六月雪(リウユエシュエ)と八月杖(パーユエジャー) の変わった生薬名を目にしたのは、六月雪は腎内科実習の際で、八月杖は肝内科実習の時だった。発音は正しいか自信が無い。
六月雪はピンインでLIUYUEXUEと書き、茜草科植物の白?骨(はくばこつ)或いは、六月雪の全草を指すとあった。苦辛,凉で“无毒(無毒)”帰経は肝、脾の2経である。効能は 祛風,利湿,清熱,解毒であり、風湿による腰腿痛,痢疾,水腫(浮腫),目赤腫痛(眼球が赤く腫れて痛む),喉痛,歯痛,婦女の白?(下り物が白く多い),瘍 疽,瘰癧などに煎じて服用する。うろ覚えで、不甲斐無いが、腎内科では浮腫に用いたのであろうと思い出す。
写真 六月雪 なるほど雪のように白い花が咲いている 全草を用いる。
一方
八月札(はちげつさつ パーリエジャー)
行気薬に分類され、アケビ科 の木通 .三葉木通、白木通 の果実であるとされたので、てっきり甘いものだと思い込んでいたが、苦、平 で、帰経 は肝、胃
であり、疏肝理気、散結であるとされる。
肝鬱気滞による脇痛、肝胃気痛および脱腸痛(疝気痛)などの証候に使用される。
よく香附子、枳殻、川楝子、延胡索などを配伍して使用される。
また結核性頚部リンパ節炎にも用い、よく昆布、浙貝母、牡蠣、天葵子などを配伍して使用する。
注目すべきは、数年来、臨床で乳房癌と消化器系の腫痛によく用いられ、その理気散結の効能が利用されている ことだ。
このほか利尿作用もあり、排尿困難、排尿痛などの証候に、使用することができる。
疏肝理気剤には柴胡が有名だが、肝陰を損なう傷陰作用が警戒され、傷陰しない八月札が代用になりつつあると教えられた記憶を持つ。
写真 八月札 アケビ科 の木通 .三葉木通、白木通 の果実を輪切りにして
乾燥させたものを使用する。枝の方の木通は腎毒性があるために中国では禁止されているが、実の方は八月札として流通している。
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本日の漢方市民講座「中医診断学入門」No9
睡眠を問うinquiry of sleep
失眠insomnia の原因(一般的には熱邪) | |||
陽盛 (熱擾心神)(入睡困難が多い) |
②心神失養 覚醒しやすい (易驚醒) | ||
実熱 痰熱 (実熱の一種) |
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