「菩提心」が無ければたとえ、悟っても皆「うそ」になります。
有名な白隠禅師は、二十四歳の時に痛快に悟ったのですが、「菩提心」が
なかったから魔の悟りになってしまいました。
実に四十二歳の時までそのことに気が付かなかったのです。
後に「我魔道に陥れり」と懺悔(さんげ)しておられます。
白隠禅師の印可證明(いんかしょうみょう)を受けた弟子の東嶺(とうれい)
和尚は白隠禅師四十二歳までを因行格(いんぎょうかく)と、四十二歳後の
滅八十四歳を果行格(かぎょうかく)と、はっきり記しておられます。