Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

血小板とリンパ球の比

2017年10月23日 | 消化器・血液
Zheng CF, Liu WY, Zeng FF, et al.
Prognostic value of platelet-to-lymphocyte ratios among critically ill patients with acute kidney injury.
Crit Care. 2017 Sep 8;21(1):238. PMID: 28882170.


MIMIC-IIIのデータベースを用い、1万例以上のAKI患者の血小板/リンパ球比と予後の関係を調べたところ、U-shapeであった、と。

Nの暴力の典型だと思う。
血小板が少なくなる病態、多くなる病態、リンパ球が少なくなる病態、多くなる病態、いろいろあるし、どれも単独で予後と関係するはず。その比を計算したらU-shapeになったっておかしくない。それにどうしてAKI?敗血症だー、術後だー、肝不全だー、なんでもありじゃんか。

大きなデータベースを用いて、Xと予後の関係を多変量解析を用いて調べると、関係があったりなかったりする。そういう研究は、それなりの雑誌に掲載される。
でも、そこから新たな仮説が生まれる場合を除いて、医学の進歩にどう影響するのか疑問を感じる研究を見ることは少なくない。

もうやめよーよ、そういうの。。。

Nの暴力についての過去ログはこちら
コメント
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