先日、新聞で「ジン・フィズ」のエッセーを読んだ。著者のお母さんは85歳、50年近くカウンターに立ち続け、彼女のジン・フィズは最高だと綴られていた。
私は77歳で46年間スナックの営業を続けているが「上には上がある」。
ジン・フィズは、私が20歳の頃に堺でスナックを営んでいた兄に教わった初めてのカクテル。「お前のジン・フィズは美味い」と褒められたのを今でも覚えている。
その兄が昨年7月に他界し、兄から譲り受けたシェーカーでジン・フィズを献杯しようと思ったが、その1年ほど前の忙しかった日に珍しくカクテルを作った翌日、シェーカーを洗おうとしたがトップ、ストレーナー、ボディがガチガチにくっついて分解できずそれ以来使っていなかった。
力自慢のお客さんに頼んでもダメ、キャップオープナーという器具を使用してもダメ、熱したり冷やしたりと色々試してもダメだったのでテレビ番組の『探偵ナイトスクープ』に依頼した。
探偵のタレントでは無理だったのでプロレスラーに応援を依頼、彼がようやく分解してくれた。そして、兄のお気に入りのジン・フィズでタレント、プロレスラーと一緒に献杯をした。
また、番組を観た多くの方が来店。ふだん暇な爺さん一人の店に賑わいをもたらしてくれたのは、天国の兄のお陰だと、心から感謝した。
※謎かけ:ジン・フィズとかけまして、置時計と解く。どちらも(炭酸・単三)が必要です
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