Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

低体温、するべきかしないべきか

2014年04月15日 | 神経
この文献に関連して、同じ週に同じ話題で違う意見が出た。

We should not abandon therapeutic cooling after cardiac arrest
Kees H Polderman and Joseph Varon
Critical Care 2014, 18:130 doi:10.1186/cc13817


心停止蘇生後の低体温療法がスタンダードとされて以来、40以上の観察研究が低体温療法の有効性について報告している。質の高いRCTが一つ行われ、それがこれまでの研究とは逆の結果だったからと言って、それで我々は低体温を捨てるべきなのか。33度から36度まで比較的急速に復温している、33度群の方が重症であるなど、この研究には多くの問題がある。全ての疑問が説明されない限り、低体温療法を捨てるべきではない。

Inducing hypothermia after out of hospital cardiac arrest
Stephen Bernard
BMJ 2014;348:g2735 (Published 11 April 2014)


今回の研究と以前の研究にはいくつか違いがある。特に重要なのは、今回の研究では予後評価および治療の中止の判断がプロトコルに基づいて行われた点である。低体温療法は鎮静剤の投与や医療機器の必要性、コストなど、容易に行えるものではない。したがって、我々はすぐにプラクティクスを変更するべきだ。

熱くなってきましたか、ね。

あ、そうそう。
ジャーナルクラブとりあげてます

さらに、そうそう。
先週のBMJではこんな話題も出ていた。

Is adrenaline safe and effective as a treatment for out of hospital cardiac arrest?
Gavin D Perkins, Peter Cottrell, Simon Gates
BMJ 2014;348:g2435 (Published 07 April 2014)


心肺蘇生においてアドレナリンは1960年代から使用されているが、有害性も指摘されている。プラセボを対象としたRCTは少なく、短期予後(つまりは蘇生率)は改善するが、長期予後に与える影響は不明で、場合によっては悪化させるかもしれない。

先週はBMJが大漁。
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