Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

医療者と家族のCOVIDによる入院リスク

2020年11月25日 | COVID-19
Shah ASV, Wood R, Gribben C, et al.
Risk of hospital admission with coronavirus disease 2019 in healthcare workers and their households: nationwide linkage cohort study.
BMJ. 2020 Oct 28;371:m3582. PMID: 33115726.


スコットランドの医療者16万人とその家族22万人。背景で補正すると、COVID患者と接触する医療者は一般人と比べて3.3、家族は1.79倍の入院リスクがあった。ICUなどエアロゾルが発生する環境で働いている医療者はさらに2.09倍のリスクだった。

これまで、
ちゃんとやっていれば医療者は感染しない。
PPEをちゃんとすれば医療者は感染しない。
NYだって、ちゃんとやっていれば感染しない。
なんて書いてきたのに、ICUは一般人の3.3*2.1=7倍のリスクがあるなんて!

と驚いたのだが。
よく読むと、
"Only 1348 healthcare workers were assigned to the intensive care category, among whom fewer than five hospital admissions occurred, all at an early stage of the pandemic."
と書いてあって、Figure 2を見ると、3月上旬に数人感染して、それ以降はゼロ。

ああ、びっくりした。
やっぱり、
ちゃんとやっていれば、ICUで働いていても感染しない、です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  東京都の発症年齢の分布:47週 | トップ | 集中治療における介入の早期採用 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

COVID-19」カテゴリの最新記事