徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

これ…食べても…大丈夫…?

2008-02-19 16:02:00 | ひとりごと
 BSE問題で一時期輸入停止となったアメリカ産牛肉…最近また店頭に並ぶようになりましたね…。
国産より味は落ちるものの価格が安いので、買おうか買うまいか迷いますが、なかなか、手を出す気にはなれません。
吉○家の牛丼を食べるのは何故か…抵抗がないんで…そこが不思議なんですけど…。

 オージー・ビーフも二度ほど買ってはみたものの、やっぱり国産牛の方が柔らかいし美味しい…。
だからどうしても、特売日を狙って国産牛を買ってしまいます。
特売でもグラムで考えれば…結構高いのにね…。

 今日また驚くべきアメリカのニュースを見ました。
これは米国の何処だかにある畜牛生産者の映像だったのですが、歩行困難になった牛をブルドーザーのようなもので起き上がらせ、無理矢理立たせておいて、農務省の検査官の目を誤魔化すという卑劣なものです。

 米国では歩行困難になった牛はBSEの疑いがあるので精肉できないことになっているそうですが、この生産者は検査官が来る時だけ牛を立ち上がらせて検査を受けさせていたそうです。

 ここの検査を行っていた検査官は、毎日同じ時刻に同じ時間だけ(約二時間ほどだそうですが…。)検査しに来ていたようで、歩行困難な牛をその時間だけ立たせておけば気付かれなかったとか…。
この悪質な生産者には腹が立ちますが、検査官も検査官、いかにもお役所仕事、任意時間で検査していれば、生産者もそんな誤魔化しはできなかったでしょうに…。

 悪事がばれて1億4千万ポンド(6350万2600kg…合ってるかな…?)回収となったようです。
けれど、すでに学校給食で大半が使われていたようで、なんともひどい話…。
未来を担う自国の子供たちの健康を何だと思っているのでしょう。

 日本には輸入されていないようですが、こんな事例が他にもあるとすれば、確かに検査はされていても、検査そのものが信じられないことになります。
輸出国の検査を信じて輸入を許可する国、そして、国の言うことを信じて買うしかない消費者にとっては…かなり怖い話ですねぇ…。

 







散歩道で拾った話…第百二十六「黄金の樹(桑?)・ムクドリ」

2008-02-18 21:30:00 | 生き物
 この樹は…確か…桑の木だったような気がします…。
葉っぱのついていた時期に…こんなところに桑の木が…なんて思った記憶があるので…。
今は丸坊主なので、よく分かりませんが…。

 冬の陽射しに照り輝いて、まるで黄金色のように見えたので、何となく魅かれました…。
畑などで見る桑の木は、灰色がかった樹皮だったように思うのですが、この木はひと皮剥いてしまったようにピカピカです…。

本当に桑だろうかなぁ…?

桑の木は磨くと黄色になるので工芸品として使われることがあるそうです…。

じゃぁ…これ…本当に皮が剥けちゃったのかな…?
う~ん…ひょっとして…違う樹なんじゃないだろうか…?

 山桑の葉はカイコの餌になりますが、実は食用に、葉や根皮には薬効があり、枝や幹は工芸品になるという有り難い植物…。
桑の木で作った食器を使うと長生きするという話もあるとか…。

けど…これ…桑の木だろうか…?

すごく気になるので…今年の葉っぱが出るのを待つことにします…。
樹に詳しい方…何の樹だか御存知でしたら教えてくださいね…。

   

            

 さて…これはムクドリ…でしょうね…。
以前にも1~2回UPしましたが、なかなか撮らせてくれないんですよ。
doveのデジカメでは被写体にかなり接近した状態で撮るしかないので、敏感な小鳥相手の場合、ほとんどのチャンスを逃しています…。
このムクドリくんはちょっとだけ時間をくれたので何とかゲット…。

なかなか可愛いですね…。
よくは分かりませんけど…茶っぽいからメスかな…?
それとも若いオス…?
御存知の方…是非…教えてくださいね…。

 今日は業者が入ったので…散歩には行かれませんでした…。 
このところ…風呂の沸き具合が悪く…何だかガス臭いので修理をお願いしたのです…。
二十年以上使っている風呂釜はさすがにボロボロ…。
今日のところは何とか修理して貰えましたが…そう遠くない未来…新しいものに替えることになりそうです…。

 こんなに長い年月…壊れもせずにいた風呂釜…こんな優秀な製品は今では手に入らないでしょうねぇ…。
何とか修理ができて…よかった…。
よく働いてくれたけど…そろそろ寿命かなぁ…。

もう少しだけ頑張ってくださいよ…風呂釜くん…。




散歩道で拾った話…第百二十五「オシドリ羽繕い」

2008-02-17 17:17:57 | 生き物
 今日も風が強くて寒い日になっています。
朝方、薄っすら雪が積もっていたんですが、晴れていたので安心していました。
昼過ぎから急に暗くなってパラパラと雪が降り始め、慌ててdoveちゃんずに洗濯物を入れてもらったら、すぐにまたお天気に…。
春にはまだ…近いようで遠い…そんな感じですね…。

 さて、今日の画像はこの前の続き…オシドリくんの羽繕い…。
見ていると鳥ってわりと身体が柔らかいです…。
カチカチの身体じゃ…隅々まで羽のお手入れができませんからねぇ…。
それでいて、空を飛べる強靭な筋肉を持っているのですから、何か羨ましいような…。

     

一枚目はともかく…二枚目の画像は…いったいどういう体勢なんでしょうね…?
合わせ方を間違ったパズルのようで…よく分からないんですが…どなたか解説して頂けますか…?

     

真後ろ正面に顔がいくなんざ…人間の首じゃ絶対に無理…有り得ない状態ですが…この柔軟性は見習いたいもので…。

     


       
 
 齢経るごとに硬くなる身体とポッコリした臍周り…こいつは是非どうにかしたいもの…。
それに…散歩しているだけじゃ柔軟な筋肉はつきませんから…体操でもしないといかんのですけど…。
分かっちゃいるんですが…なかなか…ねぇ…。

オシドリくんの柔らかさに感動しながら…怠け癖のついた我が身を省みるdoveでした…。








散歩道で拾った話…第百二十四「カワセミ」

2008-02-16 16:40:00 | ひとりごと
 朝からずっと晴れては居ますが今日も風が強いです。
昨日の続きでオシドリをUPしようかとも思ったのですが、それはまた次にすることにして、今日はカワセミのストック画像を…。
あんまり…代わり映えしませんね…。
申し訳ない…。

 散歩道の野草は少しずつ大きくなってきていますが、まだひとつも花をつけていないので、新しい画像を入手するにはもう少しかかりそうです。
今週は風邪で散歩に行けなかったけど…来週は前半に別の予定が少し…。
そろそろ椿が咲きそうだし…後半で行けたらいいなぁ…。

     

最初のふたつはかなり…分かり難いですね。
遠いので小さ過ぎて画像がはっきりしなくて申しわけないです…。
ボケてるし…。
カワセミが空中停止して…川へ突っ込む直前と魚を捕まえて戻って来たところなんですが…。

     

doveのカメラじゃこんなもんです…。
あ~ぁ…一眼レフ~~…。
宝くじが当たってほしいよ~~~…。

     


     

後はいつもどおりですが…。
この大きさでいっぱいいっぱい拡大してます…。
散歩道にはこんなに良い被写体が居るというのに…残念です…。











散歩道で拾った話…第百二十三「オシドリ」

2008-02-15 12:14:00 | 生き物
 ここのところずっと寒い日が続いているので、風邪気味のdoveは散歩道に出かけていません。
突然ピ~だったり、喉ががさついたり、鼻の奥から眼の辺りが痛かったり、頭が重かったり、身体がだるかったりと、症状自体はそれほどひどくならないのですが、ずっと続いていて全然すっきりしない…なんとも厄介な風邪です…。
それでもこちらの学校などでは、インフルエンザが流行っていますから、ひどくならないでいるだけましかも知れないですね…。

 仕方がないのでストック放出…この画像は1月の終わりに撮ったもの…。
またまた…オシドリくんです…。
なかなか会えませんけど…今年に入ってから4回ほど見ています…。
手前側の護岸壁の近くに居たりすると…柵があるので位置的に撮影できなくて…まだ二回ほどしか撮れていません…。
肉眼で見れば…そこに居ることはちゃんと分かるのですが…。

     


                  


     


     

 オシドリくん…こんなに御洒落で素敵なのに…まだまだひとりぼっち…。
この前もここで同じことをぼやいたけれど…どっかからお嫁さんが飛んできてくれないですかね~…。
そうしたら…この川にもオシドリが増えて…もっと楽しくなるんだけどなぁ…。










今日の一品…鶏肉と南瓜の煮物・麩の卵とじ…dove風…。

2008-02-14 17:11:17 | 簡単手抜き料理
何かもうひと品欲しい…という時に簡単にできる和惣菜二種です。

 まずは鶏肉と南瓜の煮物…。
南瓜といえば、煮る前に面取りしなければ型崩れするわけですが、面取りすれば生ゴミが増えるし、手間もかかるので、御節やお持て成し料理でなければ、種とわただけとってそのままざくざく切って煮てしまいます。
許せないという方は、真面目に面取りしてください。
                                    
南瓜は砂糖を使うことが多いのですが、この料理は砂糖を使いません。
甘い南瓜の煮物が嫌いな方でも食べやすいと思います。
水・酒・塩・醤油少々・出汁(市販の調味料でOK)を使って、鶏肉から順に煮て色よく仕上げます。
しっとりした食感がお好きな方は出し汁を多めにして煮てくださいね。

 次に麩の卵とじ…。
今回は生麩ではなくて乾燥させた麩を使います。
画像は干し椎茸とメカブを煮て卵でとじたものですが、doveんちでは通常、ミツバかセリを使います。
(鶏肉やタケノコ・カマボコ類があればいっそう美味しく出来上がりますが、もうひと品という時には、材料が揃っていないことも多いので、麩と椎茸と何か…といった組み合わせが基本…それを卵でとじます。)
                                   
これもやはり…水・酒・塩・醤油少々・出汁で味をつけます。
卵汁の汁の少ないバージョン…或いは…茶碗蒸しの蒸してないバージョンという感じかな…。

これらの惣菜はすでに…何処の家でも似たようなものを作っていると思うので…今夜のおかずに困ったら参考メニュー…ってことで…さらっと読み流しといてくださいね…。

もうひと品に簡単和惣菜…鶏肉と南瓜の煮物&麩の卵とじ…dove風…お試しあれ…!








今日の一品…カトル・カール生地マドレーヌ…。

2008-02-13 16:23:43 | 簡単手抜き料理
 カトル・カール生地というのは…小麦粉・砂糖・バター・卵が等量でできた生地のこと…だそうです。
バターをたっぷり使ったちょっとリッチな味わいのマドレーヌ…。
材料の配分が均等なので、普段御菓子を作らない人でも楽に覚えられて、御菓子作りのわりには比較的労力も少なめに、美味しく作ることができます。

古くからある御菓子ですから、御自身のレシピで作られている方も多いかもしれませんね。
バターケーキの中でも最もシンプル…。
目立たないけれど…これほど素材の味が引き立つ御菓子も他にないのでは…。

                           

 何年も作っていますが、これはもともとレシピがあるものなのでdove風ではありません。
二十年以上も前に書かれた洋菓子の本から…そして…もともとのレシピはさらにずっと昔…18世紀に遡るようです。
その誕生については諸説あるようですが…何れにせよ…多くの菓子職人が今日に至るまでまで作り続けているのですから…このシンプルな御菓子にはそれだけ人を魅了する何かがあるのでしょうね…。

バターと卵…バニラの香るカトル・カール生地のマドレーヌ…お試しあれ…。









続・現世太極伝(第百三十三話 恐怖の連鎖 )

2008-02-12 18:00:18 | 夢の中のお話 『続・現世太極伝』
 寝息を立てている子供たちの無邪気な寝顔を見つめながら、ノエルはほっと溜息をついた…。
実家を出た時にはすでに絢人と来人は半寝状態で、305号室に辿り着いた時には完全に熟睡していた…。

 熟睡した子供というのは見た目よりもずっしりと重みがある…。
眼を擦りながらも吾蘭がどうにか歩いてくれたので助かったが、そうでなければ、背負子に抱っこでふたりを運ばなければならないところ…。
いかに腕っ節の強いノエルでも…少々骨が折れる…。

「ノエル…。 」

半開きの扉の向うから顔をのぞかせて…輝が声をかけた…。
輝の好きな薔薇の紅茶の香りが漂ってくる…。
もう一度子供たちの顔を覗いてから…立ち上がって部屋を出た。

 居間のテーブルの上にティーカップがふたつ…ゆらゆらと湯気を立てている…。
香りが強過ぎて、ノエルはいまいちこの紅茶が好きになれないけど、西沢がそうであるように文句は言わない…。

輝が桜色の模様のついたティーカップを取り…紅茶をひと口含んで…ふうっと息を吐いた…。
見ず知らずの親戚ばかりが集まる宴会で、輝なりに気を使っていたのだろう…。
少しばかり疲れた顔をしている…。

「ごめんね…輝さん…。 騒がしい連中ばかりで…くたびれたでしょ…。
親父や御袋がどう話したか知らないけど…みんな輝さんのこと僕の嫁さんだと思ってるもんで…。 」

ノエルが申しわけなさそうに言った。

そのつもりで行ったんだから…構わないのよ…。
宴会での親族たちのあけっぴろげな様子を思い出して…輝はクスクス笑った…。

「えらく…年上の嫁さんだわね~…。 けど…面白かったわ…。
親族関係であんな気楽な宴会は初めてよ…。
ノエルの一族はみんな仲が良いのねぇ…。 」

感心したような輝の言葉に…ノエルの口元が綻んだ…。

「まあね…。 でも…さすがに…僕の身体のことは言えないらしい…。
紫苑さんのことも…だけど…。
だから…三人とも輝さんが産んだことになってるみたいだよ…。

僕だって…未だに信じられないもん…。
ふたりも子供…できちゃったなんてさ…。 」

不思議なノエル…。
輝にも…それは奇跡としか言いようがなかった…。

「ノエルの身体は…どう見たって…普通の男なのにねぇ…。
華奢な体格だけど力はあるし…ケントの父親なのは確かだし…。
神さまの悪戯ね…。 」

悪戯かぁ…。

唇への字に曲げて…ノエルは溜息をついた…。

あんまり…やって欲しくない悪戯だよなぁ…。

「まっ…いいけどね~…。
紫苑さんにはアランとクルトをプレゼントできたし…。
輝さんにケント産んでもらったから一応はお父さんでもあるし…ね…。

実はさぁ…。 
エナジーたちが…もうひとりだけ産める…って言ってたんだ…。
だから…先生にもプレゼントしてあげようと思ったんだけど…断わられちゃった…。 」

恭介に…?

輝は怪訝そうな顔をした…。

「輝さん…僕の子供を産むことで…子供の代で紫苑さんとの縁を繋いだでしょ…?
アランやクルトとケントは僕を通じて実の兄弟だもんね…。
分かってたんだぁ…そのくらい…。

できれば…先生にも…そうしてあげたいな…って…。
僕が先生の子供を産めば…先生と紫苑さんも子供の代で繋がるんだ…。 」

まったく…あなたって子は…妙なところに気が回るのね…。

呆れたように溜息をついた…。

「それにしても…産めるとか産めないとか…エナジーにとってはどうでも良いような些細なことを…どうしてわざわざ…?
何か意味があるのかしら…?
そこのところは…ちょっと考えてみた方が良さそうね…。

ノエルの思いつき…悪くないわ…。
恭介は根っから子供好きなの…。
ケントのことも可愛がってくれてるし…アランやクルトを育てるのだって…めいっぱい協力してるものね…。
自分の子が欲しくないはずはないと思うのよ…。

紫苑に遠慮してるだけよ…。 
一応…ノエルは紫苑の奥さんなんだから…。 」

あの紫苑が結婚相手に選んだだけでも驚きなのに…子供まで産んじゃうなんて…まさか…と思ったわよ…。
そりゃぁ小柄で美形だから…それなりの服を着てれば…女の子に見えないこともないけど…紫苑の好みといえば亡くなった麗香さんタイプ…。
紫苑にふられた私が言うのも妙だけど…かけ離れ過ぎて比べようもありゃしないわ…。

「ふふん…輝さんにとっては間違いなく男だもんね~…。
肝心の紫苑さんはどう見てるんだか…僕にも本当のところは分からない…。
先生の子供を産むなんて言ったら…さすがに…怒るかなぁ…? 」

あっけらかんと…とんでもないことを口にするノエルを…輝は呆れたようにまじまじと見つめた…。

変わってるというか…母親としての感覚や感情がかなり希薄なのね…。
産む産まない…も他人事みたいなものなんだわ…。

「やっぱり…おかしい…?
僕さぁ…御腹の中に赤ちゃんが居ると…感情も女っぽくなるみたいだけど…産んじゃったら…全然違うんだ…。
子供は可愛いんだけど…自分が母親だって意識が持てない…。
どっちかって言うと…父親…なんだよね…。 」

そのことについては…輝もかなり前から気付いていた…。
宗主の屋敷で一緒に暮らした折に…どう考えてもノエルの行動が子供を持つ母親のものとは思えなかったのだ…。

「仕方がないって言えば…仕方がないわよ…それは…。
ノエルは男として生まれて…男として育ったんだし…。
余分に女性の機能を持っているだけで…やっぱり…男なんだから…。 」

そうなんだよね~…。
知らずに済めば…済んじゃった話なのにさ~…。

「まぁ…どちらにせよ…紫苑に内緒ってわけにはいかないんだから…まずは紫苑に話をすることね…。
紫苑がOKすれば…恭介だってその気になるかもしれないし…。

もし…エナジーたちがそれを望んでいるなら…生まれてくるその子には何か重大な使命があるのかもしれないわ…。 」



 コポコポとフィルターを通して落ちる液体の音…。
鼻腔を擽る香ばしい香り…。
寝室の扉の向こうから…朝の気配がする…。

ぼんやりと薄目を開けて壁の時計を見る…。

何時だろう…?

針は滝川が目覚めるには十分過ぎる位置を指している…。

危ねぇ…寝過ごすとこだ…。

隣に眼を遣ると…西沢はまだ眠っている…。
あどけない少年の顔をして…。

ふふんっ…いくつになっても可愛いぜ…紫苑…。
小さな紫苑ちゃん…そのままだ…。

思わず顔がほころぶ…。

コーヒーは…ノエルだな…。

そう思った途端…吾蘭が弟たちを従えて飛び込んできた…。

「とうたん…! 先生…!
起きて…朝御飯だよ…! 」

この頃、かなりはっきりした言葉を話せるようになってきた吾蘭…赤ちゃんからは完全に脱皮したようだ…。

 吾蘭の声に西沢が反応する。
自分の手で育ててきただけあって…母親のごとく子供の声には敏感…。
身体の上に登ってきた吾蘭と来人をしっかりと捕まえた。
同時に絢人も滝川の腕の中に飛び込んで来る…。
捕まえられた子供たちの笑い声が部屋中に響き渡る…。

 テーブルの上には、焼き過ぎのトーストと熱々のコーヒー…。
未だに上手く作れない…ペチャンコの目玉焼き…。
インスタントの野菜スープに切り口の潰れたトマト…。
誰も文句は言わない…。
寝坊助のノエルが早起きして朝御飯を作れるようになっただけでも大進歩…。

 吾蘭が来人と絢人の小さなパンにジャムを塗ってやっているのを、西沢は楽しそうに見つめている…。
懸命に弟たちの世話をするようになったのは、大好きな父親に褒めて貰うのが嬉しいからだ…。
本家で子安さまに年下の者を可愛がるように躾けられたことも影響しているのだろう…。

「まったく…ろくなニュースがありゃしないぜ…。 」

コーヒーカップを片手に新聞を覗き込んでいた滝川がいつものようにぼやき始める…。

それはいいけど…と思いながらノエルは壁の時計を見上げた…。

「先生…遅刻するよ…。 出勤でしょ…? 」

おっと…いけねぇ…。

滝川は慌ててコーヒーを飲み干した。

「ノエル…多分…大丈夫とは思うけど…時々…仕事部屋の紫苑の様子を看てやってくれ…。
今日は定休日だろ…? 」

うん…とノエルは頷いた。

そうか…紫苑さん…調子悪いんだ…。
お養父さんとの旅が…あんまり楽しくなかったんだな…きっと…。

ノエルが心配そうな顔を向けると、西沢は別段、何処がどうという様子もなく微笑んだ。

「僕は大丈夫だよ…恭介…今日は頭の中もすっきりしてる…。
きっともう…記憶のパニックは治まったんだ…。
急ぎの仕事もあるし…いつまでも女々しいこと言ってられないよ…。
それにノエル…引越しの準備も始めなきゃね…。 」

最早…養父祥に宛がわれた新しい家への拘泥も捨てたのか…引越しという言葉を淡々と口にした…。

「紫苑…その前に僕と輝が祥さんと分譲交渉するから…少し待っててくれ…。
今月中には話をつける…。 」

祥の絶対的な支配と命令に対しては、抵抗力も弱く諦めの早い西沢が、性急にことを運ばないように、滝川は慌てて布石を打った。



 仕事部屋の窓から…薄いレースのカーテンを透して柔らかな光が射している…。
それはイラストボードに向かう西沢の背後からゆっくりと忍び寄り…次第に全身を包み込んでいく…。
昨日は気配だけを残して去ったのに…何かもの言いたげに…西沢の周りで揺れ動く…。

「おやおや…てっきり…恭介に乗り換えたのかと思ったのに…まだ…お見限りじゃなかったんですか…? 」

わざと皮肉なことを言ってみる…。
光がゆらゆらと揺らめくのが分かる…。
笑っている…のだ…。

『あの男にも少しは…言葉が通じると思ったのだが…。 
細かいものに話しかけるのは…やはり…難しいな…。 』

あなたから見れば…地球だって大きいとは言えないでしょうね…。
西沢も可笑しそうにふっと息を漏らした…。 

『まあ…良かろう…。 伝えることは伝えた…。 後はあの男次第…ということだ…。 』

恭介次第…?
思わず怪訝そうな眼を斜め上の方に向けた。
相手がそこに居るというわけでもなかったのだが…。

『我子よ…おまえが私の中に戻る時…化身の産んだ第一の実がおまえの後を引き継ぐだろう…。
我子がそうであるように…崩壊のエナジーを封印する者は…その力の暴走を防がなくてはならない…。
おまえにあの男の力が必要なように…第一の実にも抑えの力となる者が必要なのだ…。 」

アラン…にも…暴走の危険があるのか…?
僕が暴走するのは…幼少期にまともな訓練を受けられなかったことと…心的外傷で抑制力を失ったからだと思っていたのに…。

背筋を冷たいものが走った。
力の暴走を何より怖れる西沢にとって…それは言葉にならないほど衝撃的な事実だった…。

僕と同じ宿命を…アランが背負うことになる…。

全身から力が抜け…膝がガクガクと震え出すのを感じた…。

だめだ…そんなことは…させられない…。
護ってやらなきゃ…なんとしても…護ってやらなきゃ…。
こんな際限のない恐怖を…他の誰にも…ましてや…アランに背負わせてたまるものか…。

吾蘭の屈託のない笑顔が…凍えたように震える西沢の脳裏に浮かんで消えた…。 







次回へ

散歩道で拾った話…第百二十三「メジロ・ヒヨドリ」

2008-02-11 17:01:17 | 生き物
 今日はとても良いお天気だったのですが、なんだかんだ忙しくて散歩には行けませんでした。
風もないから絶好の散歩日和だったのになぁ…。
何やかんや家のことして…doveちゃんず姉のマドレーヌ作りの手伝いと今日の晩御飯のオージービーフのローストを作っていたらもう三時過ぎちゃったもので…。

 オージービーフ…初めてローストに使ったんだけど…美味しいだろうか…?
どうも輸入牛は臭みと硬さが気になって…ホントは使いたくないんですよねぇ…。
ローストビーフが食べたいというdoveちゃんずの希望で…安さに負けて買っちゃいましたけど…。
なにせ…由緒正しきボンビーですから…。

           

 さて今日の鳥…メジロです…。
毎年…この時期にはこの辺りにもたくさんのメジロがやってきます。
doveんちの庭にも来ますが、庭に来る鳥たちはどうやら山茶花の蜜や、ヒバなどにつくの小さな虫を狙っているようです。
例年たくさん花をつけていた裏の庭の山茶花が、珍しくひとつも花を咲かせなかったのがちょっと気になっています。
メジロはこの木が好きだったのに…。

                    

 物音や気配に敏感な小鳥が相手ですから、なかなか良い画像が取れなくて四苦八苦…。
これは天気が悪くてかなり暗い日にやっと撮れたもので、PCの加工で少しは明るくなりましたが、もとの画像の条件が悪くて綺麗にはなりませんでした…。
この程度でごめんなさいね…。
(写っている屋根や壁は他所さまので、doveんちではありません。)

引き続き…良い画像の撮れるチャンスを待とうと思っています…。

           

 こちらはヒヨドリ…。
これも同じ日に撮ったもので、かなり画像が暗いです。
ヒヨドリはモチノキの実を食べに来るのですが、今年はモチノキにも実がならない…。
それでも毎日訪れてくれるのは、昆虫類が目当てなのかもしれません…。
それとも、お隣の柿を狙っているのかな…?

           

 洗濯物が干せるだけの小さな小さな庭だけど、毎年のように野鳥たちが来てくれて、可愛い姿を観察できるのはとても楽しいことです…。 
ジョウビタキ・キジバト・メジロ・ヒヨドリ…季節の御客さまたちがこれからもずっとdoveんちを忘れずにいてくれることを願っています…。



 


 

今日の一品…さつま芋嫌いの作るさつま芋のプチケーキ…dove風…。

2008-02-10 17:17:17 | 簡単手抜き料理
doveちゃんず姉の注文で久々に作ったスイートポテトケーキ…。
さつま芋の嫌いなdoveが何とか美味しく食べられるように考えた御菓子です。
洋菓子店で売っているスイートポテトの作り方は、実はdove、全然知りません。

おそらく、洋菓子店のものは丁寧に裏ごしなんかをして、あれこれ手を加えて、丁寧に美しく作り上げるのでしょう。

doveの場合、分量めっそ(目分量)、工程ザツ、成形いい加減…温度・時間行き当たりばったり…。
味も香りも運任せ…。
御菓子作りにあるまじき手抜きのオンパレード…。

それでもまぁ…doveちゃんずは喜んで食べてくれます…。
子供が美味しく食べてくれれば…まずまずじゃぁないでしょうかね…。

忙しいけど手作りしたいママさんたちには、ちょっと優しい御菓子かも…。

ラム・ダーク(または他の洋酒)の香るさつま芋のプチケーキ…dove風…お試しあれ…!