きょうの「題名のない音楽会」のテーマは
当時のピアノでショパンを弾くというものでした。
フォルテピアノ(古楽器)奏者の川口成彦氏の演奏です。
当時のピッチは440ヘルツで、今は442ヘルツが主流です。
聴き比べると少しメッテ(低く)聞こえます。
ガス灯の薄暗い時代の感じですね。
「ノクターン第2番」を現代のピアノで弾くとテンポが速い。
ところが当時のピアノだとハンマーの構造が違うので、
物理的にそんなに早く弾けない。
これが実に時代のテンポというか、
映画なんかで見るあの時代の雰囲気なのですよ。
三味線の音色やテンポにも同じことがいえますので、
世界中のテンポがそうだったのか、と納得しました。
時代性とでもいいましょうか。
三味線も江戸時代は早く弾くことがそれほど重要視されていなかったと思いますね。
曲弾きという寄席芸があったくらいですから、
むしろ下品とされていたのではないかと。
今は手がまわる(速弾き)、イコール巧いとされていますが、
少なくとも4代目杵屋勝三郎や3代目正次郎(いずれも明治初期に活躍)の時代までは違っていたと思います。
まだ世の中、そんなに早いテンポで動いていませんから。
当時のピアノ、プレイエル