テムテムな日常

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生きがい

2009-06-10 | 介護職
私が担当しているKさんは難病指定で、日常生活はなんとか自立していますが医師からはいずれ失明すると宣告されています。とても珍しい病気で、まだ治療法も分かっていないため、一日30種類もの薬を飲んでおられます。

そんなKさんはお料理が大好き。若い頃からお得意だったそうで、家にはいろんな種類の包丁やなべ、調理器具があります。料理のレシピ本は段ボール箱2箱分以上。普通の家庭料理はもちろんのこと、レストランで食べるような作り方の難しい料理もなんなくこなさはります。

Kさんの家で私がやることは、室内の清掃とお料理の下ごしらえ。目が見えにくくなってきておられるので、やはり包丁や火の取り扱いが危険なのと、あと生きがいである料理を楽しみながらすることで、難病を抱えながらも生きていく希望を持って過ごしていただきたい、というわけなのです。

Kさんとは波長があうというか・・・私、あんまり料理が得意じゃないので、生徒のようについついいろいろと教えてもらってて、Kさんも楽しんでお料理をされているようなんですよね。Kさんにあうまで「生きがい」というものについてあまり深く考えたことがなかったんですけど、自分の好きなことを、いつまでも好きであり続けることって、生きることに対する大きな力になるのだなぁと今更ながら気付かされています。そりゃー誰だって、「危ないから」とか理不尽なこと言われて自分の好きなこと、やりたいことを取り上げられたら楽しくないですよ。危なくても、難しくなってきていても、「自分が」やりたいことをやれる環境にある、というのは、人としてとても大切なことだと思うんです。

自分にとっての「生きがい」ってなんだろう・・・Kさんにとっての「料理」みたいに、私にとっては「コレ」というものがないんですけど・・・強いて言えば「タイ人になるための修行」ですかね?!

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