ひげマスター・ciciありむらのおとぼけ日記(ブログ五七五) 

好奇心旺盛!趣味はHP作成、カラオケ、似顔絵、ギター、映画、作詩、etc。特技はスナック芸

義父の回想~憎まれ口

2013-03-31 03:52:46 | Weblog
 お義父さんは歯に衣(キヌ)着せぬ物言いをする性格だったので、思った事をズバズバ言う。入院した時には看護婦の対応や同室の患者の咳がうるさいとかで文句を言う。
 義父が病室で小言を言った時に妻が「聞こえるから声を小さく」とたしなめると「誰に気を使(ツコ)うてんねん。ホンマの事やから言うとかなアカンねん」と逆に怒られる。
 それが原因で喧嘩をするとこがあるので、私は「87歳になって性格は変えられへんので注意したらアカン。お父さんの方言や思たらええやん」と諭すが、妻が「偉そうに言われるのが腹が立つ」と後へ引かず時々親子喧嘩をする。
 また妻と義姉は義父に辛く当られるので愚痴や不満をたらたら二人で言う。私は「お父さんはあとどれぐらい生きられるか分かれへんねんから、聞き流して思うようしさせたれや」と妻を諭す。
 義父を見舞った帰りに喫茶店で叔母たちは「生まれ変わったら、あの3人とは絶対に一緒になれへんわ」と言っていた。3人とは義父とその弟たちでみんな難しそうな性格である。
 「こんだけ憎まれ口を言うてたら100歳まで生きるで」と周囲は言っていた義父が、前日まで元気で無事に生還するはずだったのに、手術であっけなく87歳の幕を閉じた。
 妻は義父の在りし日を思い「あれだけ憎まれ口を叩いてても、死んでしもたらエエ人になるなあ」と言い、私は「お義父さんは口は下手でも内心では娘や孫の事を真剣に考えてたんやで。それが今になって伝わってきんや」と答えた。
 「お父さんは『俺が憎まれ口を言わん様になったら終わりやぞ』とよう言うてたなあ」と妻が、正直な心の持ち主の義父の憎まれ口を懐かしんでいる。
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