盛り下がる

　お客のG君は私より背が高い。

　私 「G君、背が高いな」
　客G「前は176cmあったんですけど、今は縮んで174.5cmです」
　私 「若いのに1.5cmも縮むか？」
　客G「軟骨と髪の毛が減って…」
　私 「あそうか、ハゲて髪の毛があれへんなあ。俺は髪の毛減って3cm縮んだわ」
　客G「へえ、それだけも盛り上げてたんですか？」
　私 「そうや。しやけど髪の話したら盛り下がるけど…」

　一句：髪の毛の　話が出ると　盛り下がる
　謎かけ：盛り下がるとかけて、スキーの話題と解く。どちらも滑る話をする

手帳

　お客のK子さんが暫く手帳を見ていた。

　私 「何を勉強してるの？」
　客K「ツケの計算をしてるの」
　私 「ちょっと溜まってきたからなあ。それで(ツケを溜める)Tさんと気が合うんやなあ」
　客K「私はあちこちにツケはしてないよ、タイガースだけよ」
　私 「それもTさんと一緒やわ。それにしてもK子さんはちゃんと手帳に付けるんやなあ」
　客K「忘れたらダメでしょ」
　私 「K子さんは几帳面なだけに手帳に記帳するんや。ちょっとその手帳、見せテチョウ」

　一句：日常を　書きしたためる　手帳かな
　謎かけ：手帳とかけて、海の家と解く。どちらも(書き込み・夏季混み)ます

古酒

　お客のG君がヨソの店で、会社の社長に飲ませてもらったお酒が美味かったので当店に取り寄せて欲しいと言った。

　客G「マスター、今度キープするから古酒を置いといてや」
　私 「古酒て一体なんや？」
　客G「泡盛や」
　私 「青森なんかキープ出来るわけがないやん」
　客G「青森県と違うがな。沖縄のお酒の泡盛を長い間、寝かせたモノや」
　私 「長い間、寝かせるて、よっぽど調子が悪いねんなあ。布団？それともベッドで？」
　客G「布団でもベッドでも無い！酒をカメで長期熟成させる事を『寝かせる』て言うんや」
　私 「ああ、長期熟成の事かいな。長期て1万年ぐらい？」
　客G「何で１万年やね」
　私 「ツル千年、カメ万年て言うやん」
　客G「その亀と違う。口が広くて底が深い土製や陶磁製や金属製の容器の甕(カメ)や」
　私 「ハイハイ、そのカメね。ほんでキープして欲しい泡盛の銘柄は？」
　客G「1990年モノの海の邦、15000円ぐらいやわ」
　私 「えっ、15000円？キツイなあ」
　客G「何で？」
　私 「前に2万円のカミュを頼まれて仕入れたけど来(ケ)ーへんから未だに売れ残ってるわ」
　客G「アカンか？」
　私 「5～6000円ぐらいのんやったら、残っても誰かに売れる」
　客Y「山崎は？」
　客G「山崎はよその店でキープしてるわ」
　客Y「俺、山崎やねん。免許証、見てみ」
　客G「あ、ホンマや。35年モノやなあ。プレミアムもんやわ」
　客Y「いや(長期無事故無違反で)ゴールドもんや、免許証は」
　私 「しやけど歳は(61歳で)シルバーもんやなあ」

　一句：くても　一度は飲みたい　古酒の味
　謎かけ：古酒とかけて、珠算教室の経営と解く。どちらも(熟成・塾生)が必要です

ゴスペル＝ボイストレーニング

　今日は第2回目のゴスペル講座で、授業の前半はボイストレーニングを習った。
　私がゴスペル講座を受けた主な目的は、このボイストレーニングを受けることである。
　加齢と共に音域が狭くなったのと、自己流の悪い癖を正して歌唱力をつけたいと思っていたからだ。
　ボイストレーニングは奥が深く、まずはストレッチから入った。
　両手を上げたり下げたり、肩を回したり落としたり、腰を回したり、首を左右前後に倒したり、屈伸運動などを入念にした。
　歌唱力をアップには、リンパの流れを良くしたり、首・腕・肩甲骨の周りと背筋を柔らかくしたり、足腰の筋肉を鍛えたりする必要があるとか。
　次は鉛筆を歯で軽く嚙んで喉の奥を広げる発声法、鉛筆をローソクに見立てて「フッ」と消して横腹を膨らませる練習、頬を上げて歌う、鼻根(眉間の下)に声を響かせる、など知らない事ばかり。
　ボイストレーニングは最初から大きな声を出して発声練習をすると思っていたが、喉を痛めてはいけないので今日は軽めの声だけだった。
　後半は前回練習した『Amen』と『Amazing Grace』のおさらいをした。

　一句：ボイトレで　自分が変わる　予感する
　謎かけ：ボイストレーニングとかけて、滝めぐりをすると解く。どちらも(声量・清涼)を求めます

一品料理

　I君は一品料理をよく注文をする。

　客I 「ウインナーおくれ」
　私　「ウン、イイナー。今日、とれとれのウインナーやで」
　客I 「ウインナーて、加工品やん」
　ママ「釣ってきた魚とか収穫したての野菜やったらとれとれと言うけど、ウィンナーは言えんで」
　客I 「あ、それと冷や奴もおくれ」
　私　「よっしゃ、腕によりをかけて…」
　ママ「何でやねん。冷や奴は切って出すだけやん」
　私　「腕によりをかけて、豆腐を選んで買(コ)うてきたんや」
　ママ「大げさな」


　一句：うん、旨い！　一品料理で　酒すすむ
　謎かけ：一品料理とかけて、トランプと思っていたらお正月に遊ぶ絵札だった。どちらも(アラカルト・あら、カルタ)だ～

家庭菜園

　以前に会社の出張で群馬県から時々来ていたYさんが久しぶりに来た。3年前、67歳で退職して以来、堺に来る機会が無ったとか。

　私 「久しぶりですね」
　客Y「今回は新入社員の研修に駆り出されて新大阪に来て、明日は神戸へ出張だよ」
　私 「70歳だけに、こき(古希)使われてるんやなあ」
　客Y「相変わらず、ダジャレが健在だね」
　私 「会社からの要請が無い時、普段は何をしてはるのん？」
　客Y「家庭菜園をしているよ」
　私 「家庭裁判て、奥さんと何かモメてるの？」
　客Y「家庭裁判と違う、家庭菜園！」
　私 「退職して何もせーへんかったらスグに老けるので、家庭菜園はいいですね」
　客Y「家庭菜園仲間が出来て、楽しくしているよ」
　私 「仕事仲間は利害が発生するけど、共通の趣味仲間は考えが一致していいですね」
　客Y「70歳にもなると老い先が短いので、人生を楽しまなくっちゃね」
　私 「いい人生を送ってますね」
　客Y「そう、あの世に行く時に『いい人生だった』と言いたいからねえ」
　私 「棺桶に入れられる時に手を組むけど、Vサインにして棺桶に入れて欲しいですね」
　客Y「そうだね。紅白の幕に囲まれて、第三の人生の門出を祝って欲しいよ」
　私 「葬式も盛大にして、二次会、三次会をセッティングしてもらわんないけませんね」
　客Y「そこまでしてもらうと楽しくて、あの世に行きづらくなるから要らないよ」
　私 「天国は綺麗なお花畑があるて聞くけど、家庭菜園で慣れてるから直ぐに馴染むよ」

　一句：おいしいな家庭菜園自家野菜
　謎かけ：家庭菜園とかけて、ムード歌手と解く。どちらも(肥・声)に気を使いましょう

ヘネシー

　先日、お客さんがヘネシーをキープして在庫が切れたので、近所の酒屋へ買いに行った。

　私　「ヘネシー、無いか？」
　店主「ちょっと待って。奥に1本あるから…」
　私　「以前は店の棚に置いてたのに、今は置いてないねんなあ」
　店主「滅多に出―へんから、奥に隠してるねん」
　私　「俺とこも滅多に出―へんから、その都度買いに来るねん」
　店主「しやけど、こんな時に限って後でヘネシー無いか？言うて客が来る時があるねん」
　私　「滅多に売れへんのに、在庫が少ない時とか無くなった時に限って注文が重なるんや」
　店主「マスターとこも、そんなこと無いか？」
　私　「ずっとヒマやのに、滅多に無い満席の時に限ってお客さんが来て断る事があるわ」
　店主「勿体ないなあ。そんな時、前後の日に振り分けて来てくれたらエエのになあと思うね」
　私　「阪神が滅多に無い大量得点を取った次の日に貧打で苦しんだら、前の日の2点でもあったらなあと思うのんと一緒やなあ」
　店主「う～ん、どうやろな」

　一句：不景気で　ヘネシーほとんど　売れませぬ
　謎かけ：ヘネシーとかけて、その道の名人と解く。どちらも(銘酒・名手)です

立ち飲み屋

　ご年配のHさんが立ち飲み屋に行ってきたとか。

　ママ「ちょっと飲んでるみたいやね」
　客H 「立ち飲み屋でナマを8杯飲んで来てん」
　私　「ナマ水を？」
　客H 「何でやねん！ナマ水を8杯飲んでただら、こんだけ酔えへんわ」
　私　「そうやろなあ、思たわ」
　客H 「なんやねん、それ」
　ママ「立ち飲み屋、忙しなかった？」
　客H 「ワシ以外に、外人がいてたわ」
　ママ「へえ、なにじん？」
　私　「にんじん？」
　ママ「にんじんはお酒を飲めへん」
　客H 「アジア系やわ。アジア系でも肌が浅黒かったなあ」
　ママ「東南アジア系やろね」
　私　「とうなん、ですよ」
　客H 「ハイハイ。外国人が来るのは、立ち飲み屋は安いからやろな」
　私　「立ち飲みを別名、角打ちて言うねん。しやからタチ飲み屋にはタチ打ち、出けへんわ」
　客H 「マスターのダジャレにはもう、玄海灘や」

　一句：立ち飲み屋　気軽で安く　行きやすい
　謎かけ：立ち飲み屋とかけて、野良ネコの身体と解く。どちらも(一杯飲み屋・いっぱいノミや)～

妻が怒る

　私のブログを毎日見ていると言う、お客のA君が来た。

　客A 「マスター、この間、車ぶつけたんやてなあ」
　ママ「何で知ってるのん？」
　客A 「マスターのブログに、この間、書いてたから」
　私　「あの時、睡眠薬を飲んでて、ボオーッとしててそれでぶつけたんや」
　ママ「眠剤は関係ない。歳をとって運転が下手になったんや。Tさんはぶつけた事ある？」
　客T 「俺は無いなあ」
　私　「俺は無いて、ペーパードライバーやから、ぶつけるわけないやん」
　客T 「あ、ぶつけられた事はあるわ」
　私　「ぶつけられたんと違(チゴ)て、自転車でぶつかっていったんやろ」
　客A 「なんで？」
　私　「ここのツケが溜まったから、ツケを払う為に…」
　ママ「当たり屋かいな｝
　客T 「なんてことを言う！」
　客A 「ちなみに、マスターが車をぶつけた時、ママは大丈夫やった？」
　ママ「フロントガラスに頭を思い切りぶつけたわ」
　私　「俺、心配したで」
　客T 「へえ、マスター、優しいとこあるんや」
　私　「いや、ガラスが割れてないか心配してん」
　ママ「そうやろ、こんな人やねん。しやからあの時は思い切り腹が立ったわ」
　客A 「しやけどママ、シートベルトはせーへんかったの？」
　私　「ママは豊満な胸をしてるから、シートベルトがキツイ言うてせーへんねん」
　客T 「どこが豊満やねん」
　ママ「事故で私の頭をぶつけて反省しないし、私の胸を酒の肴にするし、しまいに怒るよ」

　一句：ペチャパイの　酒の肴に　妻怒る
　謎かけ：妻が怒るとかけて、私の母親のビキニ姿と解く。どちらも(おかんむり・オカン、無理！)

大雨

　台風4号の影響で全国各地に大雨注意報が出た。

　客W「明日の昼に、台風4号が九州上陸するらしいな」
　私 「各地で大雨の被害が出てるなあ。こっちも大雨注意報が出たわ」
　客W「この調子やったらバケツをひっくり返すような雨が降るで」
　私 「俺とこの家、バケツが5つは要るなあ」
　客W「どういう事？」
　私 「雨漏りがひどうて」
　客W「ホンマかいな」
　私 「いや、ホンマ。昔、この店も雨漏りがしてお客さんが傘をさして酒を飲んでたわ」
　客W「それ程ひどかったら、ここの(裏の)川、増水せーへんかったか？」　　
　私 「ぞうすいは、鳥ぞうすいが美味いわ」
　客W「食べ物のぞうすいと違う！川の増水や」

　一句：古家や　大雨のたびに　バケツいる
　謎かけ：大雨とかけて、べっぴんさんがシャワーを浴びたと解く。どちらも(ビジョ・美女) 濡れです