Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

ISICEM 2021

2021年09月02日 | 勝手に紹介
昨日来たJAMAのe-mail alertで知った。
ISICEM、やってるんだね。しかも現地開催。
ワクチン接種かPCR陰性か罹患歴の証明書が必要だそうだ。日本から行っている人っているのかな??

今日はalertが来ないので、NEJM含めメジャーな研究はこの二つだけのようだ。

Effect of Low-Normal vs High-Normal Oxygenation Targets on Organ Dysfunction in Critically Ill Patients: A Randomized Clinical Trial

Effect of Lower Tidal Volume Ventilation Facilitated by Extracorporeal Carbon Dioxide Removal vs Standard Care Ventilation on 90-Day Mortality in Patients With Acute Hypoxemic Respiratory Failure: The REST Randomized Clinical Trial

2つ目の研究について。
僕は、ICUの仕事は重症患者を「治す」ことではなく、「自分で治そうとするのを助ける」ことだと思っている。
臓器の補助をしたり必要な薬剤を投与したりはするけれど、必要以上に介入することによって治そうとするのは無益か有害なことが多い。それは過去の研究が示している。
機械で呼吸補助をする時に、必要以上に機械で数字を良くしようとすることは有害であることが分かっている。でも、さらに呼吸補助を減らすために別の機械を使って予後を改善させようという発想は、ちょっと違うのではないかと思う。

もちろん有効な可能性はゼロではないので、研究は必要。
でも、臨床はそうあるべきではないと思います。
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1 コメント

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教えてください (駆け出し集中治療医)
2021-09-06 13:12:17
はじめまして。
北海道で集中治療を行っているものです。
いつもブログを拝読させて頂いております。

リンク先の「こんな時だからこそ。」を拝読しました。

先生のおっしゃる通り、根拠に基づく治療が大事だと思います。
ただ、その根拠自体も何年かすると有効とされていたものが否定されたりすることをよくみかけます。
病気と治療の真実を知る神様がいるとして、人間があーでもないこーでもないといいながらいろいろな治療を模索していると「残念、その治療は違うんだけどなぁ」と神様に笑われているような気がすることも多々あります。

目の前に助けたい患者さんがいるとして、「根拠がないからやらない」と判断した場合、その方が亡くなったときには「重症だったので亡くなるのは仕方ない」と割り切って考えておられますか。

先生のご指摘されているように「何とかしてあげたい、エビデンスはないけどこの患者さんには効くかもしれない」とどうしても考えてしまいます。

有効かもしれない、という治療を行わず患者さんがなくなったときの心の整理の仕方をご教示頂ければ幸いです。

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