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屋久島を訪れて

2005年05月24日 | 旅行記
去年の10月話で恐縮だが...

ボクといつものパートナーであるマー坊で、世界遺産で有名な鹿児島県の屋久島に行ってきた。屋久島初心者にも関わらず、ツアーではなくすべて自分でプランニングしてみた。夏ごろから屋久島を歩く練習とも言うべきか、近所の低山を歩き、距離感とかペースとかを感じることができるように訓練も行っていた。今回はこのときの感動を書いてみたいと思う。

屋久島はどこか神秘的な島であり、神々の息がすぐそこで聞こえるような、そんな勝手な想像をしていたが、いざ空港に降り立ってみると、それほどでもないことに気が付く。なんせ100円ショップや大手の家電ショップもあるのだ。この島は神々が住んでいるのではなく、まぎれもなく島民が普通に生活している普通の島であるのだ。ここでは屋久島の観光案内や、名所明晰の話をするつもりはない。もしそれを期待されているのであれば、いろいろなガイドブックが出ているので、そちらで確認していただきたい。

早朝に屋久島入りした我々は、まず観光センターに行き、雨具をレンタルした。1年400日雨が降る、と言われるくらい雨が多いところである。天気予報は台風一過の晴天を予想しているが、念には念を、である。
初日は屋久杉ランドというところへ向かった。屋久杉というのは樹齢1000年以上の杉の木を指して言うとても威厳のある名前である。屋久島は実は土壌に養分が少ない。なのになんでそんなに木々が長生きするのか?それは雨が非常に多いことが影響しているらしく、養分がない分、じっくりと成長するのだ。朽ち果てた先代の木に新しい木の芽が着装し、それがたっぷり水気を含んだ苔によって水分補給しながら、ゆっくりゆっくりと成長していく。縄文杉は樹齢7000年と言われているが、名前の由来通りそれが本当であれば縄文時代からこの島を見ている、ということだ。yaku1

ボクはこの屋久島の旅を終えてからしばらく古代史にはまることになった。それは7000年前のニッポンはいったいどうだったのか?という疑問がどうしても消えなかったからである。しかし気軽に7000年前の文献なんてあるわけもなく、日本創世記である古事記や日本書紀を調べた。yaku2

話を戻そう。屋久杉ランドというところは結構お気軽なネーミングだとは思わないだろうか?確かに足元も整備されており、気軽に屋久島を見て歩くことができるが、それも一番短いコースだけだ。実際にここは登山口にもなっているので、もっと長距離コースを選択すると、ほとんど登山となるので覚悟が必要だ。翌日は白谷雲水峡というところをトレッキングするのだが、この2つが屋久島をもっとも満喫できるところであろう。

屋久杉の森に通じる道は細いところもがるが、ほぼ整備されていて晴れていれば快適なドライブコースだ。所々に日本サルの亜種である屋久ザルが見られる。彼らはどこかの暴力的なサルとは違って非常に大人しい。体も日本サルより一回り小さいのでかわいらしく見える。でも野生の生き物であるので餌をやるのはご法度だ。yaku3

白谷雲水峡から、もののけ姫の森を目指していたとき、大雨の洗礼を受けた。雲ひとつない程の天気が一気に大雨に転じたのだ。借りていたゴアテックスの雨具を羽織った。しばらく歩くと雨はやんでしまったが、今度はその地面に染み込んだ水分が湯気となって立ち込めた。運良くもののけ姫の森に到着するころには、なんとも神秘的な景色になっていた。yaku4

この豊かな水は、巨大な滝となって豊かさを証明してくれる。屋久島には見所の滝がいくつかある。その中でも大川の滝は迫力がある。大川とかいて「おおこ」と読む。かなり離れたところから眺めていてもしぶきで濡れてしまうが、この超マイナスイオン地帯はすべてを忘れさせてくれた。いつまでも眺めていたい、そんな不思議な力を持っている。神がいるのかもしれない、とつい思ってしまう。yaku5

実はこの旅では食事で良い思いができなかった。宿泊は空港近くのビジネスホテルにしたので、レストランは併設しているものの、和食は扱っていないので、繁華街まではバスなりタクシーなりを利用することになる。なのでスーパーで刺身とか買い込んでホテルの部屋にてビールや焼酎で頂いた。
帰り際ではあったが、空港の食堂にて、ご覧の定食を注文した。わかるであろうか?これはトビウオの唐揚げである。羽の部分が香ばしくて本当に美味かった。2泊したが、この定食が最高の贅沢であった。yaku6


神々の島、屋久島は普通の島である。しかし洋上アルプスと言われるその山々は、九州一の高さを誇る宮之浦岳を始めとして軒並み2000メートル級の山が連なっている。その山にはやはり神は存在している。人と神のコラボレーションを味わえる貴重な島だ。半年以上も過ぎた今でも屋久島を特集している雑誌があるとつい買ってしまう。また絶対に訪れてみたいところであった。