活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

放下 (ほうげ)

2015年10月03日 | 法理
世の中の経験が豊富な方は、豊富なだけに世渡りが上手になります。

そういう事を、思慮分別が正しく働いて間違いがない生活が出来ると思われるのですが、それは本当ではありません。

道を求める人は、それではいけません。


思慮分別を働かせて処世の術に長けているという人は、【道】からますます離れていくと思って頂きたい。

「理にかなうも悟りにあらず」というお言葉があるではないですか。

どんなにいい事でも、それに執着すると道を究めることが出来ないという事です。


ですから、何か少しでも分かったような事があっても、そういうものはどんどん「放下 (ほうげ)」、捨てていく事です。

放下することが出来ないという事が、【道】を究められない元になっているのです。

善くても、悪くてもどんどん捨てていく修行をしなければなりません。