「坐禅修行」をする上で、三つの大切な事(三要件)を知らなければならないと、昔から言われています。
その第一番目は、「参師聞法(さんしもんぽう)」ということがあります。
「師に参じて、法を尋ねる」ということです。
自分は「東に向かって歩いている」と信じて、そのように歩いていると思っている人が居るとします。
ところが師に参じて、「自分は東に向かって歩いています」と話しても、師から「いやいやとんでもない、あなたは今、西に向かって歩いているんだよ」と言われたならば直ちに「自分は間違っていた」という事を「自覚」しないといけないのです。
しかし、師がそういう指摘をしても、なかなかそれが受け入れてもらえないものです。
どれだけ誤りを指摘しても自分の考えを以ってそのままに聞いているだけなのです。
ですから、「参師聞法」というのはどうしても必要な事です。
「法を求めて師に聞法する」という、そういう姿勢がないと「自分の考えで以って坐禅をしている」ということですから、それではいけないのです。