西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

吉原格子先

2015-04-30 | 浮世絵
これは菱川師宣(1618~1694・元和4~元禄7)筆の
吉原格子先の図だ。
1680(延宝8)年に描かれているので、
4月24日の吉原格子先の図より40年ほど前になるだろうか。

およその体裁は同じだが、格子がぐるりと中の方にまで回っていて
入り口もずいぶんと広い。
当初はこのように見世の中で品定めをしたのだろう。
妓夫の座る場所もかなり奥だ。

入り口に控えているのはお供の奴で、
通りを歩く男も奴を連れている。

左端から2番目の遊女が、三味線を弾きながら何やら歌っているようだ。
まだ正座の習慣はないはずだが、どうして正座をしているのだろう。

  

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初会

2015-04-29 | 浮世絵
これは奥村政信((1686~1764)の浮世絵だ。
27日と同じ頃と思われるので、1705~07(宝永2~4)年頃の作だろう。

「志ょ会のてい」と書いている。
初会とは客が初めて指名した遊女と対面することをいう。
この時「引付けの盃事」という、一夜妻の儀式を行なうのだが、
この絵を見ると、この時代はまだまだおおらかな儀式だったようだ。

連れの客は寝転んでいるし、遊女は客の隣に侍って三味線を弾いている。
雰囲気的には馴染み(三度目の登楼のこと)のようだ。


  

ちなみに後になると、こうなる。
客が揚屋の二階に上がると、若い衆が盃台・銚子・口取り肴を持ってくる。
(この絵では新造が肴を運んでいる)
やがて遊女が現れ、客から離れた壁際に座ると、
客が若い衆に盃を渡す。
若い衆がそれを遊女の前に持って行き、酒を差す。
遊女は盃に口をつけ若い衆に渡す。
今度はその逆で、若い衆が盃を客に返し酒を差す。
これはいわゆる三三九度の盃のようなもので、こうして一夜妻の盃事が終了する。

この後改めて酒宴が始まるが、遊女は側には来ないし、口もきいてくれない。
取り巻きと新造が場を盛り上げて、引け四つ(閉店)の拍子木が打たれたら、
清く正しくお帰りいただくという寸法だ。

この絵のように、こんなに和気あいあいとした初会の儀式があったとは驚きだ。

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大阪芸術大学

2015-04-28 | 仕事関係
きょうは大阪芸大の日です。

新学期3回目のレッスンになります。
私としては4年目になりますので、
今回は少しレッスン方法を変えてみました。

何しろ、レッスン以外では三味線をにぎらない子たちですので、
こちらも智恵を使います。
作戦はことの外うまくいっているようで、先が楽しみです。

   教室の外の木に蔦がびっしりと生えてきました。
   みるみる木が蔦におおわれてしまいますよ。
   
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遊女たち

2015-04-27 | 浮世絵
これは奥村政信((1686~1764)の浮世絵だ。
1705~07(宝永2~4)年頃の作とされている。

客の来ない時間帯に三味線の稽古をする遊女たち。
撥も細く、胴掛けもなし。
当然指掛けなどというのもない。

糸箱から糸を取り出し、3の糸を掛けている遊女。
この時代の遊女は髪型も着物もまだまだ素朴だ。

    
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千舟会

2015-04-26 | 仕事関係
きょうは麻布の「はん居」で「千舟会」がありました。

もとは黒塀のしもた屋だった武原邸も、今は武原ビルという建物に変わっており、
そこの5階に「はん居」が移築されています。

さすがに粋な和の空間で、
どなたの設計なのでしょうか、
どこもかしこも見事なまでに洗練されています。

演奏するのはこの能舞台で、白砂を隔てた所が客席となります。
   

楽屋にはこのようなお花が飾ってありました。
   

楽屋にて郁子さんと2ショット。
        
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