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シャクナゲ、ラストチャンスな天城山 日本百名山(7/100)

2009年05月24日 | 登山・ウォーキング

P1000660  先週は、週末の天気を気にしながら毎日を過ごしていた。天気が良ければ、天城山のアマギシャクナゲを見に行こうと計画をしていたのであった。ところがしばらく土日とも天気が悪いという予報が続いていたので、半ば諦め気分でいたのだが、金曜日に突如、土曜日は晴れるかもしれないと予報が変ったのだ。それじゃ行こうかと、そそくさと準備を整えて、静岡県は伊豆の天城高原を目指したのであった。早朝4時に起床して5時前には自宅を出発、東名高速の厚木インターを目指す。早朝にも関わらず交通量が多いのに驚く。9時前には天城高原ゴルフ場前の駐車場へ到着した。早朝だったつもりだが、既に駐車場はほぼ満杯。かろうじて数箇所空きがあったのでラッキーだったが、この後に来た人達は、駐車場内の隙間やら路上駐車を余儀なく強いられていたのがかわいそうであった。身支度を済ませて、登山道へ向かう。標高で1400m程度のお手軽の山が何故、深田久弥が百名山認定したのか興味があるところだ。伊豆の踊り子の舞台でもあり、越すにこされぬ天城越え、どんな山行になるのだろうか。

P1000617  本来ならば、天城越えをしてみたいところだが、そうすると総延長17キロ程度のロングなトレッキングとなる。駐車場へと戻ってくることを考えると、万二郎岳、万三郎岳を回って一周するコースになってしまう。時間にして3~4時間程度だ。いつかは縦走しようと思いながら、まずは最初のピーク、万二郎岳を目指す。シャクナゲは最初は中々お目にかかれない。その代わり目に付くのがヒメシャラの木だ。肌色で妙にセクシーな樹木なのだ。このヒメシャラの木がいたるところにニョキニョキと生えている。一部では林と化していてとても妙だ。思わずカメラのシャッターをバシャバシャと切ってしまった。標高で言うと1200m付近をしばらくダラダラと歩いて行くが、山頂直下からぐっと角度が上がった。

P1000632  万二郎岳の山頂は割りと広々としていたが、シャクナゲの時期のせいか多数の登山者で賑わっていた。休憩するスペースも少なくここは素通りすることとした。眺望は望めず、新緑まぶしい林間の中を先に進む。下り際にチラリと見えたのがニッポンの象徴、富士山であった。天気は晴れてはいるものの、ガスが多くてイマイチすっきりとしないが、ここから見えた富士山は雲に浮かぶなんとも素晴らしい富士山であった。一気に高度を下げて、しばらくは平坦なコースを辿る。万三郎岳が近付くに従って、ポツポツとアマギシャクナゲが姿を見せてきた。淡いピンク色、もしくは白に近い色の花だ。時期としてはギリギリだったかもしれない。散りかけた樹木もたくさん見受けられた。もう来週はどうかな、といった感じだ。やがて急登となったが、ここにもシャクナゲが咲き乱れており、写真を撮る人、眺めている人で渋滞気味だ。どうにかすり抜けて山頂に到着したのだが、山頂も人、人、人。こりゃゆっくりすることも出来ないかな、と思っていたが、どうにかスペースを見つけて楽しいお昼の時間となったのである。

P1000669  本日のお昼は、昨晩スーパーで売れ残っていたソフトバケットのオープンサンドイッチだ。レタスとハム、ツナを好きなだけ挟んで食べるのだ。カボチャのポタージュに、一口大のトマトと山頂とは思えない充実振り。最高に幸せな瞬間ではあったのだが、虫がもの凄く多くて、結果的にはあまりゆっくりと食事している場合ではなかった。食後にコーヒーを入れて、柏餅を楽しむ予定だったが、虫の多さにさっさと終わらせて撤収を強いられた。これからの時期は虫が多くなるのが難点である。

P1000636  万三郎岳からはほんの少し眺望が望めるが、まだ雲が多く、ガスっているので遠くまで見渡すことができなかった。それでも雲海チックな眺望はちょっと刺激的だ。ここからはシャクナゲコースをゴルフ場まで目指すことになる。シャクナゲもチラチラと点在し、楽しませてくれる。駐車場までのコースは下りだけかと思いきや、アップダウンが多くて飽きさせないコースだ。途中、二十数名のパーティーを追い越したのだが、道幅も狭くて、気を許すと滑落しそうなところも多数あった。侮れないぞ、天城山。途中、ヒメシャラの群生地もあってホント楽しめる。13時半には万二郎岳登山口まで戻ることができ、ここから駐車場へはもうすぐである。車に戻って、本日のお宿は沼津市内のビジネスホテルを目指す。せっかく伊豆まで来たのだから温泉でも、と思ってもみたが、沼津で上がった新鮮な魚を自由に食べてみたい、と思って、あえての選択であった。

P1000703  沼津市外へ戻る途中のベゴニア園にて天城山の登山記念バッチをゲット。ホテルへ到着したら、早速熱いシャワーを浴びる。程よい空腹感で時間を確認すると17時、まさにグッとタイミング。予め調べておいた地元の海鮮居酒屋を目指した。新鮮な刺身と煮付けに地酒、至極の時間だ。開店してすぐに入ったので、しばらくはボクらだけしかお客はいなかったが、あっという間に満席となった。いやぁ~、ホント美味しかった。また機会があったら訪れてみたい居酒屋だ。

P1000709  翌日の日曜日は特に予定も組んでなかったので、帰り際に御殿場のアウトレットに寄ることにした。冷やかし気分でブラブラとウィンドショッピングを楽しんでいたのだが、ついに見つけてしまった欲しかったモノ。ティンバーランドの靴が半額以下。こりゃ買うっきゃないでしょう、と意思即決。思わぬ良い買物が出来たことに超満足。百名山を登ったことも忘れて、ウキウキしながら帰路についたのであった。

 いつかは縦走してみたい、「あなたと越えてみたい天城越え♪」、その時は温泉でゆっくりとしてみようと思っている。


新緑まぶしい両神山 日本百名山(6/100)

2009年05月10日 | 登山・ウォーキング

P1000562  快晴の日曜日の朝、程よい疲れが心地よい。昨日は埼玉県の奥秩父の名山、両神山へ登頂してきたので、ご紹介したいと思う。

 朝4時に起床し、車で両神山荘を目指した。7時前には到着したのだが、両神山荘近くの駐車場は無料の駐車場は既に第2駐車場まで満車だった。かろうじて1箇所空いていたので止めることができた。そそくさと準備を整え、日向大谷登山口から歩き始める。ちなみに第3駐車場まであるが、かなり下った地点になる。

P1000567  両神という名前はいろいろと諸説ある。イザナギとイザナミの両方の神から取った等、古くから信仰の深い山であったことを窺わせる。実際に登山道には沢山の石仏等があり、この山奥にどうやって運んできたのだろうか、とか興味は尽きない。余談ではあるが、この近くの三峯神社もヤマトタケルノミコトを祀っており、どうして埼玉の山奥で神話に出てくる神々を祀っているのかもとても興味深いことである。近いうちに調べてみたいという意欲が湧いてくる。

P1000570  登山道は比較的整備されていて歩きやすいが、ところどころガレたところもあるので注意が必要だ。また沢沿いを歩くため、何度か沢を横切るが、前日までの雨のせいか水量が多く、渡る場所にも難儀した。気温もお日様が高くなるにつれて上がってきて、Tシャツ1枚で充分なくらいだ。もう初夏の陽気であり、この沢からの水飛沫が本当に心地よい。途中、会所という分岐点まではアップダウンの繰り返して、標高で言うと800m付近をウロウロしている。やがて登山道は角度を増して行き、900m、1000mと上がって行く頃には額から汗が噴出していた。新緑がまぶしい中、本当に気持ちの良いトレッキングだ。駐車場の車の数からしても多数の登山者が登っているだろうに、あまりお目にかかることもなく、静かな山行を楽しむことができた。やがて八海山という場所に出る。お酒好きな方には馴染みの名前だと思うが、きっと関係はないと思われる。ここにも立派な仏像が奉られてあった。

P1000575 スタートしてから八海山までは1時間半程度、更に高度を上げて40分程度歩くと、頭上に立派な山小屋が見えてくる。清滝小屋だ。ひとまず小屋まで上がって休憩したいところだ。清滝小屋は今では無人となり非難小屋として使うことができる。まだ新しい感じがするので、ちょっともったいない気がする。そしてここで大勢の方々が休憩していた。ベンチに腰を下ろしてチョコレートバーをかじった。疲れた身体にはこの甘さがたまらない。小屋のトイレも使うことができるし、裏には水場もあるので中継地点としては重宝するだろう。

P1000581   小屋の裏側から山頂を目指すために再び登り始める。ここからは急登の連続だ。角度の付いた山肌をジグザグと登っていく。歩き始めはあまり人がいなくて静かな山だな、と思っていたが、ここからは登山の人、下山の人がかなり入り混じって賑やかとなった。路肩の弱い場所もあるので、注意しながら足を進める。そして両神名物の鎖場のお出ましだ。連続する鎖場ではあるが、3点支持を意識して登ればそれほど困難な場所ではない。ただし息が上がるはどうすることもできないが。この鎖場を乗り切ると、一気に標高を稼ぐことができるので、周りの山並みも少しずつ確認できるようになる。また、今回楽しみにしていた「アカヤシオ」というツツジ科の花もチラホラと見れるようになってきた。両神では標高の高いところに咲くようで、下では見ることはなかったと思う。

P1000588_2  1時間程かけて両神神社に到着した。山の中の神社としては立派なお社である。二箇所のお社があるので、どっちが本殿なのだろうかと迷ったが、とりあえず両方に登山の安全祈願のお参りをした。ここにはベンチとテーブルが2セット程あって、食事をするには都合が良さそうだ。もう腹ペコでお腹がぐーぐー鳴ってはいるが山頂を見るまでは我慢だ!と軽く休憩をして先を急ぐことにした。

P1000598  ここから山頂まではコースタイムだと30分程度なのだが、徐々に人が多くなり、ペースが落ちてくる。すれ違いで待つ機会が多くなるからだ。それでも11時前には山頂へ到着することができた。小さな社がありさすがに信仰の深い山である。眺望は360度見渡せ、絶景であるが、残念なことに少し霞んでしまっている。それでも南アルプスの雪山や八ヶ岳までかすかに見ることができた。それにしても狭い山頂は押すな押すなの大騒ぎで、見ると次から次へと登山者が登ってくるではないか。ゆっくりと食事もできそうもないので、少し下ったスペースの取れる場所へ移動して、本日のランチタイムを満喫したのであった。

P1000602  写真は山頂から少し下ったところから見た秩父市街方面である。右よりにやや尖った姿を見せるのが奥武蔵の最高峰、武甲山である。その左手には秩父市街地が広がっている。雲ひとつない気持ちの良い眺望だ。

P1000605 下山は来た道を降りていくのだが、最大の注意点はやはり鎖場である。岩が濡れていると多少すべるものの、登りと同様に3点支持を意識して降りれば大丈夫だ。午後に入っても登ってこられる方々がたくさんいて、中々コースタイム通りに歩くことができないが、特に急ぐ必要もないのでのんびり下っていった。午前中はまだお日様が高くなかったせいか、新緑の黄緑色にあまり感動はしなかったが、午後は更にその色が増してきているようであった。本当に綺麗だ。沢も無事に渡りきって、スタート地点の日向大谷口まで戻ってくることができた。

P1000610  ここには両神山荘があって、無料の休憩スペースが提供されている。もし車の運転がなければ冷たいビールでもグビっといきたいところであったが、後でのお楽しみとして、山岳バッチを購入した。そして看板犬のポチ君が出迎えてくれる...と思ったが、この日はお疲れのようであった。

  都内から比較的近い百名山の両神山は、古くからの信仰を今も伝えている神秘的な山であった。今回の登山口へはバス便もあるようなので、登山口の山荘宿泊と組み合わせれば、もしくは清滝小屋での宿泊(自炊になるが)を組み合わせれば、じっくりと楽しめるのではないかと思われる。ちなみに今回ボクらの要した時間は、休憩含めて往復で8時間程度であった。帰宅してからの生ビールの美味かったことはもう言うまでもないが、本当に美味かったです、ハイ。


2009年5月3日茅ヶ岳での出来事

2009年05月04日 | 日記・エッセイ・コラム

P1000478  まずは次のNHK甲府放送局のニュースを読んで欲しい。

----ここから引用----

登山途中で男性死亡
甲斐市と北杜市などにまたがる茅ヶ岳に登山に出かけた50歳の男性が登山途中に倒れ、まもなく死亡しました。
警察は男性に高血圧などの持病があることから登山途中に病気で倒れたものと見て調べています。

3日の午後1時前、「茅ヶ岳の登山道に男性が倒れている」と別の登山者から消防に通報がありました。

男性は標高およそ1700メートルの茅ヶ岳の山頂まで200メートルほどの場所で倒れていたということです。

消防によりますと、発見当時、男性は意識がもうろうとした状態で、別の登山者が心臓マッサージなどを施したほか、駆けつけたヘリコプターが男性を救助をして、甲府市の病院に運びました。

しかし、発見から、およそ1時間後に病院で死亡が確認されました。

死亡したのは、宇都宮市に住む50歳の会社員の男性です。

警察の調べによりますと、男性は20歳の長男と2人で、登山に出かけましたが、倒れた時は別々に行動していたということです。

男性には高血圧などの持病があったということで、警察は、登山途中に病気で倒れたものと見て調べています。

情報ソース:NHK甲府放送局 2009年5月4日の記事より

----ここまで引用----

 ボクらは毎年ゴールデンウィークに山梨の茅ヶ岳へ登っている。今年も連続4回目の登頂を行った際の下山途中の出来事だった。ボクらは一人の男性が倒れているのを見付けてしまったのである。当時の状況から上記NHKのニュースの男性とほぼ間違いないだろう。ボクはこのことをブログに書くまいと思っていた。興味本位とか野次馬根性のように思われると、ご親族やお知り合いの方々に失礼だと思ったし、この突然の出来事に対して自分でも整理できないからだ。でも、もしこの男性のご親族が最期の状況を知りたいと思った時、それを知っているのはボクらしかいない。もしネットで検索してこの記事か引っかかったら知ることができるのではないか、という思いと、これを決して他人事と思わず、これからの警鐘にすべくこととして自分のブログに書くことを決めたのである。もしこの記事で不愉快な思いをされた場合は、コメント欄にその旨お願いします。即刻削除致します。

 ボクら夫婦と登山仲間のT氏は茅ヶ岳の山頂で昼食を終え、360度の絶景を楽しんでいた。天気は下り坂であったが、まずまずの眺望で日差しも時折射していた。じゃぁそろそろ降りようか、と深田公園口へ目指して下山を開始し、行きにも通過した深田久弥の墓標へ挨拶をして更に先を急ぐ。途中白いシャツを着た青年とすれ違った。さすが若さからかガイドブック片手に軽快に登っていくな、という印象であった。「こんにちは」とお互いに声を掛けたが、後に再開するとはこの時夢にも思わなかった。

 尾根から外れると、水場のある女岩までは急坂となる。茅ヶ岳で一番慎重になるところだ。視界の先には岩に腰掛けて休んでいる人が見えたが、特に変なことでもないので自分の足元に集中していた。そしてその休憩している方の近くまで来た時、前のめりに倒れているのに気が付いた。もう直感的にヤバイんじゃないか、とあわてて駆け寄ったのだが、いびきを掻いているではないか。これは良くない兆候と判断し、すぐさまカミさんに警察か消防へ連絡するように伝えて、その男性の元へ急行した。カミさんの携帯電話はauだが、電波の調子が悪く切れてしまったので、T氏のdocomoで掛け直してもらい、消防への一報を行いつつ、男性に声をかけると「大丈夫です」と一瞬だが普通の状況のようになっていた。あれ、連絡を早まったかな、と思うくらい普通だったのだが、すぐにまた気を失っていびきを掻きかじめる。その後もT氏には消防との連絡を行ってもらい、場所の特定や患者の状況等を伝えてもらった。急斜面なものだから変な姿勢になると落ちてしまいそうになるので、少しでも楽な姿勢と思って「大丈夫ですか?」と声を掛けながらポジションをずらしていった。時々意識を戻して「大丈夫です」を繰り返すが、どうみても大丈夫ではない。「今消防に連絡しましたからね」と励ますも、二度と返事をしてくれなくなっていた。消防からの指示で、心臓マッサージと人工呼吸を施すように言われるも、ボクらには経験がなかったのだが、たまたま通りかかった女性が実施経験があるらしく、消防からの指示を仰ぎながらボクら周囲の人達に的確に指示を出す。胸に両手を当てて30回繰り返して、人口呼吸を行う。いつの間にか周りには10人位の人が集まって、励ましたり心臓マッサージを交代したりを繰り返した。こんな1分1秒が長く感じることはない。救助ヘリが向かっているようだが、遠くに聞こえるバイクの音をヘリの音に感じたり、と気持ちは焦る。そんな時に爆音をとどろかせてヘリが近付いて来た時の頼もしさは言い難いものがある。ボクはカミさんが着ていた黄色いフリースを持って、目立つように目一杯降り続けた。無意識に急斜面を上へ上へと登ってしまったらしく、降りるのが怖いようなところまで来てしまっていた。ヘリからはレスキュー隊員が木立の中をかいくぐってロープで下降してきた。ホバリングしているヘリの真下にいるので、もの凄い風とほこりでまともに見ることができない。会話もままならぬままただひたすら吹き飛ばされないよう姿勢を低くしていた。やがてヘリは一時場所を離れ、男性の救助が続く。心臓マッサージを続けながらも隊員へ状況を説明していると、先ほど山頂直下ですれ違った白いシャツの男性が血相を変えて降りてきた。知り合いか訪ねると「お父さん」と一言・・・。そうか、親子で登山に来ていたんだ。息子さんのショックは計り知れないものがある。隊員の指示で再度ヘリが降下してきた。またしても暴風になるので、適宜安全そうな場所へ避難する。まずは倒れた父さんにハーネスを通して、隊員と一緒にヘリへ搬入された。続いて息子さんもヘリへ搬入され、あっという間に飛び去って行った。

 下山しながらボクらは自分たちの無力さを語り合った。他にやりようがあったのではないか、もっと救護関係の講習会とか受けておけばよかったのではないかetc...。男性の無事を祈りつつも状態が決して良くないことは、恐らく誰しも感じ取っていたかもしれない。てきぱきとボクらに指示を出してくれたあの女性のようにもっと知識を付けておくべきだと痛感した。

 茅ヶ岳はご存知、日本百名山の著者、深田久弥氏が急絶したところでもある。調べてみると、去年の同じ日にも男性が亡くなっていた。ちょっと気楽に感じられる山なのだが、1700mの立派な山でもある。ボクらはどんな山に登ろうとも決して自然を甘くみてはいけないのだ。自分の体調もきちんと管理しないといけないのだ。今回の出来事は本当にいろいろと思うところがあった。この出来事は決して無駄にしてはいけない。息子さんももしかしたら自責の念に駆られておられるかもしれない。それを思うと本当に心が痛む。心よりご冥福をお祈り致します。

 茅ヶ岳は南アルプス、八ヶ岳、奥秩父、富士山など360度の眺望が楽しめる素晴らしい山である。だが正直今は茅ヶ岳へ登ろうとは思えない。だけど近いうちに気持ちの整理を付けて同じコースで登ってみようと思っている。もしこの場所がわかれば手を合わせてみたい。ヘリが去ったあと、その現場は何事もなかったように、いつもの茅ヶ岳の山肌へ戻っていた。ヘリのローターの風がすべての出来事を吹き飛ばしたかの如く…。下山途中も何組もの登山者とすれ違ったが、ほんの数分前にあった出来事は彼らには知る由もない。それが山なのであろう。