ゴールデンウィークの初日と言われるが、前半はカレンダー通り故に29日の祝日は貴重な1日だ。いつのまにか「昭和の日」定められたみたいだが、元々昭和天皇の誕生日からして「みどりの日」よりかはしっくりくるかもしれない。さて、そんな昭和の日は早朝から西武鉄道の飯能駅に降り立って、名栗方面のバスを待っていた。今日の目的は「棒ノ折山(969m)」である。なんだか変な名前であるが、山頂で棒が折れた、とかあまり縁起の宜しい名前には感じられない。しかも「棒ノ峰」であるとか、字が少し変わって「棒ノ嶺」だとかいろんな呼び方があるようだ。8時29分発の急行バスに乗ると、登山口まで連れて行ってくれる。今回は少し欲張って奥多摩側のJR御嶽駅まで縦走することにした。
【コース概要】名栗湖登山口 →(1:20) 棒ノ折山 →(0:20) 黒山 →(1:40) 岩茸石山 →(1:20) 惣岳山 →(0:40) 御嶽駅
登山口バス停(と言ってもバス停がある訳ではない、バスが止まるだけ)にて準備を済ませて名栗湖のほとりをぐるりと回って登山口へ向かう。すこし風が冷たいが絶好の登山日和だ。ちょっと霞んでいるかなぁ~と思うが、絶景が期待できそうだった。しばらく樹林帯を歩いていくと、だんだんと水の流れる音が聞こえてくる。近くに沢が見えてきて、登山道はそのまま沢と合流し、しばらくは沢登りとなる。といってもビショビショになる程の沢登りではなく、気持ちよくマイナスイオンを浴びる程度だ。途中、ワンコも元気良く登っていた。ワンコを連れた登山は昨今賛否両論いろいろあるようだが、そんなに目くじら立てる必要もなかろうというのがボクの考え。何でもそうだが度が過ぎるのが行けないのであって、それはワンコも人間も同じことだ。
そんな気持ちの良い沢登りもあっというまに終了し、快適なトレッキングとなる。途中の小ピークにおいては、その直下はかなりの急登となる傾向があるようで、階段状に整備された道はあまり登りやすいとは言えない。自分の歩幅が確保できず、しかも土砂が流出してしまい骨組みだけ残った階段はむしろ危険だ。棒ノ折山頂直下の急登を上がると、広々とした山頂が待っていた。さてさて、本日のお楽しみの昼食の時間である。いつもはオニギリと味噌汁という定番から今回はオーガニックっぽいくるみパンを使ったオープンサンドにきのこのスープだ。カッテージチーズとカボチャのペースト、そしてオニオンサーモンを適当にパンの上に乗せて頂いた。うまい~!ちょっとお洒落なランチタイムとなった。
さぁ、先を急ぐことにしよう。というのもまだこの先、奥多摩側へ下りるまでが長い道のりなのだ。一気に棒ノ折を下ると次のピークが黒山である。途中ほとんど人とすれ違うことなく来たので、きっと静かな山頂かと思いきや、字のごとく黒山の人だかりであった。ちょうど昼時にも重なったこともあるだろう。そそくさと山頂の写真を撮って先へ進むことにした。1時間以上連続で上り下りを繰り返しているとさすがに足への負担は大きい。一気に次の中継点、岩茸石山まで行きたいところだったが、その手前の小ピークで休憩した。かなた頭上から子供たちの「ヤッホー」という歓声が聞こえる。え、あれが岩茸石山か?まだあんな先、しかもずいぶんと高いじゃないかぁ~。一気に気持ちがなえる。
そんな小ピークから一旦下山し(ものすごくもったいなく感じる)、再び目の前に岩茸石山の壁が立ちはだかると、こりゃも登るしかありません。諦め気分でえっちらおっちらとよじ登る。やがて山頂に立ち、この時ばかりは報われたなぁ~としみじみ感じた。さ、次のお楽しみのコーヒータイムだ。さっそくお湯を沸かしていつものコーヒーをドリップして、おやつの酒饅頭で至極の一時。近くには初老のご夫婦がアマチュア無線のCQコンテストの真っ最中であった。おそらく自作と思われる4エレのループアンテナを東側に向けていた。コーヒーを飲みながら、旦那さんの非常に流暢な無線会話に関心しつつ、隣の奥さんは何もすることがなく暇だろうな、と妙な心配なんぞしてしまった。この岩茸石山は、奥多摩の高水三山のひとつで、これで3回目の登頂となった。これまでは晩秋や初冬ばかりだったが、春爛漫のこの時期、新緑の淡い緑が本当に綺麗だった。三山の三つ目、惣岳山に差し掛かった際、山頂を避ける巻き道があったので、足腰バテ気味のボクら軟弱夫婦は躊躇なく巻き道を選択・・・。その後は見慣れたコースを無事御嶽駅まで下っていったのであった。
快晴の1日、休憩含めて7時間弱のロングコースはとても楽しい山行となった。帰りに立ち寄った拝島駅近くの居酒屋は、リュックを背負った登山帰りのお客が多数見受けられ、すぐに満杯になる程だった。キリっと冷えた生ビール、すっごく美味かったなぁ~。これだからやめられませんヨ、登山はネ!