似た者同士

　YさんとTさんを接客していたらM子さんが入ってきた。

　客Y「始めて見る顔やなあ、彼女の名前は？」
　私 「みねこ子さんや」
　客Y「ああ、ルパン三世にも出て来るなあ」
　私 「あれは、峰不二子や」
　客T「このオッサン、ええ加減やからなあ」
　私 「自分も変われへんやん」
　客T「ミネ子さん、峰不二子とおんなじで胸が大きいなあ」
　私 「ミネ子ちゃんがムネ子ちゃんになるなあ」
　客Y「Tさんはエッチやから、直ぐにそんなとこに目がいくんやなあ」
　客T「Yさんも女性を見たら、いつもスリーサイズを言うてるやん」
　私 「二人は似た者同士やなあ」

　一句：女好き　似た者同士で　息が合う
　謎かけ：似た者同士とかけて、魚肉ソーセージと解く。どりらも(双生児・ソーセージ)みたい

インキン

　Aさんはヘルスの風俗でインキンを貰ったとか。

　私 「インキン貰(モロ)たんかいな。同じ貰うんやったらインキンではなくゲンキン貰いや」
　客A「現金くれるわけない！ヘルスはお金をハラ(ハロ)て、ナニをするとこや」
　私 「インキンはサイキン(細菌)だけに、サイキン(最近)、貰(モロ)たんやろ」
　客A「日曜日や。月曜日に皮膚科に行ったけど、まだかゆいわ」
　私 「ほんだら薬局でアスター軟膏売ってるわ。アスター(明日)行って買いや」
　客A「よう知ってるなあ。マスターもインキン貰(モロ)たんと違うのん？」
　私 「貰(モロ)てないわ。俺はマスターだけに、アスターもよう知ってるねん」
　客A「関係ないと思うけどな」

　一句：インキンや　股間ボリボリ　夢のあと
　謎かけ：インキンとかけて、大人の猫と解く。どちらも(性病・成猫)です

星座

　血液型占いの話から星座占いの話になった。

　客O「マスターの星座は？」
　私 「俺、膝が痛いから正座はせーへんねん」
　客O「わざとトボけて。星座占いの星座や」
　私 「俺はおうし座や。和牛やから食べたら、おうしいで」
　客O「マスターは脂身ばっかりやから食べた無いわ」
　私 「Oさんの星座は何やのん？」
　客O「カニ座」
　私 「それで写真撮る時はいつも両手でVサインするんかいな」
　客O「ええ、そうかなあ」
　私 「Y君の星座は何？」
　客Y「便座」
　私 「お、ダジャレかいな。Y君は若いから便座と言うよりも、俺の前座や」
　客O「Y君がベンザて言うたから、風邪を引いたのかなあと思たわ」
　私 「風邪にはベンザかいな。おお、絡んでくるなあ」
　客O「西区の阿波座もあるで」
　私 「俺は銀座や。にぎやかで楽しい」
　客Y「歌舞伎座も面白いなあ」
　客O「ロック座」
　私 「ストリップ劇場やん。♪パ～パ～パ～、ちょっとだけよ〜。あんたも好きねエ」
　客O「マスターも好きね」
　客Y「他に座は無いかなあ？」
　私 「もうエエ。これ以上言うたら座がシラケるわ」

　一句：星座ネタ　ダジャレ散りばめ　秋の夜
　謎かけ：星座とかけて、高校野球と解く。どちらも(占星・宣誓)をします

サギ

　当店の裏の川沿いの遊歩道の柵に時々サギが鳥の置物の様にジッと立ち止まっている。今日は二羽のサギが立っていた。

　私 「時々遊歩道の柵にサギがジッと立ってるけど、一本足で立ってたわ」
　客F「一本足立ちはもう1本の足が休めるとか、片方を羽毛の中に入れて体温維持のロスを少なくするとか言われてるねん」
　私 「一応、理由があるんや。しやけど何を考えてるんやろなあ」
　客F「それは魚に気づかれんようにジッとしてるんや」
　私 「魚をあざむいてるんかいな。さすが、サギというだけあって賢いわ」
　客F「川の魚がサギに気づかんと川面に出てきたところを飛んで行って捕獲すんねん」
　私 「フライング・ゲット！AKBやなあ」
　客F「AKBのフライングは空を飛ぶフライングと違(チゴ)て、スタート前に飛びだすフライングや。でも綴りは一緒やけどな」
　私 「さすがお歳を召してはるだけに、よくご存じで」
　客F「お年寄りて、俺、マスターより一回りも下やで」
　私 「AKBはファンにネクラなオタクが多いから、えー警備員が護衛してるで」
　客F「なんでそんなん分かるのん？」
　私 「AKB…、えーケイビイン(警備員)。チャンチャン」
　客F「聞いて損したわ。サギの話をしてただけにサギに遭(オ)うたみたいやわ」
　私 「サギはミサギ(岬)に行ったら、ぎょうさんいてるで」
　客F「もう、ええって！」

　一句：息ひそめ　獲物を狙う　二羽のサギ
　謎かけ：サギとかけて、シルクガウンと解く。どちらも(置物・お着物)みたいです

チャチャ

　Tさんの歌を久しぶりに聞いていたママは「歌がウマなった」と褒めた。

　ママ「Tさん、歌、良かったわ」
　私 「そうそう、終わって良かったわ」
　客T 「何やねん、それ」
　ママ「いや、歌、ウマなったで」
　私 「これでウマなったという事は、前はよっぽど下手やったんやなあ」
　客T 「怒るで～。しやけど、たったの78点かいな。100点出る思てたのに」
　私 「78点でも高い得点や思たのに、コンピューターが故障してんのんと違うか」
　客T 「点が悪いのは唄(ウト)てる時にチャチャを入れるからや」
　私 「チャチャ入れてもろて良かったやん」
　客T 「何でや？」
　私 「点数が悪いのんを、チャチャ入れた俺のせいにできたやん」
　客T 「マスターのヘリクツには負けるわ」
　私 「俺はヘリクダッて言うてるけどなあ」
　客T 「どこがやねん！」
　※チャチャを入れる＝じゃまをする。水をさす

　一句：聞きたくない　つたない歌に　チャチャ入れる
　謎かけ：チャチャ入れるとかけて、ビックリ水と解く。どちらも水を差します。

不用品

　昼過ぎにインタホーンが鳴ったので受話器を取ると男性の声で「すみなせーん、××です」と言ったが、誰だか聞き取れなかったので、妻に「誰やろなあ」と言って玄関に出る。

　男性「○○ゴールドのYです。売りたい貴金属はありませんか？」
　私　「この間、他の業者が来たので売ったわ」
　男性「どの様な商品ですか？」と貴金属の一覧表を見せたので金のネックレスとメダルを指差した。
　私　「これと同じのんや、嫁さんが重とうて肩凝るからと26万円で売ったとこや」
　男性「良いお小遣いになりましたね。他に売る貴金属はありませんか？」
　私　「他のんは使うから売るのんはもう無いわ」と断ってから居間に戻ると妻が尋ねた。
　妻　「誰やったん？」
　私　「貴金属の買い取りや」
　妻　「ああ、この間来たあれ？もう売るのんは無いかなあ？」
　私　「あ、これあるわ」と妻の腕をつかむ。
　妻　「何でやねん！私を差し出したら逆に『お金をおくれ』て言われるわ！」
　私　「役にお金を取られるか？不用品は不用意ンに出されへんなあ」

　一句：押し入れで　幅利かせてる　不用品
　謎かけ：不用品とかけて、今までの宗教から他の信仰に入ると説く。どちらも(回収・改宗)します

オバチャーン

　新聞の見出しの「未知の衝撃、再生34万回！見る人だれもがのけぞる大阪のご当地アイドルは『オバチャーン』」が目にとまった。
　記事を読むと「ヒョウ柄！厚化粧！調子にのって！？ついにCDデビュー。大阪のおばちゃんが集まって結成し、昨年10月にインターネットでデビュー曲を公開した自称アイドルグループ『オバチャーン』が大きな反響を呼んでいる。大阪のおばちゃんの生態をモチーフにしたラップのデビュー曲『オバチャーンのテーマ』は動画投稿サイトで再生回数34万回を突破。テレビ出演をはじめ、ジョニー・デップ主演映画「ローン・レンジャー」の関西限定CMにも抜擢されるなど、予想以上の活躍を見せている。22日にはCDデビューも決まっており、有り余るパワーと親しみやすさを武器に活動の幅を広げている。 (後略)』と書いていた。

　私 「大阪のオバちゃんが、ユニットを組んで踊りながらラップ調の曲を出すらしいで」
　妻 「あんたもAさんやSさんを誘ってCDを出したらエエのに」
　私 「いや、大阪のオバチャンは個性がキツイから大阪のオッチャンは負けてしまうわ」
　妻 「それも言えるなあ」
　私 「俺とこみたいやな」
　妻 「なんやて～」
　私 「歌詞が、決して譲らへん値引きのメッカ…PVのバックのスーパー玉出やし」
　妻 「私は玉出には行けへんし、値切ったことが無いで」
　私 「そうやったなあ。しやけど次の歌詞が自分(妻)にピッタシやで」
　妻 「ピッタシて、どんなとこ？」
　私 「きっつい化粧や今日も厚塗、食べやと配るでいつものアメちゃん、やたらと絡むで人生のパイセン」
　妻 「私は化粧は薄いしアメも持ってへん。それに絡むのはアンタの方やん。何処が似てるのん！」
　私 「化粧を取ったら1kgぐらい体重減れへんか？」
　妻 「ほんだら私の化粧は1kgもあるてか？怒るで」
　私 「まあ、ジョークや。許せ。因みにオバチャーンはAKBの握手券の代わりにCD買(コ)うたら『人生相談券』がつき、特設ブースでメンバーが購入者の悩みの相談するらしいで」
　妻 「大阪のオバちゃんらしいね。でもライブがあったらアンタは行く？」
　私 「有料ライブやったらユウリョウ(憂慮)するわ」
　※オバチャーンのテーマ　

　一句：元気やで　世間を席巻　オバチャーン
　謎かけ：オバチャーンとかけて、鹿島アントラーズの本拠地は何処？と解く。どちらも(姦しい・鹿島市～)です

大接戦

　カラオケ番付で両横綱のYさんとMさんは高得点を連発、大接戦を繰り広げて他者の追随を全く寄せ付けない。

　私　「二人の戦いは汗に手を握るなあ」
　ママ「それ、汗に手を握るやろ。それにしても二人の戦いはまるで柏鵬時代やね」
　私　「白鳳時代やったら一人やん」
　ママ「私の言うてるのは今の白鳳と違(チゴ)て、柏戸と大鵬の柏鵬時代やん」
　私　「ああ、そういう時代があったなあ。因みに白鳳はホウキ時代やなあ」
　ママ「ホウキ時代てなんやのん？」
　私　「掃除する時に掃除機を使うと吸う方で、ホウキを使う時ははく方やん」
　ママ「それでホウキ方時代かいな。いっこも面白ないわ！」

　一句：二横綱の　雌雄を決する　大接戦
　謎かけ：大接戦かけて、煮え立っているお湯と解く。どちらも(熱闘・熱湯)です

愛のコリーダ

　M君はホテルSの料理長。以前に部下を探してなかなか見つからないと嘆いていたが、ここ1週間で2名の料理人が入ったとか。

　客M「2人の新人は仕事も出来るし、これから忙しなるから丁度よかったわ」
　私 「よかったね。M君はこれで3人の部下が出来たんやなあ」
　客T「M君は西洋の縦笛やなあ」
　客M「西洋の縦笛？」
　客T「コリーダーや。少人数のリーダーやから小リーダー」
　私 「西洋の縦笛はリコーダーやろ。リコウジャ無いなあ」
　客T「コリーダーばっかり思てたわ」
　私 「それは大島渚監督のAV映画『愛のコリーダ』ばっかり見てるから、似た言葉が出たらついコリーダて言うてしまうねん」
　客T「そうかも知れんな」
　私 「そんなんヨソで言うたら恥をかくで」
　客T「恥をかくのはコリゴリーダー」
　客M「愛のコリーダて何？」
　私 「コリーダはスペイン語で“闘牛”の意味らしいわ。すなわち愛の闘牛かな」
　客M「愛の闘牛？よけい分からへんわ」
　私 「この映画は阿部定事件を題材に男女愛の極限の姿を描く問題作やねん」
　客M「阿部定事件て何？」
　私 「性交中に阿部定が愛人の男を絞め殺して局部を切り取った事件や」
　客M「へえ、そんな事があったん」
　私 「猟奇性の激しい愛欲の戦いを闘牛に例えて『愛のコリーダ』てつけたらしいわ。英語で言うたら『愛のデスマッチ』やなあ」
　客T「マスターはコリーダではなく、リコウダ。なんでも、よくご存知で…」
　私 「いや、ネットで調べて知ってるだけや。しやけど事件は1936年の5月18日にあってん。俺はその12年後の5月18日に生まれたからよう覚えてるねん」
　客T「なんか、女たらしのマスターに因縁めいてるね」
　私 「俺はもう歳や。『愛のコリーダ』と違(チゴ)て『愛はコリータ』や」

　一句：　愛のコリーダ　性描写
　謎かけ：愛のコリーダとかけて、魚の収穫期と解く。どちらも(猟奇・漁期)です

女泣かせ

　先日、N子ちゃんが彼氏の事で悩み、涙ながらに別れたいと言っていた。その事をN子ちゃんファンのIさんに言った。

　私 「3日前、N子ちゃんが彼氏の事で泣いてたで」
　客I「ほんまか、その時に俺を電話で呼んでくれたらよかったのに」
　私 「Iさんを呼んだら、よけいややこしなるわ」
　客Y「そうそう、Iさんは女泣かせやからアカンわ」
　客I「俺、女を泣かせた事が無ない」
　私 「嘘つきな、いつも女性を泣かせてるやん」
　客I「どこの女や」
　私 「嫁さんに姉さんにお母さんにお婆さんを泣かせてるやん」
　客Y「えらいぎょうさんの女を泣かせて、この家族不幸もん！」
　客I「怒るで！勝手き決めつけんといてんか」
　私 「それに女をいつも苦しめてるやん」
　客I「どない苦しめてるのん？」
　私 「あの時、いつも『死ぬ～、死ぬ～』て言わせてるやん」
　客Y「えらい激しいセックスをしてるんやなあ」
　客I「怒るで、俺とこのん見たんか？」
　私 「家政婦はミタ」
　客I「もうそのギャグは古い！」

　一句：遊び好き　女泣かせの　イロ男
　謎かけ：女泣かせとかけて、遠足の日に雨と解く。どちらも(振って・降って)困らせます