西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

鏡獅子―62

2009-06-30 | 曲目 (c)yuri saionji
春興鏡獅子―14


胡蝶の精は一対になって
羯鼓の踊りや、鈴太鼓の踊りを見せる。

『いとど思いは増す鏡
 移る心や紫の
 色に出でたか恥ずかしながら
 待つにかいなき松風の

(次は「石橋」の歌詞をはめ込んだ)
 花にたき木を吹き添えて
 雪を運ぶがおぼろげの
 我も迷うや花の影
 暫し木陰に休らいぬ』

(意訳)
「ますます想いがつのり、
 もうこの心、隠せない
 恥ずかしいけれど
 待ってもどうにもならないの
 風に舞う桜の花が
 木こりの背負うたき木に積もり
 まるで雪を運んでいるよう

 私も牡丹の花に埋もれていると
 思わず迷ってしまいそう
(寂照法師は清涼山で道に迷い、樵に遭う)
 ちょっと木陰で休みましょう」


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tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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鏡獅子―61

2009-06-29 | 曲目 (c)yuri saionji
春興鏡獅子―13


『花のをだまき 繰り返し
 風に柳の結ぶや糸の
 吹かぬその間が 命じゃものを
 憎やつれなや その味さえも
 忘れ兼ねつつ 飛び交う中を
 そっとそよいで 隔つるは
 科戸の神のねたみかや
 
 よしや吉野の花より我は
 羽風にこぼすおしろいの
 その面影のいとしさに』

(意訳)
「花がそよぎ、風に吹かれて柳がゆれる
 蝶の身としては、風はいや
 憎らしいほど、つれないあいつ
 でも未練なのね、
 気を惹こうと飛んでいるのに
 わざとそよいで邪魔をするのは
 風の女神のいたずらかしら
 
 たとえ吉野の桜より、
 きらきらと舞い散る、蝶の白粉
 何とも風情があって、可愛いこと」


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tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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三味線コンチェルト

2009-06-28 | 仕事関係
瀬戸フィルハーモニー交響楽団とのコラボ
「三味線コンチェルト・娘秋勧」を演ってきました。

高松商店街のクロスするところにある、ガラス張りのドーム
(まるで、ルーブル美術館のガラスピラミッドのような雰囲気のドーム型丸天井)
の下に、仮設のステージを作っての公演でした。

お客様はステージの前に置かれた、キャフェテラスの椅子に座って鑑賞です。
あるいは立ち見、あるいは道往きながらと、実にめいめいに”街クラ”していました。

今回のオケは約20名、
指揮者は徳島から、編曲なさった作曲家も3名、
東京から乗り込み、昨日からの稽古に立ち会うという、
”りき”の入れよう。

オケとのコラボという、本邦初演の公演に、お客様もびっくり、
しかし、喜んでいただけたかな、といった雰囲気でした。
私は三味線一人で、オケを相手に奮闘、
2回の公演で体力、気力を消耗、今日はよれよれです。

写真、及び動画を撮っておりますので、東京へ戻りましたらアップします。


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tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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鏡獅子―60

2009-06-27 | 曲目 (c)yuri saionji
春興鏡獅子(下の巻・胡蝶)―12


下の巻はほとんどが、福地桜痴のオリジナル。
胡蝶の精の踊りとなる。

『世の中に
 絶えて花香のなかりせば
 我はいずくに 宿るべき
 憂きをも知らで 草に寝て
 花に遊びて 明日には
 露を情けの袖枕 
 羽色にまごう物とては 
 我に由縁の深見草
 花のをだまき』

(意訳)
「世の中にもし花というものがなかったならば
 私はどこをねぐらにすればいのでしょう
 蝶の世界は楽しいのよ
 ほかのことを何も知らないで、
 草に寝て、花にたわむれ、 
 露と仲良く袖枕
 羽の色かと見まごうものは、
 あなたにゆかりの牡丹の紫」


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tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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鏡獅子―59

2009-06-26 | 曲目 (c)yuri saionji
春興鏡獅子―11


以上で上の巻「小姓」は終わる。

踊りを所望された弥生は、最後に祭壇に飾ってあった
獅子頭を手に取って踊る。
するとどこからともなく、2匹の蝶が飛んで来て、
獅子頭に戯れる。
やがて不思議が起こり、
獅子頭が勝手に動き出す。

弥生が獅子頭に引っ張られるように、
2匹の蝶を追って、花道に引っ込むと、
舞台正面の雛段(演奏者の座っている山台)
が真ん中から割れ、2匹の胡蝶の精が二畳台に乗って現れる。
先ほどの蝶の精、という演出だ。
胡蝶の精は色々なおどりを披露する。
その間に、弥生が後ジテの獅子の精に変身するという、段取り。

ちなみに下の巻は「胡蝶」という。


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tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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