西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

三番叟

2021-06-21 | 役者絵
きょうはYouTubeを見て、「操三番叟」のお勉強をしました。
今度夏の長唄協会で囃子出曲の「操三番叟」を演奏委員で助演することになったのです。
この曲は囃子のきっかけとかがたくさんあるので、ちょっとお勉強しないといけません。
YouTubeは玉石混交ですから、選別が大変ですが、参考にはなります。

未投稿の「三番叟」の記事があったので、アップしますね。

これは鳥居清倍(きよます・生没年不詳)の役者絵だ。
制作年は享保16(1731)年とある。

瀬川菊之丞の翁、東下り佐渡島長五郎の三番叟だ。
本来「三番叟」は開幕すぐに、座元・若太夫・座頭の3人で演じられる特別な演目なのだが、
これは「番立」という簡略化されたものだろうか。

菊之丞は同じ興行で「傾城道成寺」を出し、5月までのヒットを放つ。

   

     

娘道成寺

2019-11-04 | 役者絵
これは勝川春章(享保11〜寛政4・1726〜93)の役者絵だ。

制作年は天明3(1783)年とある。
中村座の初春狂言「江戸花三升曾我」(えどのはなみますそが)を描いたものだろう。
白拍子は三代目瀬川菊之丞だ。

3代目菊之丞は大阪の振付師、市山七十郎の次男で、兄の策略により
三代目を手に入れた。

しかし、芸は確かなものだったらしく、
「可愛らしさは王子路考(2代目菊之丞)に劣らず
 所作事は慶子(けいし・中村富十郎)に引けを取らぬ。
 誠に柳の枝に桜を咲かせ、梅の匂いを持たせた君とは
 浜村屋(菊之丞)のこと」というほどの評判だ。

    

娘道成寺

2019-11-03 | 役者絵
これは勝川春章(享保11〜寛政4・1726〜93)の役者絵だ。
制作年は明和9(1772)年。

役者は嵐雛じとある。
けっこう色んな役者が踊っていたのだ。

    

娘道成寺

2019-11-01 | 役者絵
これは勝川春章(享保11〜寛政4・1726〜93)の役者絵だ。
制作年は不明だが、
安永9(1780)年に、三津五郎が中村座の弥生狂言に出した「娘道成寺」があるので、
案外その時のものかもしれない。

道成寺は本来女方のもので、立役の踊りではない。
ところが踊りに自信のある三津五郎は、
加役(本役以外の役)でこれを中村富十郎そっくりに真似て踊ったのだ。

この趣向は大当たりで、5月末までのロングランとなった。

   

娘道成寺

2019-10-31 | 役者絵
これは勝川春章(享保11〜寛政4・1726〜93)の役者絵だ。

制作年は安永6(1777)年。
このところ内紛が続き客の入りが悪い中村座が、
初春興行に中村富十郎を呼んで「京鹿子娘道成寺」を出した時の絵だ。

初演から25年も経つというのに、富十郎の美しさは少しも変わらず、
2月から6月までのロングランとなった演目だ。

右は2代目嵐三五郎の西行法師、左は三代目大谷広次のマンガク上人。

ちなみに今ではこの白拍子の名が「花子」に定着しているが、
富十郎の時代は「横笛」だ。
前場の演目によって白拍子の名はいろいろ変わり、花子に定着するのは明治以降の事という。