Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

ピヴラッツのREACT trialの結果

2024年03月26日 | 神経
この件ですが、なんと、知らぬ間に発表されてました。
製造・販売会社( IDORSIAIDORSIA Japanそーせい)のウェブサイトにも書いてないし、ピヴラッツのサイトにもないし、Googleと旧twitterで日本語と英語で検索しても出てこない。
ほぼ誰も知らないのではないか??

発表されたのは文献ではなくClinical Trials.govの中。
PubMed検索していてリンクに飛んで気がついた。

NCT03585270

知らなかったのだけど、Clinical Trials.govって、こんなに詳細に結果が載っているんだね。現在進行中の研究を調べる時にしか訪問しないからかな。

Participants:
・Males and females aged 18 to 70 years
・Ruptured saccular aneurysm, successfully secured within 72 hours of rupture, by surgical clipping or endovascular coiling
Primary Outcome: Occurrence of Clinical Deterioration Due to Delayed Cerebral Ischemia (DCI) From Study Drug Initiation up to 14 Days

N=406(日本のRCTとほぼ同じ人数)。
Primary outcome: 32/202 vs. 35/204, p=0.7338

脳梗塞の発生頻度やmRSが有意差のないレベルで治療群の方が良かったりするけど、それを言ったら有意差のないレベルで治療群の方が合併症が多くて死亡率が高い。
批判的吟味をするほど熟読していないけど(結果を公表したのだから文献にもなることを期待したい)、これで十分。FDA通過を諦めた理由がよく分かった。

そうそう、この結果をIDORSIAがClinical Trialsに投稿したのが去年の11月(掲載されたのは今年の1月)、そして韓国でピヴラッツの販売が認可されたのが12月。
可哀想な韓国。。。
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