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しまなみ海道と古都奈良の旅 (いにしえの奈良編 その2)

2010年10月24日 | 旅行記

いにしえの奈良編 その1から続く

【第6日目】2010年10月21日(木)雨のちくもり

 あぁ、やっぱり。朝から小雨が降っている。天然温泉の朝風呂を浴びて外を眺めてため息が出た。先週までの天気予報では雨マークはなかったんだけど。それにしても奄美大島の大雨のニュースには度肝を抜かれた。被害にあった方々にはお見舞い申し上げます。

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 ということで、この日の自転車は諦めて、大和郡山市内にある遷都1300年祭の駐車場に向った。ここに車を止めて、会場まではシャトルバスに乗って行く。平日だから駐車場もシャトルバスもガラガラだ。こりゃ会場も空いているに違いない、と思ったら大きな間違えであった。遷都1300年祭はもはや説明する必要もないだろう。知らない人はリンクを張っておくので確認して下さいナ。会場のシンボルである朱雀門にはたくさんの人が写真撮影に励んでいた。

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 この日はたっぷりと遷都1300年祭を楽しみ、余力があれば奈良市内の見物をしようという計画。でもこの1300年祭のスケールもデカ過ぎた。結構広大な敷地に展示物があるので、次の目的地までが遠いし、会場内を近鉄線が通っていて、これが開かずの踏み切りになる時があるのだ。イライラするわぁ~。写真は遣唐使が中国(唐)まで渡った船を再現したもの。ほとんど資料が残っていないので、ほぼ想像で作ったらしい。こんな近海の漁船並みの船で大陸目指すのも勇気がいっただろうに。この船が飾ってある「平城歴史資料館」は入場料がかかるが、是非オススメする。中々の迫力ある映像が楽しめるぞ!

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 会場の中ほどにある交流広場では、あの「せんとくん」に会うことができる。かつて奈良のゆるキャラで物議をかもし出した「せんとくん」、今ではすっかり人気者だ。不気味だ、と因縁付けられて、新しいカワユイ系キャラの「まんとくん」を覚えておられるだろうか?会場内の売店でもチラっと見られるかどうか、だった。

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 この平城遷都1300年祭は言うまでもなく平城宮がここに遷都してから1300年目の節目を記念した祭典である。その再現している平城宮でも一番の大事な施設がこの第一次大極殿だ。大極殿とは朝廷の正殿であり、中央には天皇が鎮座し、様々な国家儀式が行われた場所である。この大極殿を再現するに当たり、ほとんど資料が残っていなかったこともあり、10年の歳月を経て今年完成したそうだ。第一次と言っているのは、聖武天皇が一時、都を恭仁京へ移したことがあり、それまでの大極殿を第一次と言っている。その後再び奈良へ遷都するのだが、その時建設された大極殿を第二次と呼ぶとのこと。従ってここで再現されているのは最初の大極殿だ。

オススメ情報:平城遷都1300年祭に訪れる際、もしiPod等の携帯音楽プレイヤーをお持ちならば、事前に音声ガイドをダウンロードしておくことをオススメします。コチラからダウンロードできます。予習しておき、実際に現場で再生することで更に理解を深められること間違いなし!

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 天気はどうにか雨は上がった感じ。遷都1300年祭の会場を離れて奈良市街へと言ってみた。JR奈良駅行きのシャトルバスがタイミング良く出発するので便乗。ブラブラと歩いて元興寺、興福寺と歩いてみた。お寺巡りは拝観料が結構バカにならないのですよ。だから外からチラっと拝見する程度に。写真は興福寺の五重塔。

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 興福寺の近辺には鹿が普通に歩いている。よく慣れたモノでのっしのっしと近付いてきて、こちらが鹿せんべいを持ってないとわかると、プイっと行ってしまった。

 この後再び遷都1300年祭の会場までバスで戻り、大和郡山駐車場行きのシャトルバスに乗ったのであった。昨日まで自転車を使っていたので、歩いたりバスを使ったりの移動がちょっと息苦しく感じた。自転車の機動性ってスゴイ!と改めて感じたのであった。

 さ、ホテルに戻って温泉だ。この日の夕食は、ホテルのすぐ隣にあるカフェレストランCaffe gitaでイタリアン料理を頂いた。奈良の最後の夜は赤ワインで。大変美味しく頂きました。

【第7日目】2010年10月22日(金)くもり時々晴れ

 さぁ、しまなみ海道から始まった長旅も今日で最後。お世話になったホテルを後にして帰路に着く。ただし今日は金曜日。このまま高速に乗って帰ってしまうと高速代が高いのだ。中央自動車道八王子ICを深夜0時を少しでも回ってさえいれば翌日の土曜日となる為、土日割引の1000円が適用される。となると逆算すると1000円が適用される入口のインター、滋賀県の名神自動車道大津ICを午後7時頃入れば良いことになる。それまではブラブラと観光して帰ることにした。

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 まずは斑鳩方面に向かい、法隆寺を目指す。早朝にも関わらずたくさんの修学旅行生がいる。引率する先生も大変だ。ここの目的は日本最古の木造建築物とかではなく、これだ…

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 正岡子規の俳句、「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」の句碑が見たかった。そして遠くに「ゴーン」という鐘の音が聞こえれば最高だな、と思っていたらちゃんと聞こえたのには感動した。

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 そして次に向ったのが薬師寺。こちらはきちんと拝観料をお納めして中へ入ることにした。薬師如来像とその左右にいる日光菩薩、月光菩薩にお参りしてきちんと体調が戻ることを祈願する。運良くお坊さんの説話を拝聴することが出来た。それによると、薬師如来はいわゆるお医者さんの仏様、左右の日光、月光菩薩は看護師の仏様、もっと言えば日光菩薩は日勤の看護師さん、月光菩薩は夜勤の看護師さんで24時間体勢で見守ってますよ、という意味だそうだ。この薬師寺は奈良時代の薬師寺を再現しようと目下頑張っているらしい。その為には資金が必要だ。そこで参拝に来られた方々に写経を勧めている。2000円のお布施が必要だが、書いた写経はこのお寺で保管され永代供養されるとのこと。ちょっと興味があったので写経セットをゲットしてみた。後日持参するか、郵送で構わないそうだ。これから少しずつ写経をしてみようと思う。

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 薬師寺には2つの塔が立っている。こちらは東塔と言って最古の塔だ。屋根が6枚見えるが、実は三重塔である。扉の数を数えてみると3つあることがわかる。この東塔、1300年間風雨に耐え、そろそろ限界だそうだ。今年で一旦役目を終えて、10年間の改修工事に入るそうだ。立て替えるにも昔の工法を忠実に再現するので、10年もの歳月がかかるのだろう。特別に内部を公開しており、見ることができてホントにラッキーだった。

 6泊7日の旅も終えていよいよ帰路に着く。滋賀に入るまでは下道をのんびりとドライブ。そこそこ渋滞もあったが急ぐ必要もないので調度良い。知らない街をドライブするのも楽しみのひとつである。ガソリンを給油して、琵琶湖のほとりで一休みしてから名神自動車道に乗った。帰りがてら夫婦で「あそこの景色は良かった」「あれ食べるの忘れた」などの会話で、あぁ、終わってしまったんだな、と感慨深くなる。中央道諏訪SAで夕食を取り、途中眠くなったのでちょこっと休憩しながら、翌日の0時20分過ぎに八王子ICを通過。無事1000円であった。

 今年の一大イベントが無事終了して事故も怪我もなくホッとしている。実は奈良のホテルの温泉で左足の小指を露天風呂の岩にぶつけて今もちょっと痛いんですけどネ。自転車も車も良く走ってくれた。またいつもの生活に戻るけど、楽しい思い出ができ、いろんな人に感謝の旅でした。有難うございました。完


しまなみ海道と古都奈良の旅 (いにしえの奈良編 その1)

2010年10月24日 | 旅行記

 さて、前回前々回としまなみ海道のサイクリングをご紹介してきたが、これからは奈良を巡った旅行記となる。簡単におさらいしておくと、10月16日の土曜日の夕方に東京を旅立ったボクら夫婦は翌日17日日曜日に愛媛の今治に辿り着く。18、19日の月、火曜で今治から尾道を自転車で往復した後、20日水曜日にフェリーで大阪入りしたのであった。

【第5日目】2010年10月20日(水)くもり

 大阪南港に上陸を果たしたボクらは、一路奈良県の飛鳥を目指す。ちょっと天気が心配だ。どんよりとした曇り空。大阪の街が灰色に見える。最近、日本史にハマってしまっていろいろ本を読んでいるのだが、ボクの一番興味のある時代は何と言っても飛鳥時代。縄文時代、弥生時代を経て、大陸の文化をうまく日本風に取り入れていく。決して大陸に屈せずにオリジナリティな文化を育てていった我が祖先。大和朝廷が次第に勢力を伸ばしていくところがもの凄く興味がある。

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 そうこう思っている内に飛鳥駅前に到着。少し小雨まじりだ。今日は自転車乗れるだろうか?と思いつつも駅前駐車場に車を置いて、自転車のスタンバイだ。降られてもいい準備だけはしておこう。

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 まずは近いところから高松塚古墳。もう有名であらためて説明する必要もないが、ここで発見された壁画は昨今かなり劣化してしまい、直接見ることはできない。この古墳の近くに展示されている壁画はレプリカだ。それでも一見の価値は十分ある。推定1400年以上も前に描かれた壁画は繊細で本当に見事だ。余談だが、この古墳はいったい誰を埋葬していたのだろうか?という問題にはいろいろ諸説があるらしい。ところが歴代の天皇の古墳とされているところは、宮内庁が立ち入りを禁じており、自由に歴史調査が出来ないらしいのだ。高松塚については天皇説、巨下説等いろいろあるので調査対象になりやすいのだが、仁徳天皇稜みたいに天皇家とされているところは一切調査できない。本当はこういうところをすべて調査すると今まで解明できない部分が解き明かされていくんだと思うが。宮内庁は何かを恐れているんだろうな。天皇家のルーツが朝鮮半島からの渡来人であった、なんてのを恐れているんだろうか?事実ならそれでいいじゃないか、と思うんだけど。ちょっと脇道に逸れました…

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 明日香村を走っていると、こんな田園風景に心が和む。ところで「飛鳥」と「明日香」、どちらが正しいのだろうか?どうも調べてみると、明日香村の中に飛鳥という地名があるらしい。

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 ほとんど田んぼのあぜ道のようなところに点在する謎の巨石、鬼の雪隠、鬼の俎、亀石などをチラチラ見つつ、着いたところが聖徳太子ゆかりの橘寺。聖徳太子が生まれた場所だと言われており、ご本尊も聖徳太子である。調度修学旅行生と一緒になったので、ついでに先生の説明とか聞いてしまってちょっとラッキー。ふんふん、なるほど、見所はあそこね、みたいな感じ。

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 飛鳥と言えば石舞台と言うほど代名詞化しているが、これは舞台だったワケじゃない。その形状から舞台っぽいのでそういう名前になったのだろう。狐が女性に化けて舞っていたとかいう話もあるが、たぶんウソだろう…たぶんね。ここは蘇我馬子の墓という説が有力らしい。そして当時からこの石が露出していたワケじゃなくて、他の古墳同様に盛り土があったらしく、長い年月で風化されて露出したとのことだ。当然中身のお宝は盗賊にすべて持って行かれたに違いない。

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 明日香村の路地をのんびりとポタリング。どうやら天気は持ちそうだ。

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 ここは日本最古の大仏がある飛鳥寺。曽我氏の氏寺だそうだ。ご本尊の大仏様は、奈良東大寺や鎌倉の大仏様よりはかなり小ぶりであり、面長なお顔なのが特徴だ。6世紀から7世紀にかけて作られた大仏は、聖徳太子もご覧になった、という話。なんかロマンを感じるわぁ~。この面長な大仏様はナマ聖徳太子の顔を見たんだなぁ~、という目で見ることをオススメする。

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 この近辺はまだ発掘調査が粛々と続けられている。近い将来、すごい大発見があることを期待せずにはいられない。

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 この日の締め括りは橿原神宮だ。いやぁ~、スケールがすげ~、でっけ~というのが素直な印象。平日だったせいもあって人が少ないからかもしれないけど、明治神宮の比じゃないぞ、ってな感じだ。ここは神武天皇を祀っているとのこと。七五三の写真を撮っている親子がいたけど、こういう威厳のある神社でお参りするといいだろうなぁ~と思ってしまった。

 飛鳥駅前の駐車場に戻り自転車を車に収納した。なんとか雨には降られずにすんだ。感謝感謝。奈良では2泊する予定で、ホテルは大和郡山のスーパーホテルにお世話になった。天然温泉があり、疲れた身体には大変ありがたい。ただし駅から遠く、近くに飲食店が少ないのがちょっとネックかも。そんなこともあって、この日はホテルの近所にある惣菜屋でおかずを数点買ってきて、部屋での簡単なディナーだ。割と美味しくて全然オッケーだった。続く…


しまなみ海道と古都奈良の旅 (しまなみ編 その2)

2010年10月24日 | 自転車

しまなみ編 その1から続く

【第4日目】2010年10月19日(火)晴れ

 尾道の朝は船の音で目が覚める。ホテルが桟橋のすぐ上にあるからだ。通勤通学の老若男女が船から溢れ出てくる。朝食を済ませてボクらも出航だ。再び四国側、愛媛県の今治を目指すのだが、今日は途中の生口島までは船を使う。1/3程楽させてもらう予定。

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 尾道から生口島の瀬戸田港へ向う船は早くてパワフルだった。ちなみに料金は大人1人800円、自転車1台150円也。

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 昨日は尾道まで走り切ることに専念していたので、今日は島の魅力をたっぷりと味わおうという魂胆だ。それにしても橋ってこんなに美しいのか!と驚くばかり。

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 瀬戸田からひとつ渡った大三島では、非常に厳粛なる神社に巡り会うことができた。大山祇神社だ。こんな言い方も失礼かもしれないが、瀬戸内海の小島にこれほどの神社があるっていうのに驚いてしまった。歴史もかなり古く、平安時代には朝廷から「日本総鎮守」の号を下賜されている、とのことだった。

 さて、ちょうどお腹が空く時間でもある。なんせ今日はたっぷりと島を味わうのだから。楽しみにしていた海鮮丼…だが、

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 大三島の「大漁」は定休日だった…。新鮮でボリュームのあるメニューだと評判だっただけにチョー残念。宛ても無くブラブラと港の方へ行ってみると…

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 見つけた…。ファミリーレストラン「よし川」。ファミレス?ちょっと怪しい雰囲気があるけど、思い切って入ってみた。

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 ところが期待を大きく裏切られる。ここで頼んだ海鮮丼、これでもか!ってくらいに刺身が乗っているではないか。更にこの刺身の下にもイカの刺身がビッシリ敷かれているのだ。下味もしっかりついているので醤油をつける必要もない。ここはお行儀なんか関係なく、かっ込むスタイルが正統派だろう。いやぁ~、美味かった。ご馳走様でした。

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 さて、先を急ぐわけだが、海辺を走っていてもいつも平坦とは限らない。途中、結構な峠があったりする。

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 必死に登り切ると今度はダウンヒルだ。これが気持ち良い。ましてや先に海が見えたりすると最高だ。ただしあまり路面の状態は良くないので、調子に乗ってスピードを出すと大怪我することになりそうだ。どんなに気持ちよくてもホドホドにネ。

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 再びスタート地点の今治に着いたのは、夕方の4時を過ぎていた。1/3を船に乗ったのにも関わらず、昨日の疲れもあってヘトヘトでの到着だ。車に自転車を積み込んで、今夜のフェリーで大阪に発つのである。なんか旅してる、って感じがする。途中にある温泉施設で汗を流して、少し早いけどフェリーターミナルへ向った。ターミナルにある昭和の雰囲気バリバリの食堂で食事を済ませて出航を待った。

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 今回お世話になったフェリーは、四国オレンジフェリー。最新鋭のORANGE8という船だ。思わずタイタニックか!と思う程豪華な船だった。修学旅行生と一緒だった為か平日にも関わらず満員状態。8名の2等寝台室も満席だった。この写真、船の中ですよ。

【第5日目】2010年10月20日(水)くもり

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 フェリーは快適だったものの、慣れないエンジン音で寝不足気味の朝を迎えた。昨晩、愛媛の今治(東予港)を10時30分に出航した我らがフェリーORAGE8は、翌朝6時ジャストに大阪の南港へ到着した。

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 このフェリーのいい所は、事前にお願いしておくと、朝8時まで船内に留まることができるのだ。港に着いてから、船内のレストランでゆっくりと朝食を取って8時までに下船すれば良い。朝食もバイキング形式だがおかずの種類も豊富で素晴らしい。朝からたっぷりと食事をしてしまった。

 さて、この日から旅は後半へと向かうのだが前半の「しまなみ編」は一旦ここで終了となります。続く…

(この日の走行距離 66キロ)


しまなみ海道と古都奈良の旅 (しまなみ編 その1)

2010年10月23日 | 自転車

 2010年10月16日、ついにあこがれの旅に出ることが出来た。永年勤続のご褒美で5日間のお休みがもらえたのをきっかけとして、あのしまなみ海道を自転車で渡るという夢のようなサイクリングの旅である。そして、後半は、ボクの大好きな飛鳥時代のメイン会場、奈良は「いにしえの旅」もすることが出来た。ここにご報告させて頂きます。

【第1日目】2010年10月16日(土)晴れ

 午後仕事を終えたカミさんを車でピックアップして、中央自動車道八王子ICを目指す。最初の目的地は愛媛県の今治だが、今日は何処まで行けるだろうか。渋滞もなく、中央道は小牧JCを経て名神高速になる。高速代1000円ギリギリの場所は滋賀県の大津ICなので、ひとまずその辺りのホテルを予約して、この日はゆっくりと休むことにした。

【第2日目】2010年10月17日(日)晴れ

 快晴の予感な朝だった。朝食後再び高速道路に乗って広島県の尾道を目指した。

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 この旅の目的は、前半は「しまなみ海道」を自転車で渡る、というモノだ。「しまなみ海道」とは、広島県の尾道と、愛媛県の今治間を、瀬戸内海に浮かぶ島々を伝っている高速自動車道で、正式には西瀬戸自動車道と言う。各島々を結ぶ橋には、自動車の他に自転車や徒歩でも渡れるようになっているのだ。従って自転車は、橋を渡るときのみ「しまなみ海道」を利用する、というのが正確な言い方かもしれない。(Googleマップより)

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 やがてお昼過ぎに尾道へ到着。この日から数日間は本当に良い天気であった。お腹も空いたことだし、何処かでお昼でも…、尾道と言えば、アレですよね?

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 そう、尾道ラーメン。ラーメンの定義はいろいろあると思うけど、尾道ラーメンは、ご覧のような醤油ベースのスープに背油、細めんではないだろうか。立ち寄ったのは、尾道ICから程近い「味平」だ。さっぱりとしていて、あっという間に完食。もう一杯食べられそう…。食後は腹ごなしに尾道散策したのだが、何しろ坂道だらけ。歩くだけでくたびれてしまった。早く四国に渡らないと。

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 「しまなみ海道」をまずは車でサクっと渡り切ったら今治だ。今回お世話になったのは、「サンライズ糸山」という宿泊施設。ここはサイクリングターミナルとして利用できる。レンタル自転車も豊富だ。早い段階でツインの部屋を予約していたら、なんと広々したお部屋だった。扉からトイレ、風呂に至るまで介護施設と同じなのだ。いや、入院病棟のVIPルーム並かもしれない。そしてご覧のように部屋まで自転車を運ぶことができるのだ。部屋の中でメンテナンスが出来て、これは大変有難かった。

【第3日目】2010年10月18日(月)晴れ

 いよいよ自転車で「しまなみ海道」を制覇する日がやってきた。四国側から「大島」、「伯方島」、「大三島」、「生口島」、「因島」、「向島」そして本州の尾道へと続く。橋は同様に四国側から「来島海峡大橋」、「伯方・大島大橋」、「大三島橋」、「多々良大橋」、「生口橋」、「因島大橋」を渡ることになる。向島から本州の尾道までは、「新尾道大橋」というのがあるのだが、ここは交通量があって危険らしく、通常は渡船を利用するとのこと。

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 さぁ。出発だ。橋というのは普通はあまり低くは作らない。特に船が通ることを考えると高く作るのが普通だ。ということは橋に上がるまでの高低差は結構きつい。最初の来島海峡大橋は一番立派な橋でもあるので、かなり長いアプローチを使って登って行く。辿り着くとご覧のような標識が目に入る。「尾道まで69キロ」。いやでも気合が入るではないか!

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 そしてこの風景だ。どうよ?素人目に見ても潮目が読める。瀬戸内海は潮の流れが複雑で、いたるところで渦が出来ている。

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 コース上にはこのように自転車を置ける休憩所が点在している。非常に有難い。

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 「大島」は途中2箇所程の峠越えがあって結構しんどい。でも登り切るとご褒美のような下り坂が待っている。これが気持ち良い。各橋のコースも車道とキッチリ分かれているので、怖いことはない。

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 お昼は、生口島の瀬戸田という町で取ることにした。「かねよし」というお店は、穴子が美味しいという情報をカミさんがゲット。さっそく訪れてみることにした。ふわふわの穴子も美味しいのだが、タレがしみたご飯も最高。ちょっと疲れた身体に活力がよみがえる。

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 いくつもの橋を上り下りし、いくつもの島を縦断しているとさすがにヘトヘトだ。因島から向島まで渡る「因島大橋」が最後になるのだが、この橋は車道の下に歩道と自転車道があるので、景色は期待できない。ただし高所恐怖症の人には安心して渡れる橋だ。

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 向島を縦断すると、いよいよ本州は目の前だ。ここからは船に乗る。1人100円、自転車1台10円、合計110円。リーズナブルだ。

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 広島の尾道に無事到着。ホテルは桟橋の目の前にあるグリーンヒルホテルだ。ここも事情を話せば、自転車のタイヤを綺麗に拭きさえすれば部屋まで運んで保管しても良いとのこと。サイクリストを大事にしている街で感激だ。さて、シャワーを浴びてさっぱりしたら、この日の反省会をせねばならない。ホテルからすぐのお好み焼き「すみチャン」へ行くことにした。広島のお好み焼きは有名だが、実は尾道オリジナルのお好み焼きがあると聞いて、それを楽しみにしていたのだ。作り方はほぼ広島と同じ。具が多少違うとのこと。最近確定した定義は、(1)砂肝入り (2)イカ天入り (3)麺は焼かない だそうだ。広島のは、モヤシが入り、麺はヤキソバみたいに軽く焼いてから乗せるのだが、尾道のはゆで立てをそのまま乗せる。なので食感がモッチリした感じになる。ここの大将、中々おしゃべり上手、商売上手でついつい口車に乗ってしまい、比較する為に広島焼までも注文してしまった。どっちも美味しいので甲乙は付けられないけどね。

 そんなこんなで「しまなみ海道往路」はほろ酔い、満腹気分で終わって行くのであった。続く…

(この日の走行距離 77キロ 約7時間半)