TPP

　今、政府ではTPP問題が大詰めを迎え当店でも話題になった。

　客O「マスター。TPPて、どう思う？」
　私 「長渕剛の歌やろ、好きやで」
　客O「えっ？」
　私 「ティピーピー、ティピーピ～、ロクなもんじゃねえ♪て唄(ウト)うてるやん」
　客O「それ、ピーピーピーや。今、政府で問題になってるのんわTPPやん」
　私 「TPPか。日本は技術立国やから当初は7－3で賛成やったけど色々考えると難しいわ」
　客O「俺は農業には不利で打撃を受けて自給率が悪なるから反対や」
　私 「しやけど日本は原料や人件費が高い上に超円高やろ。それで関税をかけられたら韓国とか中国製品に負けるで。そないなると営業不振や倒産の会社が続出して失業者も増えるで」
　客O「そない言われると、真っ向から反対も出けへんなあ」
　私 「そうやろ、簡単にはどっちとも言われへんやろ」
　客O「我々はあれこれ言うて結論出さんかてエエけど、野田首相は近々に結論出さんとなあ」
　私 「関税の問題だけにモタモタしてたらアカンゼイ」

　一句：官民で　賛否両論　TPP
　謎かけ：TPPとかけて、油脂性食品をしばらく放置すると解く。どちらも(参加・酸化)するかも知れません

油絵

　今日のお客さんは絵を描くのが上手だと、しょっちゅう自慢する。

　お客「俺、絵を描くのんが得意やねん」
　私　「ほんだら、絵のコンクールにでも入賞したんかいな？」
　お客「絵っちゅうもんは見る人の感性や。審査員の感性が悪かってん」
　私　「なんや、一回も入賞してないんかいな？」
　お客「いっぺん俺の絵を見てみ。絶対、気にいるで」
　私　「ホンマかいな、信用できんわ」
　お客「ほんだら今度、油絵を描いてきたるわ」
　私　「有難う!トイレに貼るわ」
　お客「どういう意味や！」

　一句：感性で　評価が違う　抽象画
　謎かけ：油絵とかけて、年賀状と解く。どちらも(画商・賀正)も関係します

心配ごと

　先日、酔っぱらってカウンターで2時間程寝たお客さんが来た。

　私　「この間、かなり飲んでたけど、帰りの自転車は大丈夫やったか？」
　お客「大丈夫やったで、なんで？」
　私　「飲み過ぎてたから、心配しててん」
　お客「ウソばっかり」
　私　「分かる？ホンマは事故でもして、お客さん減ったら困るからや」
　お客「なんや、俺の身体の心配と違(チゴ)て、店の心配かいな」

　一句：この社会　心配ごとが　うんとある
　謎かけ：心配ごとかけて、信号で青の次と解く。どちらも(気に・黄に)なります

天神さん

　
　日曜日は堺の歴史と文化を物語る貴重な文化財を期間限定で公開する催しで今年で4年目の『堺文化財特別公開』に行って来た。
　公開場所は22か所で訪れた所もあるが、名前は知っているが殆んど訪れた事が無い。地元に居ながら知らないでは心もとないので、今年から少しずつ拝観しようと思った。
　日曜日は予定が詰まっていて時間の都合もあり、手はじめに自宅からさほど遠くない菅原神社に行った。
　ここは地元では『天神さん』とよばれ、南大阪随一の『えべっさん』としても親しまれ戎祭りには何度も来ている。しかし、屋台や大勢の人だかりで境内をじっくり見た事が無かった。
　997年に創建された菅原神社は菅原道真、天穂日命(アメノホヒノミコト)、野見宿祢(ノミノスクネ)を祀っていて、本殿には菅原道真公ご自作のご神体が鎮座されている。
　境内にある1648年頃に建てられた茶室「紅梅軒」や1677年築の随身門などが見どころで、特に随身門は大阪府指定の有形文化財で府下では数少ない楼門建築だとか。
　また毎年6月中旬には日本庭園でホタル観賞会が開かれ多くの見物人を魅了している。
　今までは戎祭りの賑やかしい雰囲気しか知らなかったが、こうして普段の静かなたたずまいの菅原神社を訪れるのも趣があって良いもんだ。

　一句：天神さん　戎祭りで　えびす顔
　謎かけ：天神さんとかけて、今年の阪神の神宮でのヤクルトとの対戦成績(3－7)と解く。どちらも(詣り・参り)ました

億

　子供の頃の将来の希望が話題になった。

　私　「子供の頃、何になりたいと思た？」
　お客「子供の頃、仮面ライダーになりたかった」
　私　「何で？」
　お客「バイクに乗りたかってん。あの頃のヒーローはみんなバイクに乗ってたやろ」
　私　「そうやなあ、月光仮面とか少年ジェット…」
　お客「古～。新しいのん知らんか？」
　私　「あぁ、ターミネーターもバイクやなあ」
　お客「ターミネーターか。シュワちゃん離婚したなあ」
　私　「慰謝料、212億円やてなあ」
　お客「タイガーウッズは600億円以上」
　私　「タイガーウッズはそんだけ慰謝料を払(ハロ)ても、稼げるからこたえへん」
　お客「タイガース(当店)は何十年、頑張っても億は稼がれへんなあ」
　私　「億は稼がれへんけど、奥(嫁)がいてるで」
　お客「ごちそうさん」

　一句：あ～無縁、でも　あるところにはある　億の金
　謎かけ：億とかけて、除夜の鐘で有名な知恩院の鐘と解く。どちらも大きな(金・鐘)である

TOMORROW

　女性のお客さんが岡本真夜の“TOMORROW”を唄った。

　私　「エエ曲やなあ、俺の乙女の頃に流行った曲や」
　お客「エーエーエーッ！なんてー！」
　私　「いや、俺の娘の乙女の頃やった。一言、言葉が足らんかった」
　お客「ホンマや。ずっこけるわ」
　私　「トゥモローだけに、オゥモローやなあ」
　お客「いっこもオモロー無いわ！」
　私　「スマンスマン。お詫びにトゥモローコシやるわ」
　お客「もう、エエっちゅうねん!」

　一句：TOMORROWは　夢と希望を　つないでる
　謎かけ：TOMORROWとかけて、タンは何？と尋ねられ暫くして思い出したと解く。どちらも(明日・あ、舌)や～

誰？

　娘の友達から「二人で瞳ちゃんの墓参りに行きますから」と電話があったので、彼女達に手ぶらで来る様に言った。
　私は先回りしてお墓に花をお供えに行ったが、墓前に着くと既に真新しい花が供えられていた。
　「誰やろうな、あの子達には花を買わない様に言ったのに…」「以前にも何回かあったけど、身内に聞いたら違うと言ってたし…」
　「誰やろなあ？」と疑問を抱きながら帰宅した。後ほど墓参りを終えた娘の友達が仏壇にも手を合わせに家に来たので墓花の事を聞いたが彼女達も違った。
　いつも妻と心当たりを推測をするが全く見当がつかない。お礼を言いたいのだが、毎回「誰やろなあ？」と解明に思いを巡らせている。

　一句：誰かなあ？　墓前の献花に　感謝します　
　謎かけ：誰？とかけて、鯉のエサと友釣り出来る川魚と解く。どちらも(WHO ARE YOU・麩、鮎)？？？

ちっちゃいちっちゃい

　久しぶりに浅やんが来た。以前は堺を出た事が無い彼は、大阪と東京を往復する仕事をしだして1年になりすっかり東京の水にも慣れたとか。

　私　「東京てどんなん？」
　浅ヤン「さすが日本の首都だけあって、大都市やねぇ。堺はちっちゃいちっちゃい」
　N子 「東京スカイツリーは見た？」
　浅ヤン「下に行って見て来たけどデカイわ。通天閣なんか、ちっちゃいちっちゃい」
　私　「ちっちゃいちっちゃい、てギャグにしよ思てんのか？ママの胸は？」
　浅ヤン「ちっちゃいちっちゃい」
　私　「N子ちゃんの胸は？」
　浅ヤン「ちっちゃいちっちゃい」
　N子 「私、胸は小さいけど、乳首は大きいでえ」
　私　「N子ちゃんは胸囲は100やけど、バストはAカップや」
　浅ヤン「胸囲が100？キョウイ(脅威)やね。しやけど普通、100cmあったらGカップやで」
　N子 「胸囲100はオーバーやけど、私、ハト胸やねん」
　私　「ハト麦？♪ハト麦　玄米　月見草〜爽健美茶～」
　浅ヤン「それ、お茶やん。おれ、浅やん」
　私　「おもろいやん。東京慣れしても、大阪人キャラは抜けられへんなあ」

　一句：ノミ夫婦　嫁よりちっちゃい　夫かな
　謎かけ：ちっちゃいちっちゃいとかけて、子孫繁栄の為の性交渉と解く。どちらも(小作り・子作り)である

ボケ同士

　久しぶりにH子ちゃんが来た。

　私 「久しぶりやなあ、元気やった？」
　客H「元気やったけど、忙しかってん。それはそうとM子ちゃん、来てる？」
　私 「M子ちゃんか？今月、まだ来てないわ」
　客H「今月て、今日一日(ツイタチ)やん。今月始まったばかりやで」
　私 「あ、ホンマや。歳いくと日にちが分からんわ」
　客H「マスターもボケてきたなあ。それはそうと私、M子ちゃんと長いこと会(オ)うてないわ」
　私 「長いこと会(オ)うてないて、M子ちゃんは時々来てるんやで。H子ちゃんが長いこと来てなかっただけやん」
　客H「あ、そうやったなあ。お互いにボケたなあ」
　私 「ホンマや。この間なんか店に出る時に鍵があれへんから家じゅうを探したんけど見つかれへん。スペアの鍵で出勤しよ思て表に出たら、家のドアに鍵が付いたままやってん」
　客H「1日中、鍵がドアに付いたままやったんかいな。よう盗られへんかったなあ」
　私 「ホンマや、家と店と自転車の鍵が付いてるからなあ。危ないとこやったわ」
　客H「私はいつもGパンのポケットに免許証を入れてるんやけど、この間、京都に着いてからズボンをはき替えたのを思い出し、無免許運転で捕まれへんか心配しながら帰ったわ」
　私 「あるある、俺もGパンのポケットに免許証を入れてるから、時々無免許の時があるわ」
　客H「ホンマ、歳いったらボケて嫌ねえ」

　一句：ボケ同士　ヘマを語って　慰めあい
　謎かけ：ボケ同士とかけて、全共闘や過激派の運動が終わった学生と解く。どちらも(どうしようもない・同志、用もない)でしょう

苗字

　和菓子屋に勤めているR子ちゃんと保母さんのN子ちゃんが来た。

　客R「今日、お客さんの領収証書いたけど、毛穴というのんがあったで」
　私 「ああ、それか。“けな”て読むねん。堺の鳳の辺で地名もあるで」
　客R「へえ、そうなんや」
　私 「下に毛の苗字もあるで」
　客R「それ、“チンゲ”て読むのん？」
　私 「いや、普通に“しもげ”や」
　客R「私、同級生の男の子にで、そんな苗字いてたら“チンゲ”て呼んでしまうわ」
　私 「ほんだら女の子やったら“チョンゲ”て呼ぶんか？」
　客R「いやー、恥かしー。それは言われへんわ」
　客N「それにしても、珍しい名前が多いねえ」
　私 「あ、小鳥が遊ぶて書いて、なんて呼ぶか知ってるか？」
　客N「え～、難しいなあ」
　客R「あー、私、知ってる。“たかなし”やろ」
　私 「そうや、鷹がいてなかったら小鳥が安心して遊べるからやて」
　客N「マスターはなんて名前？」
　私 「有る無しの有と市町村の村や」
　客N「それを“かみなし”て読むんか？」
　客R「N子ちゃんキツイなあ」
　私 「なんぼ俺が髪が無いから言うても、“かみやし”は無いわ。普通に“ありむら”や」
　客N「あ～、“ありむら”さんかいな」
　私 「まあ、性格にムラがあるので、“ありむら”かも知れんけどな」

　一句：苗字には　千差万別　ややこしい
　謎かけ：苗字とかけて、大学イモと解く。どちらも(佐藤・砂糖)が多いでしょう