Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

今月のICM

2017年10月18日 | その他
Volume 43, Number 11 / November, 2017

おお。
見事にRCTしか載ってない。しかも12個もある。

それぞれの内容はみなさん読んでください。
それよりも、思ったことが二つ。

一つは、集中治療の中心がアメリカからヨーロッパにどんどん移動していっていることを改めて感じたこと。
Impact factorはもう2014年からICMがCCMを抜いているし、年次総会で発表されるRCTの数もESICMの方がSCCMよりも多いんじゃないかな。
大統領もあんなだし。まあそれは集中治療とは関係ないけれど。

もう一つは、RCTの数が増えたこと。
ESICMの年次総会で発表されたRCTを載せているとは言っても、今までoriginal articleがRCTしかないICMなんて見たことない。それはやっぱり、RCTの数が増えたということだろうし、RCTをICMが重要視しているということだろうし、その傾向は全ての医学雑誌に言えることだろうし。

裏を返すと、もうそれ以外の研究、特に一施設の後ろ向き研究なんてまともに相手にされなくなってきているということでしょ。実際、そういう研究をしても、以前なら比較的簡単にアクセプトされていそうなやつでもrejectの嵐に巻き込まれるようになった気がする。
学会の年次総会とかに行くと今でもそういう研究ばっかりで、もちろん裾野が広くないと頂上も高くならないからそれはそれでいいのだろうけど、ちょっと研究に対して姿勢を変えていかないと時代に取り残される感じがいよいよ強くなった。

プロ野球を良くしていくにはどうすればいいかという議論を聞きながら、週末に草野球している感じ。もちろん草野球をしてもいいけれど、大マジメにはやらないでしょう。
コメント
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