ひげマスター・ciciありむらのおとぼけ日記(ブログ五七五) 

好奇心旺盛!趣味はHP作成、カラオケ、似顔絵、ギター、映画、作詩、etc。特技はスナック芸

義父の回想~呼び出し音

2013-03-15 05:17:08 | Weblog
 私たち夫婦は仕事があるので遠くの病院のICUに入っている義父を再々見舞いには行けないが、義姉は隠居中なので毎日義父を見舞いに行き妻の携帯に容態を報告をしてくれていた。
 妻の携帯に呼び出し音が鳴る度に「悪い知らせかも?」と思い私たちはビクッとする。妻は毎回「怖いわあ、どうしよ」と不安に怯えながら電話を取る。
 手術の6日後に携帯の呼び出し音が鳴った時も心に不安がよぎった。そして妻に「お父さんの意識が戻らなくなる」と義姉が涙ながらに訴えた。
 家族全員が元気に戻ってくると信じていただけに妻も私もその電話の意味に動揺して、その日以降の電話の呼び出し音には毎回ビクついた。
 9年前、娘が入院いていた時も電話の呼び出し音が怖かった。
 入院して1週間目から意識がなくなり担当医の話では奇跡を期待するしかないと言われ、毎日毎夜、ご先祖様に手を合わせて「奇跡で娘を助けて下さい」と祈願した。
 そして入院して1ヶ月目、病院から「容態が急変した」との電話があり、取る物もとりあえず車を飛ばして娘の元へ駆けつけた。
 重い空気に包まれたベッドの中の娘は生気のない顔をして眠っているだけで、いくら呼びかけても何も答えてはくれなかった。
 病院に着いて3時間半後、私たちの切なる願いは届かず、奇跡は起きることはなく娘は息を引き取った。
 そんな経験があるだけに電話の呼び出し音にはビクビクさせられ、娘の時とダブり悪夢が脳裏をよぎった。
コメント
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