Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

外科医の性別と予後

2017年10月20日 | その他
Wallis CJ, Ravi B, Coburn N, et al.
Comparison of postoperative outcomes among patients treated by male and female surgeons: a population based matched cohort study.
BMJ. 2017 Oct 10;359:j4366. PMID: 29018008.


カナダで25種類の手術を受けた約10万例。術後30日以内のcomposite outcome(死亡、再入院、合併症)の発生頻度は女性外科医の方が少なかった(オッズ比0.96)。ただし、死亡率のみが少なく、再入院や合併症の頻度は同程度だった。

医師の性別によって患者予後が変わりうるという研究はいろいろあるし、この前一つ紹介した。
今回のは女医の方が予後がいいという話の外科バージョン。

BMJだけれども、アブストラクト読んだだけで胡散臭い。差があるのは予定手術のみで、緊急手術では見られないというところもそう。
実際、この文献のeditorialも、
Nor are we convinced that the sex of the surgeon will emerge as an important determinant of a good outcome for patients having surgery.
で終わっている。

ちょっと面白いのは、このeditorialを書いているのが女性だということ。
Clare Marxという方なのだけど、ググってみるとwikiがあった。イングランドの外科学会の前理事長(女性初)だそうだ。ほー。

北アメリカの男たちが載せた研究をイギリスの有名な女医が斬る。BMJってそんな雑誌。
コメント
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