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Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

IVC径の呼吸性変動の精度

2016年06月21日 | 循環
de Oliveira OH, Freitas FG, Ladeira RT, et al.
Comparison between respiratory changes in the inferior vena cava diameter and pulse pressure variation to predict fluid responsiveness in postoperative patients.
J Crit Care. 2016 Aug;34:46-9. PMID: 27288609.


術後で人工呼吸を要する20例。晶質液を15分で500ml投与し、経胸壁エコーで測定した左室流出路の流速が15%以上増加した場合を補液に反応したと定義。補液前の下大静脈(dIVC)と血圧の呼吸性変動(PPV)の補液反応性の予測能について検討。その結果、AUROCはdIVCが0.84、PPVが0.92だった。

特に目新しい研究じゃないのだけど、こういうのを見るたびにダウンロードしたくなる。
なぜなら、IVC径というものが日本ではやけに重要な指標とされている気がするから。補液の反応性の予測だけでなく、脱水だとか溢水だとか、患者さんの水分状態についても使われているんじゃない?

自発呼吸でのIVC径の変化の補液反応予測性の精度は低いことは知っている。水分状態についての信ぴょう性って、そんなに高いのかな。だって、呼吸性変動で分かることはスターリング曲線のどこにいるかであって、患者さんにとって適切な水分量かどうかではないんじゃないの?

あるのかなー、そういう研究。
dIVCを水分量の指標に使っている人って、自分の判断が知識に基づいているかどうかを自問自答しているのかなー(最近の流行り)。
調べたことがないので自信はないのだけどさ。どうなのかなーと思って。

今度、「IVCの呼吸性変動がどうこうだから、この患者さんの水分状態はどうこう」と言っている人がいたら、「ぜひ勉強したいので、文献を教えてもらえませんか?」って聞いてみよう。
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