西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

9-鷺娘

2009-07-30 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉治―8「鷺娘」

次は再び鼓唄。

「恋に心も移ろいし
 花の吹雪の散りかかり
 払うも惜しき 袖傘や』

「傘」を引き出したところで、今度は「傘づくし」。
傘を持っての軽快な振りとなる。
このくだりのリズミカルな歌詞は、
「百千鳥娘道成寺」の『さっさどんどん』風。

『傘をや 傘を差すならば
 てんてんてん 日照り傘
 それえ それえ
 差し掛けて いざさらば
 花見にごんせ吉野山
 それえ それえ
 匂い桜の花傘
 縁と月日を
 廻りくるくる 車傘
 それそれそれ そうじゃえ
 それが浮き名の端となる』
 

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tea breaku・海中百景
photo by 和尚