修行者が修行の苦しさを指導者に色々と相談すると、「この薬を飲めば治ります」といって、どんどん薬を勧められて薬を飲んだとします。
その結果、全ての薬の処方箋を暗記するくらい分かるようになり、思い出す度に「今はこうだ、ああだ」とすぐ薬を服用して、すっかり苦しさが無くなったとします。
そうすると今度は、薬害が残ってしまうのです。
薬害の中毒というのは、好き嫌いで修行を始めた人以上に、直りにくいのです。
自分の病気を全部、知(識)っていて、しかも自分できちんと薬を飲む事を知(識)っていますから、これは中中厄介なのです。
薬害の病気はそれ以上の薬をもって癒やしていかなければなりません。
どういう薬かというと、それは「菩提心」です。
「法(道)を求める心」をますます自分で燃え上がらせていかないと、薬害は容易なことでは中中治らないという事が昔からよくいわれています。