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Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

敗血症患者にβDグルカンに基づいて真菌治療したら。

2022年06月28日 | 感染
Bloos F, Held J, Kluge S, et al.; SepNet Study Group.
(1 → 3)-β-D-Glucan-guided antifungal therapy in adults with sepsis: the CandiSep randomized clinical trial.
Intensive Care Med. 2022 Jun 16. Epub ahead of print. PMID: 35708758.


βDグルカンは、僕が研修医のころから測定が始まり、日本発信で海外に出た検査(だったと記憶している)。
21世紀初頭から海外でも注目され、日本発信の医療の御多分に洩れず、日本ではちゃんと評価されずに流行し、海外に出てから評価を受けた。だいたい感度特異度共に80%、陽性でも陰性でも5回に1回は間違える、ぐらいの精度。なのでβDグルカンの値に基づいて医療をするとどうなるかは微妙なところ、というのが現状(と理解している)。

そんな中、行われた多施設RCT。そこそこのサンプルサイズで、一定の疾患群で、一定の閾値に基づいて真菌治療を行なっても予後は改善しないことを示した。

この結果からすぐβDグルカンは無意味だという結論には至らないけど、
少なくともβDグルカンに基づいて診療している人(多くの日本のICUはそうではないか?)は、この文献をしっかり吟味する必要があるのでは。
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