった今夏。そのさなかに始まったアツい稽古。10月に入りようやく涼しさを感じ始め、身体が楽になる一方でさらにアツくなった稽古。演出席から飛び出し、役者の輪の中に入り身振り手振りで指示する演出家 それを受け止めて身体に叩き込んで表現する役者陣 まるで体育会系スポーツ、ぶつかり合いの現場でした。 そして、その成果が表れた本番。アツかった5日間/8ステージでした
私は三役を承りました。”食堂のオヤジ”を演じる俳優役。主役のお父さん役。そして瀕死の映画監督役。
オープニングのやくざ映画の撮影現場。とある食堂に乱入してきた荒くれどもを立ち回りで成敗し娘を守るオヤジ。あっという間の場面でしたが、作品の方向性を観客にいざなう役目を担いました。
作品中盤。父親が危篤に陥ったと連絡を受けた主人公・義彦。 蘇る子供の頃の記憶と父親への想いが幻想となった場面で登場した父親。多くの涙を誘った味わい深い場面であり素敵な役でした。
1本の映画を作る撮影現場を背景に描かれた若き出演者とスタッフの熱い交流。そのセリフのやり取りに何度も出てくる”深町監督”の名前。どんな人物なのか?と思わせた良きタイミングで登場。重病と闘いながらも映画製作にかける必死の姿を演じ、そしてラストで絞り出すような声で発した「カット!」「OK!」。大団円で舞台の幕は下りました。
1本だった点滴が4本になり、酸素マスクに鼻チューブ、身体にも数本のチューブ・・・入院服のまま病院を抜け出してきたその姿が、観客に熱血監督としての印象を強く与えたようです
「昭和の熱き映画撮影現場」「青春群像劇」「ベテランと若手の対決・融合」「旅立つ魂と生まれてくる新しい生命」。いくつもの見どころがある作品でした。あらためて・・・ありがとうございました。
おまけ。車いすに乗りながら血を吐いた監督@楽屋