勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

天国と地獄

2008-06-11 22:28:02 | Weblog
 オッフェンバック作曲の喜歌劇「天国と地獄」は、ギリシャ神話の「オルフェスとユーリディス」をモチーフにしている。毒蛇に咬まれ命を落とした妻、ユーリディスを、命がけで黄泉(よみ)の国から取り戻したオルフェスは、「家に着くまでは絶対に振り返らない」という約束を破ったため、妻は再び黄泉の国に戻されてしまう。


 誰にも気兼ねない気ままな一人暮らしは、我が儘な僕にとって天国でもあるが、時には地獄にもなる。

 好きな時間に寝て、好きな時間に起きる不規則な生活は、夜更かしも多くなる。それは、年齢(とし)とともに身体への負担も大きくなり、不摂生によるつけは定期的に廻ってくる。

 数日前から感じていた節々の痛みは、疲れによるものと思い、睡眠も摂るように心かけた。しかし、喉の痛みも伴いそして発熱。ベッドから起き上がれない。冷蔵庫からは食料も消えていた。天国から一気に地獄へと滑り落ちてしまった。

 そんなこととは知らない友人から一通のメール。「雷雨がひどかったけど大丈夫?」「大丈夫じゃない、雷にやられて、熱が出た。死にそぉー」「薬飲んだの?」「解熱剤の座薬使った。座薬だから正座して飲もうと思ったけど、飲みづらそうだからお尻に入れた」「アホ!大丈夫そうだね^^」

 その友人が次の日、お弁当と果物を提げて、見舞いに来てくれた。作ってくれたうどんは、食事として3日ぶりに食べる温かい天国の味。ちょっと元気がでた。

 遠い昔の若さを振り返って懐かしむより、今の己を見つめ、節制を心がけねばと思うのは、床に伏せているときだけ。喉元過ぎれば忘れる熱さ、いつものことだ。死にそぉー、といった言葉に、黄泉の国から引き戻しに来てくれた友人の優しさと、夜更かしを咎められての約束は、破らないようにしよう。もう少し天国を味わいたいから。いずれは地獄に行かなければならないし・・・♪