恋しくば 尋ね来て見よ
和泉なる 信太(しのだ)の森の
恨み葛の葉
葛の葉伝説(信太の森の白狐)によると、信太(しのだ)の森で助けられた白狐は、「葛の葉」という名の美しい女性に姿を変え、恩人の安倍保名(あべのやすな)と結婚する。その子供、童子丸が5歳のとき、狐であることを悟られ、泣く泣く冒頭の歌を残して信太の森に帰って行く。その童子丸が、のちの陰陽師・安倍晴明である。
秋の七草のひとつ、葛の花が美しい。その葉が風に揺れ白い葉裏を見せることから「恨み(裏見)」にかけて、葛の葉の枕詞として「恨み葛の葉」と使われるようだ。
恨みは恨みによってやまず
恨みは恨みなきによってのみやむ
仏教の教えだそうだが、それができれば世の中、平和になるだろう。はたして僕にできるだろうか?いや、できない♪
葛はマメ科の蔓性の植物で、根からは葛粉や漢方薬が作られる。根を干したものを葛根(かっこん)といい、生薬の葛根湯ができるらしい。