Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

文献の書き方:データを手に入れてから原稿が出来上がるまで

2022年05月15日 | ひとりごと
時々、他の人と研究をしていてちょっと上手くいかないことがあるので、まとめておきます。
研究デザインとか統計とか、そういう話ではありません。
1施設研究でも多施設研究でも既存のデータベースを利用した研究でも、諸々あって、最終的に手元にデータがやってくる。その後どうするか、について。

1:データを理解する
一気に多変量解析とかのメインに進まず、まずExploratory Data Analysis、EDAというやつをする。
どんなデータなのか、各項目の意味、平均や中央値、分布、欠損はどうか、を眺める。
この段階で、入力ミスとか、データの収集段階のトラブルとかを見つける。

2:解析をする
うまいことやってください。僕なんぞが余計なことを書くまでもなく、たくさん情報はあるでしょう。

3:文献用の図表を作り、確定する
解析の段階でいろいろな結果が出てくる。そのうち、どれを実際の文献として利用するかを考える。
・本来やろうしていたことからずれていないか
・一番伝えたいことは何か
・どの情報を提示して、どれをsupplementにするか
・表よりも図のほうがメッセージ性が強いので、どんな図を作るか
・どの点についてDiscussionするか
などを考える。

4:MethodsとResultsを書く
ここまで来ると本来なら自動的に進むのだけど、実際は慣れていない人が多い。
簡単に言えば、どうやって3で作った図表ができたかを書くのがMethods、その図表を文章で説明するのがResults。
礼儀作法(順番とか言い回し)については、世の中に情報がたくさんあるはず。

5:IntroductionとDiscussionを書く
これまた情報はたくさんあるはず。
僕も以前いくつか書いた。これとかこれとか。

この順番を守らないと変な文献ができるし、ちゃんと1ステップずつ進むと読める文献が出来上がる。
もしよかったら、ご参考に。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国公立大学病院ICUで働くナー... | トップ | WHOのSolidarity trialの最終... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ひとりごと」カテゴリの最新記事