本日の漢方市民講座は「要薬No6」栝萋、天花粉、薤白(がいはく)です。
記憶するに効率的な方法とは?
五感で実際に接したものは記憶の糸が途切れないものです。地理学は代表的なものでしょう。地図上で雑多な知識を詰め込んでも、実際にその地域に行ったことがあるとか、住んだことがあるという五感の体験がある人には。糸の長さで負けてしまいます。五感の経験が関連知識に広がります。
生薬の知識の糸を長くしようとすれば、先ずは、実物、それも生薬になる前の物を、触って、匂いを嗅いで、味わって、色を眺めて、形を記憶してから、生薬の説明に接すれば、知識は記憶の糸となり、自然に身につくものでしょう。ところが、突然に生薬の講義を拝聴しても、記憶の元になる五感の経験が無いので、中国で中医学を勉強する大半の日本人留学生は、字面(じづら)と中国語の響きを、記憶の元にすることが多いのです。そんな、自分自身の経験も含めて、本日の漢方市民講座「要薬 栝萋 天花粉 薤白」についてお話します。
実は薤白を説明するには、どうしても栝萋が付随するので、私が勝手に要薬としました。
瓜?(グアロウ、かろ)栝萋 栝楼 瓜萋 瓜楼
いろいろな表記があります。栝萋(かろ)或いは栝楼とも表記します。
瓜萋あるいは瓜楼とも表記します。本草綱目によれば、昔は栝楼であり、現代の表記が瓜萋、或いは瓜楼で、中国簡体文字では、瓜?(草冠に米女)となるようです。本稿では、栝萋に統一します。
ウリ科シナカラスウリの果実全体(全栝萋 栝萋実)、果実の皮殻(栝萋皮、栝萋殻)、種子(栝萋仁、或いは栝萋子)、種子を圧搾し、油分を除いたもの(栝萋霜、楼仁霜)と言います。
スライド1全栝萋 栝萋皮 栝萋仁
全栝萋(中