西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

総踊り

2017-01-31 | 浮世絵
これは鳥居清信(寛文4〜享保14・1664〜1792年)の浮世絵で、
猿若座の「総踊り」の様子を描いたもののようだ。

この頃は野郎歌舞伎になって久しい時代だが、
前髪の若衆も交じっているところをみると
野郎頭ばかりでもなかったのだろう。
上の方で踊っている額帽子を着けた野郎は女の姿で、
若衆髷の前髪付きは刀を差し若衆姿だ。

この頃の役者絵はに各々の着物に紋が大きく描かれ、
だれだかがすぐ分かるようになっている。

市川団十郎(初代)が右下で踊っている。
三味線は当然杵屋勘五郎(2世)だろう。

     

三曲合奏

2017-01-30 | 浮世絵
これは奥村政信(貞享3〜宝暦14・1686〜1764年)の浮世絵だ。
制作年代もタイトルも不詳だが、「三味線の駒音高き薮桜」と右端に書いている。

箏は遊女、三味線は新造、胡弓は禿が弾いている。
「色座敷 二階も下も みな桜」と書き入れにあるように
桜を見ながら仲間内での遊興か。
それとも客がいるのだろうか。
遊女が髪に櫛一枚とこうがいを付けるようになったのは
享保(1716〜)の頃からだから、この絵はそれ以降のものだろう。

    

今藤新年会

2017-01-29 | 仕事関係
きょうは帝国ホテルで今藤新年会がありました。
午餐の宴ですので、朝を少なめにして出かけました。
ここのお料理はおいしいのですよ。

美知さんがお隣でしたので、色々な話をしながらゆっくりいただきました。
         

お洒落に決めた美治郎さんと2ショットです。
    

    元気はつらつの尚之おじさんと。
    

   信じられないほどおきれいな、
   90ン歳のご母堂さまと、家元もご一緒に撮らせていただきました。
   
   
   

初会

2017-01-28 | 浮世絵
これは奥村政信(貞享3〜宝暦14・1686〜1764年)の浮世絵だ。
制作年代は不詳、「初会の体」(しょかいのてい)とある。

初会とは指名した遊女と初めて会うことをいい、揚屋では「引付けの盃ごと」などの厄介な儀式がある。

もう少し時代が下がると、初会では遊女は客の斜め前に座り口も聞いてくれなくなるのだが、
この時代はまだそれほど厳格な作法が完成されていなかったとみえる。
客も大名・武士から金持ちの町人への移行期だ。
この客は明らかに金持ちのぼんだろう。

客に寄り添い三味線を弾く遊女、
取り巻き男のリラックスした格好、
三宝に載せた肴を運ぶ禿、
揉み手の太鼓持ち、
いずれもおっとりとしたものだ。

     

初期の遊女

2017-01-27 | 浮世絵
これは奥村政信(貞享3〜宝暦14・1686〜1764年)の浮世絵だ。

制作年代もタイトルも不詳だが、遊女が三味線の手を止めて稽古本を眺めている図だ。
1736年頃は江戸中に「夕霞」の稽古本のない家はないというほどに
一中節が流行ったようなので、
案外それかもしれない。
立っているのは新造だ。まだまだ遊女も新造も素朴な衣裳だ。