お互い様

　女性客K子ちゃんの彼氏は遊び人だとか。

　私 「K子ちゃんの彼氏、元気か？」
　K子「元気やで。今日は友達と遊びに行ってるわ」
　私 「友達や言うてるけど、女の子と遊んでるのと違うの？彼は浮気するタイプやで」
　K子「別にエエねん」
　私 「別にエエて、彼氏が浮気をやってもエエのん？」
　K子「浮気は私に分からん様にしてや、それが思いやりやでて彼氏に言うてんねん」
　私 「心が広いなあ。それで彼氏はどない応えたん？」
　K子「自分(K子)も俺に分らん様にしてや、て言われた」
　私 「なんや、K子ちゃんも遊び人かいな」

　一句：浮気して　怒れぬ事情は　お互い様
　謎かけ：お互い様とかけて、友達と女性と付き合った数が一緒と解く。どちらも(おんなじ状態・女事情タイ)である

マラソン

　今年の3月頃から大阪マラソンに初出場して完走すると何度も豪語していた60代のTさんが足が痛いと言いだした。

　客T「俺、最近足が痛いねん」
　私 「気のせいや」
　客T「気のせいと違うて」
　私 「子供が学校に行きたない時にお腹が痛なる様に、マラソンに出たない気持ちが強なって、それで足が痛いと思う様になったんやろ」
　客T「いや、ホンマに痛いねんて」
　私 「ほんだら、今から足が痛いと言うて出場せーへん言い訳を作ってるんやろ」
　客T「そんなんと違(チャ)う！」
　私 「足が痛いのに練習してるんかいな？」
　客T「してるで」
　私 「ホンマかいな。それでどんな練習をしてんのん？」
　客T「部屋の中で歩いてる」
　私 「アチャー！そんなんでは間に合えへんがな」
　客T「いや、まだ3カ月ある」
　私 「強情張って。マラソンに出る、言うたんはホラでしたとエエ加減に認めたら？」
　客T「(マラソンに)出る言うたら出るねん」
　私 「この期に及んで、マラ、ソンな事を言うてるんか」

　一句：マラソンで　完走するぞと　アラカン層　
　謎かけ：マラソンとかけて、読書の後に文を書くと解く。どちらも(完走・感想)が目的です

食中毒

　この時期になると食中毒の話題が出てくる。

　私 「この間も食中毒のニュースやってたなあ」
　客M「今の時期は菌がよう繁殖するからなあ」
　客S「食中毒起こしやすいのは大腸菌やボツリヌス菌とかサルモネラ菌の細菌や」
　私 「サイキン？最近、インキンになったけど大丈夫かなあ？」
　客S「それは食中毒にはなれへん。大体、賞味期限が切れたら菌が繁殖するねん」
　客M「ママは食中毒なれへんか？」
　私 「何でや？」
　客M「マスターが賞味期限が切れてるから」
　私 「怒るで～。俺、ショウミ、キゲン(正味、機嫌)が悪いで」
　客M「昔は賞味期限は、あんまり書いてなかったらしいね」
　客S「そうそう、においかいで臭なったら捨てる、みたいな感じやったなあ」
　私 「俺、アカンわ。捨てられるわ」
　客S「何でや？」
　私 「加齢臭がキツイから」
　客M「俺もアカンわ」
　私 「M君はまだ40歳やろ？加齢臭には若すぎるやん」
　客M「ワキガ臭いから」
　私 「せやけどM君、もう捨てられてるやん。嫁はんに逃げられて5年ぐらいになるやん」
　客M「あ、そうか。忘れてたわ」

　一句：(宝)くじよりも　よくアタリます　生ユッケ
　謎かけ：食中毒とかけて、宝くじで1000万円GETと解く。どちらも(あたり・当たり)ました

背泳ぎ教室

　ジムの背泳ぎ教室で今日はコーチが編み出した新しい練習方法を3つもさせられた。30歳ぐらいのコーチは60代の生徒によくいらわれる。

　コーチ「お疲れさまでした。今日の背泳ぎ教室はこれで終わります」
　会員A 「ホンマ、疲れたわ。変なんばっかり教えるから」
　コーチ「変なんて…。みんなに上手になってもらお、思て教えてるのに…」
　私　　「愛のムチやのになあ。みんなが無知やねん」
　コーチ「そうですよ。いつもいじめられて…。家に帰って泣くわ」
　会員A 「泣くんやったら私の家においで、慰めたるわ」
　私　　「そうや、掃除したり、かたづけをしたら発散するわ」
　コーチ「僕、主婦と違います」
　私　　「かたづけをしたら、かたづ(じ)けない言うて小遣いをくれるかも知れんで」
　会員B 「かたづけをして、かたづけないか、ややこしいなあ」
　コーチ「それでは、水分補給を十分にして下さいね」
　会員B 「水分補給は十分にしたわ」
　私　　「ほんまや、慣れへん事をさされて、みんな水を飲んでたもんなあ」
　会員B 「後は排出だけや」
　私　　「排出もやってるで、きっと」

　一句：背泳ぎの　変則指導に　天仰ぐ　
　謎かけ：背泳ぎとかけて、昆虫が成虫になると解く。どちらも(浮かないと・羽化ないと)できません

盛り上がる

　今日は歌ったり踊ったりして大いに盛り上がった。

　お客「あ～、楽しかった。盛上がったなあ」
　私　「ママの胸みたいや」
　ママ「私のんはパットや。パットで盛り上げてるねん」
　私　「♪パット・サイデリア～」
　お客「古いコマソンやなあ」
　ママ「パッと咲いてるのはマスターの頭やん」

　一句：週末は　歌って踊って　盛り上がる
　謎かけ：盛り上がるとかけて、秋の風物詩と解く。どちらも(高揚・紅葉)するでしょう

帽子好き

　いつも帽子をかぶって来るお客さんがいる。

　私 「Kさんはいつも帽子かぶってるなあ。よっぽど帽子が好きやねんなあ」
　客K「そうやなあ、朝でも昼でも帽子は離さんなあ」
　私 「ほんだらお風呂に入る時も寝る時もか？」
　客K「まさか～」
　私 「食べモンは肥満防止、唄う歌は影法師、星座はぼうし座」
　客K「俺の星座はぼうし座と違(チゴ)て、おうし座や」
　私 「おうし訳ない」

　一句：帽子屋を　儲けさせてる　帽子好き
　謎かけ：帽子好きとかけて、気の合う友達とキャラが重複すると解く。いつも(被って・かぶって)います

のこった

　当店で人気者のN子ちゃんを知ってるお客のSさんが来た。

　客S「N子ちゃん、会社を辞めるて言うてたけど、どないなったん？」
　私 「社長に慰留されたらしいわ」
　客S「へえ、会社、のこったんや」
　私 「ああ、のこったのこった。土俵際でのこったわ。舞の海みたいやからなあ」
　客S「N子ちゃん、女の子やで。舞の海は可哀想やわ」
　私 「ホンマやなあ、ほんだら舞の海と違(チゴ)て小錦や」
　客S「よけい悪いわ！」

　一句：慰留され　のこった会社の 期待の星
　謎かけ：のこったとかけて、学問で別の流派と解く。どちらも(慰留・異流)です

やから

　当店の常連客の中に、やからを言って楽しむお客さんがいる。今日もメニューを見て一言…

　客T「なんや、100円のリンゴを600円も取るんかいな。ボッタクリやなあ、この店は」
　私 「失礼なこと言わんといてんか。600円のリンゴやで」
　客T「何で600円のリンゴを(売値が)600円やねん。嘘ばっかりついて…」
　私 「嘘ついてるかいな。10個600円のリンゴや」
　客T「なにぃ、余計安いやん」
　私 「10個600円は冗談や。そんな安うに売ってる訳ないやろ。ホンマは1個290円や」
　客T「なんや、倍も取ってるんかいな」
　私 「そんなもん、手間賃もいるやろ。三つ星のコックが調理するんやで」
　客T「えーっ、マスターが三つ星のコックてか？今まで聞いた事ないわ」
　私 「俺も今まで言うた事無いわ。いつも健康の為に梅ボシ三つ食べるねん。三つボシや」
　客T「なんや、梅ボシが三つかいな。怒るで！それにしても出し巻き600円は高いで」
　私 「また、やからかいな。夜の店では相場やで」
　客T「どうせ1個10円の玉子を2、3個使うだけやろ」
　私 「しまいに怒るで。玉子は10個使(ツコ)うてるわ」
　客T「玉子10個使(ツコ)うてたら、出し巻きはもっと大きいわ」
　私 「うずらの玉子や！」
　客T「もう、ええわ。マスターには勝てんわ」
　※やから＝大阪弁で理不尽でタチの悪いクレーマーの言動や行為の事。

　一句：やからには　したたか対応　ギャグおやじ
　謎かけ：やからとかけて、EDと解く。どちらも(タチが・勃ちが)悪いです

前立腺

　40代前半のM君が若いのにオシッコの切れが悪くなったとか。

　客M「最近、オシッコの切れが悪なったわ。リンパ腺肥大かなあ？」
　客S「それ、リンパ腺肥大て言えへん。オシッコの切れが悪いのは前立腺肥大やがな」
　客M「ああ、そうか。そのせいかな？セガレの勃ちも悪なったわ」
　私 「なんや、セガレが肥大せんと、前立腺が肥大かいな」
　客M「そない言う、マスターは勃つんかいな？」
　私 「俺は歳やからセガレ肥大はないわ。せやけど後立腺肥大やわ」
　客S「後立腺肥大て、聞いたことないわ」
　私 「俺も言うたことないわ」
　客S「なんや、それ。それで、後立腺肥大て一体、何やのん？」
　私 「膀胱に関わるのが前立腺肥大。俺のんは肛門に関わる病気やから後立腺肥大や」
　客S「肛門に関わる病気て？」
　私 「分かりやすく言うたら大きなイボ痔や。肛門の入口に大きなイボが出来たんや。こうもん言うても学校の校門と違うで」
　客S「そんなん分かってるわ！」

　一句：オシッコの　切れが悪なる　前立腺
　謎かけ：前立腺とかけて、ピストンやシリンダーと解く。どちらも(器官・機関)の一部です

損して得とる

　話題でビジネスのサクセスストーリーをしていたら、お客さんがソフトバンクの孫社長の話をした。
　
　お客「この間、ソフトバンクの孫社長がテレビに出てて、若い時の苦労話をしてたわ」
　私　「孫社長は大成功をおさめたもんなあ」
　お客「持ち前の頑張りと努力で、成功したんや」
　私　「俺も頑張って努力したけど、いっこも進歩せーへんわ。どこが違うんかなあ？」
　お客「毎日なにかの困難がないと、会社がダメになる！との考えで、常に困難に挑戦してたらしいで」
　私　「そこが凡人と違うんやなあ。俺は困難を避けてきたわ」
　お客「孫社長が東日本大震災で100億円を寄付したのには仰天したなあ」
　私　「それに震災孤児が18歳になるまでソフトバンクの携帯電話をタダで貸すんやてなあ」
　お客「それにも驚いたわ」
　私　「日本の諺を地でいってるね」
　お客「どういう意味？」
　私　「そこまで支援してもろたらソフトバンクの携帯電話を使わんわけにはいかんやろ。孫さんだけに、ソンして得を取れやなあ」
　お客「確かに…」

　一句：商売人　損して得とる　孫社長
　謎かけ：損して得とるとかけて、サルサを踊るリズムと解く。どちらも(後の利・後ノリ)である