西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

37-春調娘七草

2009-08-31 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉治―37「春調娘七草」


昔は夜遊の神楽の鼓に合わせて七種打ちをした。
歌詞はそのことをいっている。

『引くや夜の鼓の拍子を揃えて(打つや夜遊の鼓に拍子を合わせ)
 七種なずな 
 御形 田平小 仏の座
 菘(すずな)清白(すずしろ)芹 薺(なずな)
 七種揃えて恵方へきっと直って
 しったん しったん(この先はおまじないの呪文のようなもの)
 どんがらり どんがらり
 どんどんがらり どんがらり
 唐土の鳥が日本の土地へ
 渡らぬ先に』

そして終盤。
正月狂言ゆえ、目出たい歌詞で締めくくる。

『怨敵退散 国土安穏
 千秋楽々 万歳 万歳
 今を盛りの心の花も
 開くる開くる 運は天
 天長地久万里が外も
 打ち納めたる 今日の七種』


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tea breaku・海中百景
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36-春調娘七草

2009-08-30 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉治―35「春調娘七草」


次は唄となり、3人での手踊りとなる。
正月狂言ゆえ、万歳を拝借。

『恋の仮名文 いつ書き習い(恋文を書きましょ)
 誓文命も参らせ候べく(真実命がけでございます)
 かしくと留袖(かしこ、と筆を結び)
 問うにゃ落ちいで
 語るに落ちる

 様はいばらか(お前は棘のあるいばらか)
 わしゃ結いかねて(痛くてさわれぬ)
 抱いて居たさよ
 何時とても

 睦まじと君は知らずや瑞籬の(なつかしいと、君は思うだろうか)
 久しき代々の例しには(昔のならわしには)』


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tea breaku・海中百景
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35-春調娘七草

2009-08-29 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉治―34「春調娘七種」


そして再び鼓唄。

『春は梢も一様に
 梅が花咲く殿造り
 めざす敵は』

五郎せりふ。「敵(かたき)とは」

敵の工藤に聞かれてはまずいので、少将がとりつくろう。
これも鼓唄。

『いいや片枝に鶯の(敵を、片枝と言い換えた)
 ホーホーホー ホーホケキョウ
 ホーホケキョウとさえずっても
 餌食(えばみ)も知らぬくも
 けらけら 空うそふいて』

五郎せりふ。「飛びかかって」

今度は十郎が五郎を制す。
やはり鼓唄。

「はて 気を静めて打ち囃し
 初若水の若菜の御祝儀』


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tea breaku・海中百景
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感動体験・日本の音

2009-08-28 | 仕事関係
東京都と東京都歴史文化財団の主催する
「東京発・伝統WA感動」の初日が開きました。
今日から30日まで、長唄・清元・端唄・箏曲・囃子
の「邦楽入門コンサート」が、池袋の東京芸術劇場で行われます。

総合司会は落語家の林家きく姫氏、解説は竹内道敬氏。

私は初日に出演、まずは清元連中との掛合い(ジョイント)で
「喜撰」の一部を。

中央から右が長唄、左が清元です。
写真は左から、清元延美夏・延清恵・延志寿佳・延志寿香、
杵屋秀子・今藤郁子・長十郎氏そして私長由利です。


他には「秋色種」、「俄獅子」、「綱館」、「勧進帳」の一部を演りました。
客席は子供連れの親子さんといったお客さまが多かったようです。

楽屋でのスナップ。
左から、秀子・郁子・長十郎の各氏です。


こいう催し物は楽屋スタッフが行き届いていて、コーヒーなど飲める
コーナーが充実しているものなのですが、
今回はまたなんとも整然としたコーナーで、「冷たい水、お茶あります」
と書いたアイスボックスが面白くて、
思わずシャッターを押してしまいました。


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tea breaku・海中百景
今日は、さいなら。
 和尚
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34-春調娘七草

2009-08-27 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉治―33「春調娘七種」


まずは謡ガカリで幕が開く。

『神と君との道直ぐに
 神と君との道直ぐに
 治まる国ぞ久しき』

次は少将の踊り。

『若菜摘むとて袖引き連れて(友達と連れ立って七種摘み)
 思う友どち(親しい友達)
 好い仲 好い仲
 仲のよいのをわきから見れば
 どれが姉やら妹やら
 よく似たな よく似たな
 さってもよく似た
 しゃなしゃな行けば
 振りもよし
 今来るよねに見しょうずもの(あちらから来る遊女に見せてやりましょ) 
 見しょうずもの

 袖引き引くな 若き人
 あら大胆な人じゃえ』 


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tea breaku・海中百景
photo by 和尚
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